上海(その1) 1110
日本に帰ったらできるだけあちこちに旅行をしようと計画をしていましたが、その中でまず行ってみたいところの一つが中国でした。
中国と言っても行く場所は一杯ありどこにするか迷いましたが、先ず上海にしました。

私の場合歴史から言えばまず頭に浮かぶのが租界、その後の戦争、最近では中国経済の中心地、大都会、上海万博などです。(ありきたりでパッとしない、、、。)
ややこしい事はともかく、上海に旅行した人は結構多いので、感想を聞く相手に不自由はしません。

食事がまずかった、お腹をこわした、水が臭かった、物価は思ったより高かった、どこへ行っても愛想がなかった、等のマイナスイメージの感想から、食事はおいしかった、いろいろと見るところがあって楽しかった、思ったより清潔だった、等のプラスイメージまで様々でした。

旅行に行く前はいろいろと調べて行くのは当然ですが、あまり先入観も持たずに素直に感じる、というのが私のやりかたで、いろいろな話はあくまで”参考”、という事で上海に行ってきました。
中部国際空港

前日は空港のホテルに宿泊、7時に3人目くらいで出国審査をしてラウンジへ。

誰もいません。一番奥のバーに行って、軽い食事。
でもこれだけ液体燃料がズラーッと並んでいると、どうしても目障りです。

そこで仕方なく、私は品質検査をやる事にします。先ず麦燃料を検査して、次に米燃料を検査します。
全部合格です。
朝から品質検査も大変です。
上海浦東空港

上海には3時間弱のフライトであっと言う間に到着します。入国審査の後、手荷物検査は、、、他の空港と同じく特にありません。
大きな、きれいな空港です。

SDP銀行のATMがナゼか使えず、少しあわてましたが、2Fのバンク・オブ・チャイナのATMはOK。
どうしてだろう?

デビットカードだからダメなのかと思い、クレジットカードでやってみたのですが、これもダメでした。????
リニアモーターカー(1)

上海に来たらリニアモーターカーに乗らなくてはなりません。
案内の看板に従って歩いていくと、駅に着きます。

切符は自動販売機で買おうとしていたら、オバサンが窓口で売っていたので、ここで買いました。

ホームに入るには飛行機と同じく、荷物のX線検査があります。内部は新しいですが、シートのカバーは少し汚い。選択しろよな〜、、、。
リニアモーターカー(2)

ホームから人が全部いなくなるまで出発しません。
乗車率は40%くらいでしょうか、ゆったりです。

出発するとグングンとスピードを上げてあっと言う間に300km/hに達します。
本日はここまで。

400km/hのスピードは午後に出すそうです。
残念。
地下鉄

リニアモーターカーは、地下鉄2号線の龍陽路駅まで行きますので、ここで乗り換えます。
地下鉄内は若者がワイワイ。中国人は日本人にくらべてうんと声が大きいのでけっこううるさい。

人民広場駅で1号線に乗り換えます。
乗り換えは結構あるきますが、迷うこともなく、スムーズにいけます。

ローマの中央駅よりずっと分かり易い!
ホテル(1)

今回は初めての上海ということで、日系の”オークラ・ガーデン・ホテル”にしました。
予約はインターネットでやりましたが、いろいろなタイプがあって料金も違います。

カウンターでのチェックインは日本語又は英語でできますので、やはり安心です。

通された部屋は広くて清潔でした。
ホテル(2)

予約の時にガーデン・ビューとシティー・ビューがあったのですが、ガーデン・ビューで予約。

知人のTさんに聞いたら、「上海のど真ん中だから、ガーデンビューというのは???だけどねー、、、。」、と言われましたが、外を見て納得。
このホテルは、広大なガーデンを保有しているのでした。

しばし持参の双眼鏡で景色を堪能でした。
茂名南路

一服して早速外に出てみます。ホテルは准海中路という大きな通りを入った茂名南路という通りに面しています。

ここにはしゃれたお店がズラッと並んでいます。
歩道はポプラの木が植えてあり、独特のいい雰囲気です。
走っている車も全部きれいです。

この雰囲気は、目を閉じて2秒くらいパッと目をあけて再び閉じれば、欧米のどこかの街と勘違いするかも知れません。
ラーメンを食ってるギャル

准海中路に出ます。きれいな店が並んでいます。
道路の植え込みのところにうずくまっているギャルがいます。何だろう、、、。

何とカップラーメンでお食事中でした。おいしそうにズルズルと食ってました。

その後も結構まともな格好をした女性がカップ麺持って歩いているのを見掛けましたので、こういう姿は別に珍しい事ではないと思われます。
マクドナルド

漢字は読めませんが、これでマクドナルドと読むのかなー。
店の中に入って少し観察をしてみました。店内はあのマクドナルド独特の臭いがしません。

ビックマックらしきものを食べていますが見た目は同じです。
フライドポテトは日本のタイプではなく、アメリカのタイプでした。(細くて、カリっと揚げてある。)
2日目の朝、朝食バイキングです

昨日は准海中路を東西にず〜っと歩いて街の雰囲気を楽しんだ後、夜は上海蟹のフルコースを堪能しました。

2日は周荘・蘇州の1日観光です。この1日観光は0800〜1830と結構長いコースです。

朝食は3つのレストランの中から自由に選べます。この日は1Fのレストランでバイキングを食べてみました。
さあ、ツアーの始まりです

8時前にロビーに行くと周さんという女性のガイドさんに名前を呼ばれます。
何とツアー客は私とカミさんだけ、つまりマイクロバス・運転手・ガイドさん、これがセットで1日専用というわけです。
ラッキー〜、♪♪

ホテルを出て西向きの高速道路に乗って周荘に向かいます。
平日なので朝のラッシュはすざましい!
田舎道

周荘の手前の農村地帯の田舎道です。
行き交う車もなく、のんびりしています。
家はあちこちに見え、どの家も思ったよりこざっぱりしています。

この手前でちょっとした町を抜けましたが、いろいろな店があって賑やかですが、人口の割に車の数があっといて気に少ない事に気がつきます。

みんな自転車、又はバイクです。
水郷古鎮・周荘(1)

1時間弱で周荘に到着です。駐車場も何もかもガラガラ、というより観光客が殆どいません。
ガイドの周さんによると時間が少し早いせいでしょう、という事でした。

上海の西にの大湖(江南地方)の付近にはいくつもの水郷があり、その中でももと有名な古鎮が周荘だそうです。

900年の歴史があるそうですが、風景は明・清時代のものと言っていました。
水郷古鎮・周荘(2)

ン?この雰囲気はどこかと似ている。そうです、イタリーのベネチアです。
船頭が舟歌を聴かせるのは世界共通のようです。
(舟歌が有料なのも世界共通。)

向こうに見えるのは中国人の観光客です。身なりを見ると相当な田舎から、という感じです。
ワイワイもっとうるさいかと思ったら、絶好神妙にガイドの話を聞いていました。
水郷古鎮・周荘(3)

これは永安橋(だったと思います)で、ここからの家並みと橋のアングルはいろいろな絵とか写真に撮られたりして、超有名だそうです。

この雰囲気は400年前の中国なんでしょうね。
イタリーのベニスと違うのは、ここに実際に住んで生活をしている人は殆どいない点です。

建物は民宿、土産物屋、食堂など観光客向けの施設として使われています。
水郷古鎮・周荘(4)

観光船に乗って水路からの街並みを眺めます。
先ほど私達が水路を見下ろしていた橋に観光客が鈴なりになっています。
(上海からの観光客は9時〜10時頃に出るのでこの時間に着くらしい。)

ベニスのゴンドラほど乗り心地はよくありませんが、似ていると言えば似ています。
大きく違うのはベニスでは閉口した水面からの悪臭が殆どない事でしょうか。
水郷古鎮(5)

船からはいろいろな風景が見えます。

これは水路の水を使って野菜と芋を洗っている女性です。
洗濯をしている人も見ました。

ここで洗っているという事は上水道がないという事なのでしょうか。
ちなみに水は清水ではありません。
水郷古鎮(6)

狭い通路を歩いていると、ところどころにこのような野菜とか貝が置いてあり、水槽の中には名前の知らない魚が泳いでいます。

貝はタニシとかカラス貝など日本でも見掛けたものばかりで、なつかしい生きたザリガニなんかも置いてありました。

これは客に好きな材料を選ばせて、その場で料理をして食べさせる食堂でした。
水郷古鎮(7)

結構しゃれた食堂です。ここで先ほどの材料をコテコテに油か何かで炒めてもっらって、中華製の強力液体燃料を注入する。
そんな事したらここで轟沈ですね。
やってみたい、、、。

でもどの食堂も客は誰も入っていませんでした。
お昼にはまだ早いからなのでしょう。
水郷古鎮(8)

この地方の民謡でしょうか。中国三味線と琵琶の弦楽二重奏です。
聞いている人の数も多くなく、ざわついていないのでいい感じです。

静かに鳴り響くゆったりとした音色、先ほどの食堂で中華製強力液体燃料を注入しながら聞けばきっと最高だろうな〜。
水郷古鎮(9)

水路の横にも食堂があります。
ここのいいところはしつこい客引きが一切いないことです。

日本の観光地の中には、「エイ、らっしゃい!らっしゃい!ウマイよ!安いよ!、、、」、等と声を張り上げて客を呼び込もうとしている土産物屋とか食堂を見掛けます。

観光客は静かに見学をして回ります。
蘇州に向かいます

周荘から蘇州までは40km弱、途中には巨大な工業団地があります。
この工業団地は走っても、走っても延々と続きます。すごい規模です。

私の乗っているマイクロバスは信号で停止するのですが、他の車も人も殆ど信号無視の状態です。
後ろの席から見ているとハラハラするなんて代物ではありません。
あーっ、お前轢き殺されたいのか!って感じの連続です。
マンション群

工場群の間にはこういう巨大なマンション群がいくつも見えます。
ものすごい規模です。
工場に勤める従業員が入っているのでしょうか。

ガイドの周さんに聞くと、工場の従業員は周辺からいくらでも集められるそうです。

中国の好景気、いつまで続くのでしょうか。
寒山寺(1)

市の中心部から少し離れたところにある有名な(日本人にとって?)寺です。
1400年以上の歴史のあるお寺だそうですが、今の姿は1860年頃に再建されたものだそうです。

山門の前には立派な橋があり(名前は忘れました)、黒山の人だかりでした。
蘇州も運河・水路を走る観光船が人気があるそうです。
寒山寺の本道の前

この大きな灯籠の上の灯台には直径30cmくらいの穴が空いており、下からお金を投げてこの穴から灯台にお金が乗ると、願いがかなうそうです。

私も早速やってみました。私はこういう近距離の物投げのコントロールには自信があり、多くの観光客がひとりも成功しない中、見事に入りました。

でも肝心な事を忘れてしまいました。それはお願いをする事です。何の意味もなかった、、、。
張継の”楓橋夜泊”

これは日本人ににはかなり有名。私もどこで覚えたのか、良く思い出せない。
それにこの漢詩は、”旅人が寒山寺の鐘の音を聞いて故郷を懐かしんだ”、くらいしか知らなかったのですが、今回の旅を機会に調べ直し、ある程度正しく理解できました。

境内にはたくさんの石碑がありますが、時間もなく事前の勉強も不足していたので、”猫に小判”状態でただ見ただけに終ってしまいました。
寒山寺の鐘楼

ここの鐘は昔、日本人が盗んで日本に持ち帰ったという話があり、これを気にした伊藤博文が寄付を集めてこの寺に寄贈したという話があります。
(当然、ガイドさんはこのテの話は一切しません)

盗んだ日本人とは戦国時代か、もっと前の倭寇と呼ばれる日本人海賊であった、とされています。

今の鐘楼に吊されている鐘は100年くらい前に作られたもので、お金を払うとてつかせてくれます。

「1回つくと10年若返ります。」

ガイドの周さんが言ったものですから、カミさんは鐘をつきに上がっていきました。
ゴンゴンゴンと確か3回聞こえましたので30才は若くなった言っておりました。
(でもちょっと音が小さかったので、効果は50%以下だと思います。)

ここの鐘は12月31日の除夜の鐘でも有名だそうです。
寒山寺・善明宝塔からの眺め

ここには二階までは上がる事ができました。それほど大きくないお寺なので、大体が見渡せる感じでした。

寒山拾得は森鴎外の小説にもあるし、鐘は日本人が盗んで、400年後に別の物を寄贈しているし、何かと日本と縁のあるところです。

ガイドさんは知らないのか、言わないのが通例なのか、こういう事は一切しゃべりませんでした。
昼食です

1時を過ぎた頃、やっと市内の川縁にあるレストランに着きました。

桂魚を揚げて甘酢ソースをかけた料理、これは絶品でした。(あとで調べたら、これは結構高い料理のようです)

これに五人前くらいのスープ、四人前くらいのチャーハン、二人前かなと思えたのは肉と野菜の炒め物くらい。
ドサッと出てきました。おいしかった〜、、、。。
留園(1)

ここは中国四大名園の一つだそうです。建てられたのは明代だそうですが、清のじだいに大改装されて現在のような形になったそうです。

庭のあちこちには太湖から引き揚げられた奇石が置かれて、独特の雰囲気を作っています。

こういうところでは騒々しい団体さんに遭ったら、やり過ごすのがコツです。
今回も2つ程先に行ってもらいました。
留園(2)

園内は4つの区域に分かれており、それぞれ意味があるそうですが、よく理解できませんでした。

建物のは回廊で結ばれており住居の区画もあるというのですが、どれが住居なのか、これもよくわかりませんでした。

ただ観光客に開放している各部屋は見事なもので、家具類もピカピカでよく手入れされていると思いました。
でも、夏は快適そうですが、冬は寒そう。
留園(3)

中国3大太湖石の冠雲峰(カンウンホウと読むのでしょうか)です。実に奇妙な形をしています。
高さは6.5mだそうです。

このような奇石は園内のあちこちにあります。穴の空いたようになっているのは、石の柔らかい部分が浸食されてできたそうです。

ガイドの周さんによると手前は美術大学の学生達。若い先生が何やら一生懸命説明をしていました。
留園(4)

庭園の造り、特に池のつくりは何となく日本庭園に似ていますから、日本が中国から学んだのでしょう。
このアングルで建物を日本建築にすれば、日本庭園になってしまいます。

池には鯉がゆっくりと泳いでいました。
留園(5)

ここでも周荘で見たのと同じ中国三味線と琵琶の弦楽二重奏をやっていました。
ここではマイクを通し、スピーカーから音を流していました。
ちょっと興醒め。

遠くから流れてくる三味線と琵琶の音、庭園をゆっくり散歩しながら景色を眺め、静かに物思いに耽る。
私はこんな生活がしてみたい、、、。
(Sさんの声:多分二日で飽きる。やめとけ。)
絹の工芸品の土産屋

私とカミさん2人にマイクロバス1台と運転手、ガイド付きの贅沢な1日観光。
やはりガイドさんは土産物屋に連れて行きます。
この日は蘇州の名産と称して、絹の刺繍の店に連れて行かれました。上は200万円とかいう刺繍から下は3000円の刺繍まで、いろいろあります。

実演もやっていました。大きい物になると何ヶ月もかかるそうです。やり方を見ていれば納得です。
一応記念と言うことで8000円ちょっとの周荘の風景の刺繍を買いました。
虎丘(1)

中国の団体さんはも大体20人前後、多いところで30人くらいの感じです。

ガイドさんは声を張り上げて説明をするのですが、みんな腰にアンプとスピーカーをぶら下げていて、これでガンガンやります。

2つ、3つのグループが近くでこれをやるとどうなるか。結構すざましい事になります。
虎丘(2)

ここは坂道をどんどん上って雲厳寺塔に向かいます。途中で何とかいう古い踊りをやっていました。ガイドの周さんも小学生の時に習って、今でもできると言っていました。

大太鼓と、一人ひとりが腰にもった太鼓をドンドンと叩いてみんなで輪になって踊ります。
ちなみに踊り手の女性は、ズバリかなり年配のオバサン達でした。
最初若い人達かと思いましたが、コテコテに化粧をしているので、わかりませんでした。
虎丘(3)

ここには雲厳寺塔という950年頃に建てられたという塔があります。
ところがこの塔、今は3.5度まで傾いており、イタリーのピサの斜塔と同じ状態です。

虎丘の名前の由来は越王との戦いに敗れた呉王のXX(漢字変換できない)を葬ったところ、3日後に墓の上に白い虎がうずくまっていたという伝説からだそうです。
(観光パンフレッから)
虎丘(4)

これはあちこちに置かれたゴミ箱です。
ズバリ、リサイクル可能のゴミと不可能のゴミのを放り込む2つの箱からできています。

中国では一般家庭がどのような分別をしてゴミを捨てているのか、聞くのを忘れましたが私の住む三重県鈴鹿市は5種類にに分別して捨てます。

周りの市は3種類くらいのところが多く、鈴鹿市はゴミの焼却能力が足りないので、これを住民の手間でカバーしています。
ホテルに帰ります

蘇州から上海市内のホテルまで1時間の予定でしたが上海市に近づくにつれて大渋滞。
結局1時間半近く掛かってホテルに着きました。

車線変更を繰り返しながらクラクションを鳴らして前の車をあおって、みんな前に前に出ようとします。
イヤー、よくこれで事故を起こさないものです。

ガイドの周さんによるとバスの運転が一番荒っぽいそうです。
さあ、夕食です

昼に食べ過ぎたのかお腹がちょっとドーンとしています。おいしかったのと、一杯出たのでつい食べ過ぎたのでした。
こういう時は日本食で軽く済ませるのがコツです。

という訳で日本レストランでカミさんはちらし寿司、私はにぎり寿司とつまみのセット、それに液体燃料を頂きました。
値段は日本の2倍ですが、おいしかったです。
上海到着1日目は准海中路を中心に初めての上海をブラブラと歩いてみました。通りだけを見ていると近代的な大都会そのものですが、チラチラ見える路地には一昔前の中国が残っていました。
どちらも中国です。

周荘・蘇州の1日観光は思っていたよりも中身が濃かったです。何よりもマイクロバス1台とガイドさんを占有できたので、他の人を待ったりするロスがゼロだったので行ったところは多かった割に、時間的に余裕を持ってゆっくりと観光する事ができました。

上海到着後たった1日半ですが大いに充実感を覚えました。
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