15−12−08 嬉しい便り
パリでテロがあったと思ったら今度はアフリカのマリのホテルでもテロ。多くの無辜の市民が犠牲になっています。更にイギリス、アメリカとテロが続いています。

フランスの場合、当局は一斉に行動を起こし大統領は"国家非常事態宣言"を出し、期間を3ヶ月延長としたようです。
この部分は日本のマスコミはさらっと流していますが、日本のあちこちの市が"交通安全宣言"、とかの宣言とは意味が違う、具体的な内容については殆ど説明がありません。

非常事態宣言とは事態の収拾を可能な限り速やかにはかるため国家の権力を一時的に増大させることです。フランスの場合は、

・令状がなくても家宅捜索、逮捕ができる(警察のみならず、軍も権限が与えられている)
・集会の規制、報道規制、外出禁止令などの自由権の制限
・国家公務員の動員


今回の事件でやっぱりフランスだなー、と思ったのは劇場がテロに乗っ取られた時、直ちに警官と軍が突入してテロリストを鎮圧したこと、それに犯人達の追跡があっという間に行われた事でした。

日本の都市で同じような事が起きたらどういう対応になるのか、フランスのように警察は占拠された場所に突入するのか、普段からどこまで怪しい人物をマークしてあるのか、よくわかりません。

それより日本には普通の国が持つ、"非常事態宣言"に相当する権力の発動ができるようになっていません。
万が一の時、我々の生命と財産は誰がどうやって守ってくれるのか、ナゼこういう議論がされないのか、既に"泥棒来たりて縄をなう"、状態にあるような気がするのですが。
先日国会で安全保障法案が成立しました。
野党は戦争法案とか言って民主主義国家にあるまじき反対闘争を仕掛けたり、セールズとかいう資金源を暴きたくなるような学生団体を扇動したりして、大いに気になりました。

この法律については賛否両論いろいろありましたが、先日古い本を整理していたところ、最後の日本海軍大将である井上成美が戦後に語った公式談話の記録が目に入りました。

いろいろと書いてあり、ちょっとびっくりしたのは今回の安全保障法案の中にある"集団的自衛権"に関する過去の反省として受け止めるべき一文がありました。

「国軍の本質は国家の存立を擁護するにあり。他国の戦に馳せ参じるが如きは、その本質に違反す。

前(第一次)大戦に、日本が参戦せるも邪道なり。

海軍が同盟に反対せる主たる理由は、この国軍の本質という根本観念に発する。いわゆる自動的参戦の問題なり。

たとえ締盟国が、他より攻撃せられたる場合においても、自動的参戦は絶対に不賛成にして、この説は最後まで堅持して譲らざりき。」


3国同盟(日本、ドイツ、イタリー)についての反省・意見で、この意見は今回の集団的自衛権とは関係のないように思えますが、これに対する警告として傾聴すべき内容だと思います。

旧日本海軍のリベラル派と言われた井上成美大将の言葉の背景とその経緯を我々はよく知っておく必要があると思います。

我々はどこの国の人間かと言いたくなる左翼学者、左翼代議士の意見ではなく、こういう国のために命をかけた人の”歴史の教訓”をきっちりと知っておくべきだと思っています。
ドクターWからの手紙
オハイオにいた14年間、ほぼ1〜2ヶ月ごとに自宅近くの歯医医院に通院をしていました。この歯科医院にはドクターが3名、私は一番年配のドクターWに治療を御願いしておりました。

もうひとりのドクターRはカミさんの担当でした。
ドクターMという女のドクターもいましたが典型的な日本人嫌い(東洋人嫌いと言うべきか)で露骨にその態度をとる人だったので、私もカミさんもご指名からきっちりと外しておりました。

先日そのドクターWから手紙が来ました。
1年前にオハイオに旅行をしたとき、私はドクターWに会いに行ったのでした。

ドクターWは私の事をよく覚えてくれており、やあやあ久し振り、という事で私は14年間のお礼を言いました。

一緒に写真も撮ってあったので送ろうと思っていたのですが、ついつい延び延びになってしまい今年の8月になってやっと送る事ができ、その返事が来たのでした。

手紙には写真のお礼とその他近況、それに先日71才になったと書いてありました。

今は1週間に2日間診療をしているが、医院のスタッフ、それに昔からの患者の治療で充実・楽しい日を送っていると簡潔に書いてありました。

そうか、、、ドクターWに最初に会ったのは1996年だから19年前、この人は52才だったのか、、、。ドクターWの手紙を読みながらしみじみと昔を思い出しました。

ドクターWとは一度医院以外で会った事がありました。きちんとネクタイをして鳥打ち帽をかぶった姿、それに苗字からイギリス系の人に間違いないと思いました。

私の欠損した歯のブリッジ処置が終わったとき、、「素晴らしい!最高の出来だ!Nさん、完璧ですよ!」、と大きな声で嬉しそうに言っていたドクターW。

その時は、「貴方、自画自賛ですか?」、って心の中で苦笑してしまいましたが、アメリカでは誠心誠意の処置をした時はこういう言い方をしてもいい事を後で知りました。

気さくで分かり易い英語をしべってくれたドクターW。
私も元気だったらまたいつかオハイオに行きますよ。その時は顔を見に行きます。それまでお元気で。
inserted by FC2 system