15−12−01 初冬の遠州灘
今年もとうとう師走になりました。仕事を辞めて丸2年、毎日自由気ままにやっています。
今月も”あるこう会”がさっそく催されました。
行き先は静岡県静岡市にある久能山東照宮、美保の松原です。

鈴鹿から静岡市まで行くので集合時間は07:10といつもより30分早く、帰りは鈴鹿サーキットの駐車場に着いたのが19:40頃でした。
参加者は160名といつもと変わらずで、相変わらず皆さんお元気でした。

会社も60才定年が65才までの選択定年制になる事が正式に発表になりましたので、今までより多くの人が60才を越えて仕事を続けるようになると思います。
と言う事はあるこう会のメンバーはしばらくの間今と変わらずの顔ぶれという事ですね。

ま、それはともかく好天の下、久能山・美保の松原でいい汗をかいてきました。、
1159段の階段

山下の鳥居から楼門まで1159段の階段を上がります。
段差は小さいのですが、それでも千段以上を上るわけですから結構大変です。

背中には2人分のお弁当、水筒2本、着替えとかが入ったリュックを背負ってよいしょ、よいしょです。

登りながら会社人生を思い出します。登り切っところが今の私。
で、その先は?
楼門

やっと着きました。
つまり会社人生で言うと、やっと定年になりました、ってところかな。

これからは自由な人生、、、。
一服するもヨシ、弁当食べるもヨシ、本殿を見学するもヨシ、とにかく自由。
もう昇るべき階段はないのだ、、、。

60才になるとみんなお祝いをします。
実は本人はちっとも嬉しくないのに。
拝殿手前

定年になった人はまず間違いなく3つの事を言います。

1番目は、「オレ、食っていけるんかいな」、です。会社を辞めると当然ですが会社からの収入がなくなります。

あるのは年金と貯金だけ。
これであと何十年(生きるつもりなの?)も食っていけるのかいな、となります。
徳川家康の墓

2番目が、「オレ、何するのかな〜」、です。
つまり生きがい、やり甲斐ってヤツです。

ある人の談によると趣味なんて実はない人の方が多い、殆どの人は酒飲んでテレビを見てひっくり返っているだけの毎日だった、、、。

それが仕事辞めて急に、「生き甲斐は?」、とか言い出すからおかしくなるのだ、と。
遠州灘の眺め

3番目が、「いつまで健康でいられるのだろう?」、です。
実は既にもう健康ではない人も多いのです。

これもある人によると結局は、「ま、なるようになるさ」、と多くの人は考える、そうです。

そしてなるようになって青ざめる、のだそうです。

ナルホド、、、当たりだ〜!
羽衣公園入り口

久能山から駿河湾を右手に見ながらテクテクと約7.5km歩くとここに着きます。

「豊で充実した老後、これからがほんとうの人生だ」、etc。

本に書いてあるこれらの言葉、書いている輩が40代だったり50代だったりします。

何でオマエらにわかるんだ? って言いたくなります。
美保の松原と富士山

更に続きます。

90才とか100才まで生きてきた人に、「おばあちゃん、ここまで生きてきた秘訣は何ですか?」
とかレポーターがよく聞いています。

そのおばあちゃんは、「よし私は100才まで生きるぞ!」、って決意して生きてきたのでしょうか。

違うんじゃないかって思うんですが。
美保の松原の”松原”

実にきれいです。
但し、こうやって写真で見ると、です。

ちょっと首を振ると人家が見えます。土産物屋の旗竿が見えます。
この松林は美しさにふさわしくない、生活臭が漂う雑物に囲まれています。

しかしオレってどうして素直に、「キレイだね」、という目で風景を見ないんだろう、、、。
羽衣の松

「天女が舞い降りて羽衣を掛けたと言われる松」、だそうです。

天女が水浴びをしているスキに羽衣を隠して天女を帰させまいとした、、、。
(何だよ、これって下着ドロに近いじゃないか〜。ま、羽衣は下着じゃないけど、、、)

竹取物語のかぐや姫は竹から生まれて天に帰った、羽衣伝説の天女とは姉妹か、それとも同一人物か?
土産物屋

松原の裏には土産物屋があってこの日は商売繁盛。何せ160人もの団体が押し寄せた訳ですから。

いつも思うのですが日本の観光地の土産物屋に並んでいるものは殆どが食べ物です。

私はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、東南アジアあちこちの観光地に行きましたが、漬け物がその観光地のお土産、という観光地は未だに行った事がありません。
これぞ見本です!

これは日本人であればほとんどの人が知っている風景です。
でもこれ、実にトリッキーなのです。

第一に松原の大きさに対して富士山が大きすぎます。
次にこのアングルは浜辺ではなく、海の中から撮影しなくてはなりません。

松原から大分離れた沖に巨大なテトラポッドがたくさん放り込んであります。
この上によじ登って、望遠レンズで撮影するとこの写真になると思います。
こうやってほぼ毎月仕事を辞めた人達、殆どが70才前後(65才以下は若い方になります)の集団でバスであちこちに出掛けると、イヤでもいろんな話が自然に耳に入ってきます。

病気の事、娘・息子の事、その婿・嫁の事、お金の事、最近のご時世について、今の会社の事、どうにも解釈のできない世間話、etc。

”あるこう会”に来ている人達は千段の階段を上って、その後7.5kmスタスタと歩ける、基本的に元気な人達です。
会社を離れ、それぞれの人生を歩んでいる人達が、OB会という事でこうやって集まっているのです。

「定年後残りの人生をベストに過ごすためにはどうしたらいいのだろう?」
ある人が見事にその答えを出しています。

「自分の好きなように生きる」

私もそう思います。
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