16−07−08 米の国
フィリピン人は米を食べます。日本人よりたくさん食べます。朝昼晩全部米です。
フィリピンにもマクドナルドがありますが、それよりも圧倒的に多いのがジョリビーというファーストチェーン店です。どこに行ってもジョリビーだらけ、です。

日本で言えばラーメン屋と焼き肉屋とファミレスを合わせたくらいの頻度で見掛けます。メニューはマクドナルドとケンタッキーフライドチキンを合わせてそれにスパゲッティーなどがあるという、有名なファーストフード店の"いいとこ取り"、をしたようなメニューです。
さすが横取り、マネ、コーピーで世界を生きる中国人経営者の会社であります。

でも一つだけ大きく違う点があります。それは全てのメニューに”ご飯”が付くことです。
そうです、ハンバーカーにもフライドチキンにも紙で包んだご飯を注文する事ができる、というよりもこれを注文しない人はいない、という感じです。

ご飯は紙で包まれており、これにバナナケチャップ(と思います)をかけて食べます。1個は日本の標準的なおにぎり1個半くらいなので、2個注文の人も多くいます。
ミニストップでフライドチキンを3つ注文しました。
何も言わないと「ハウメニー?」、とこのご飯の包みの数を聞いてきます。

フィリピン料理のレストランに行ってもご飯、会社の食堂もご飯、、この国はどこに行ってもご飯、ご飯、ご飯、であります。
会社というのはこんなに多くの支払いがあるものだ、というのは知りませんでした。全ての決済が来るので膨大です。
事務用品から加工材料の鋼板、給与の支払い、設備のメンテナンス、その他これでもか、と言う程の支払いがあります。

先日その中に米(10KGX120)、という伝票がありました。金額は10kgで日本円で1000円程度、全部で12万円程です。
これはどういう金額かと言うと現場社員の4人分程度の月給です。
社員食堂用に購入なのか、それにしては全部で1.2トンの米は多すぎるだろう、、、。
早速副社長のRさんにこれは何ぞや、と聞いてみました。

「あっ、それはですね、社員のインセンティブです。フィリピンの会社では一般的です。毎月10kgのお米の現物支給です。その分お給料を増やせばいいのでは?ですか。
イエ、これの方が社員は喜ぶのです」

へー、、、そういう事なのか、、、同じ工業団地内の日系企業のある社長さんにも聞いてみました。
その方の会社も米の現物支給をやっていると言っておりました。
話によると給料は月末になって残らない事があるが、米は残るので生きていける、つまりお金はなくなっても米さえあれば次の給料日まで生きていける、、、。

わかりやすく言えばこういう事なのだそうです。
そうか〜、当たり前だけど米は生きる事に直結しているんだよな、、、。納得であります。
先日ある取引先の社員が来てその人達との会議室での昼食会に呼ばれました。
こういう会食では私が話題を提供する、という事らしいので、オハイオ生活時代の話を話題にして30分程度を乗り切りました。

この時に米の話も出たのですが、Rさん曰く、
「今のフィリピンは国内生産だけのお米では足りなくってタイから輸入をしているのよね。タイの米作りはかつてフィリピンが教えてあげたのですけどね、、、」

と言いながらランチのご飯を食べておりました。
フィリピンがタイの米作りの先生だったとは知らなかったナ〜。

タイはチャオプラヤ川からの水資源による水田は見事なものです。メコン川から豊富な水を得られるベトナムの水田も見事です。
フィリピンにはこういう水源となる大きな川がありません。天水による水田は限界があります。
やはり大規模な灌漑開発を行わないとダメなのでしょう。

毎日の会社までの高速道路の左右には何も使われていない広大な土地が拡がります。灌漑施設がないので農地に使えないのだと思います。
3食とも米抜きでは考えられない食生活のフィリピンの人達、こんなに米を食べる国民だとは知りませんでした。

でも大量の米輸入国です。
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