16−09−23 田舎のウエイトレス
私は今のところ休みの日はコンドミアムでゆっくりと過ごす事が多く、1週間の疲れを癒やします。
コンドミアムの1階ロビーにはフィットネスセンターもあるので、そこで少しランニングをしてシャワーを浴びてサッパリする、というのも楽しみに入っています。

毎日の朝食はパンを買ってきてこれにチーズ、ヨーグルト、野菜ジュース、コーヒなどで済ませていますが休みの日はレストランでゆっくりと食べます。
コンドミアムの周りにはいくらでもレストランがあり、それほど混んでいません。

私はUCCのレストランをよく利用します。
普段のパンもここのショップで買っています。値段は普通のスーパーで買うより2倍くらいしますが、大変おいしいのです。

ここに食べに来る人達を見ているとフィリピン人、韓国人、たまに白人、日本人はあまり見掛けません。と言うより、日本人自体が外国人の中ではそれ程多くはないので、そういう事なのだと思います。
普通のフィリピン人はこういうレストランで食事はできません。朝食セットメニューとジュース、コーヒーで700ペソ(1600円)は大学出たばかりの初任給の1日分より高いのです。

平日に昼食を食べる会社近くのレストランのウエイトレスに1日働いていくらの収入があるのか聞いてみた事があります。

8時間(実際の拘束時間はもっと長いと思います)で400ペソ弱(900円くらい)と言っていました。
地区によって違いますがこれは最低賃金とほぼ同じです。

UCCのレストランで700ペソの朝食を普通に食べるフィリピン人、それは普通の女の子のウエイトレスの2日分の日給に相当する、、、。

日本の社会はとんでもない格差社会だとマスコミは騒ぎます。格差って何だろう、、、そんな事をぼんやり考えて今朝もUCCで朝食を食べてきました。
今週はある会社のフィリピンでの事業25周年記念のパーティーに参加させて頂きました。
フィリピンに来て4ヶ月、銀行の支店開店パーティーとかに呼ばれた事はありますが、今回の記念式典は大変規模の大きいものでした。

この会社の社員は700名程度、全員とは思えませんが大半が出席していたそうで、それに取引先等の招待者が120名以上はいたと思います。

社長のKTさんとは3週間程前に食事をしたのですが、この日はかなり緊張されており、その様子がヒシヒシと伝わってきました。

日本本社の社長も見えており、割と長い挨拶をされ、アドリブの冗談なども交えた流暢な英語に失礼ながら私は少々ビックリしました。

フィリピン流のこういう催しはプロのエンタテイナーのダンス、歌などがステージ上で切れ目なく演じられるわけですが、少々ボリュームが大きすぎたような気がしました。
もう少し下げて頂けていたなら、私も周りのいろいろな方々と話ができたと思います。

フィリピン設立25周年を迎えたこの会社の親会社とは、4年ほど前に私が前の会社いた頃に少々付き合いがありました。
当時の私の役割上、「付き合いはいい話」、ではなく、社長のKTさんに初めて会ったときにこの話をしました。
KTさんは当時何があったのかよくご存じで恐縮され、逆にこちらが困ってしまいました。

記念パーティーは2時間ちょっと終わりました。
私はパーティーの間、一般フィリピン社員達の席をチラチラと見ておりましたが、パーティーの趣旨はともかく、「パーティーそのものを楽しむ」、という雰囲気には感心(?)しました。

また女性社員達の化粧と服装は、毎日接している日本人駐在社員にも見分けがつかなくなる程の変身で、「あれ?この子誰だっけ?」、となるそうです。

それはともかく同じテーブルにみえたFMさんというある会社の役員さんに、一度私の会社にお越し頂くという約束を取り付け、この日は一応営業の成果も挙げる事ができました。
最近会社のカフェテリアで昼食を食べていません。
10時の休憩の時にコーヒーを飲みにカフェテリアに行きその日のおかずを見ると、まあまあおいしそうな料理がお皿に載っていますが、12時になると近所の日本レストランに行くことが多くなっています。
こういのはやはり年齢的なものがあるような感じがします。

この日本レストランはランチだけではなく、夕食も大いに御世話になっています。値段もリーズナブルで、帰り道の途中にある、という立地も関係しています。

ここは結構大きなレストランで、2階席も入れると100席くらいあると思います。
昼も夜も頻繁に行くのでウエイトレスの女の子達とも顔なじみになります。

私は一度このレストランにスマートフォンを忘れて会社に戻ってから気が付いた事があります。
慌てて戻ったら私の顔を見てにっこり、あるウエイトレスがスマートフォンを手渡してくれました。

冷やせものでした。取引先の電話番号、住所、その他の重要な情報満載のスマートフォン、これなしでは1日も仕事がまわりません。
ちょっと少ないかな、と思ったのですが100ペソ(日本円で1000円〜1200円くらいの価値?)のお礼を渡しました。

その1週間後同じ工業団地内の親睦会の食事会をこのレストランの2階でやりました。6人でやって7600ペソ、お釣りの400ペソをチップでテーブルの残してそのまま帰りました。
(これはアメリカではブーイングが出る金額、最近のNY辺りでは25%前後が普通らしい)

スマートフォンを届けてくれたウエイトレスが我々のテーブルのサービスをやってくれました。
翌日そのウエイトレスが、「忘れ物です」、と言ってクリップではさんだ400ペソのお札を持ってきました。

私は、「これはあなたのものですよ」、と言いました。その嬉しそうな顔。
歳はわかりませんが正直な田舎の女の子だと思いました。
何だかこちらまで嬉しくなってしまった瞬間でした。

そう言えばオハイオでも同じような事がありました。パスポート、かなりの現金他、何から何まで入った小型バックをレストランに忘れてアパートに帰ってから気が付いた私。
(まだ駐在ではなく、その前の出張の時)

慌ててレストランに戻るとウエイトレスの女の子がちゃんとマネージャーに届けてくれてありました。
私は女の子を呼んでもらい20ドル札を握らせようとしました。でもその子は受け取りませんでした。
私はその子の手をとり20ドル札を握らせました。嬉しそうな顔をしてくれました。

今回のスマートフォンとお金の件、私はずっと前のオハイオでの出来事を思い出しました。
ドジな私ではありますが何となくいい思い出です、、、。
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