15−07−02 火山公園 
イエローストーン国立公園は火山地帯の上にあり、地下には大量のマグマがあります。
毎日地震があり、多くの間欠泉・温泉・噴気穴があります。
その景観は何とも言いようがない美しさというか、自然が作った芸術作品のようです。

またイエローストーンはかつては多くの狼が生息していましたが、狼は家畜の最大の敵ということ、また他の動物の敵ということで人間がどんどん殺していった結果生態系が大きく狂ってしまいました。

狼が減った結果、”弱い動物”はどんどん繁殖をして今度は食糧不足になって今まで食べなかったものまで食べるようになって、それをエサにしていた動物が減ってしまい、、、という連鎖反応になってしまった訳です。

そして今その生態系を元に戻すべく様々な実験が行われているのもイエーローストーンです。

公園の実際の面積は四国の半分くらいもあるので、朝からバスで走り回っても1日で見学できる場所は知れていますが、参加したツアーは効率よく回ってくれましたので主要なところは全部みる事ができたと思います。
オールドフェイス・イン(1)

世界最大のログハウスである、”オールドフェース・イン”、がオールドフェイスフルにあります。

日本にも巨大な木造建築物(例えば東大寺)はあります。
しかしこうやって今もホテルとして客を泊めているというのはスゴイと思います。
オールドフェイス・イン(2)

ホテルのロビーに入ると圧巻です。
巨大な木々か組み合わされ、確かにログハウスである事がわかります。

湿気がない、台風がない、戦乱がなかった、等の理由で今でもこの建物は現役なのでしょう。
最大の弱点である”火災に弱い”、というところを今日まで克服してきたのはこれもスゴイと思います。
オールドフェイス・イン(3)

建物は何と6階建(!)で、広いロビーの3階までは自由に上がって見学ができます。

メイドさんが客室の掃除をやっていたので、そちらの方に行って客室を覗いてみましたが、やはり”ログハウスのホテル”、という事で雰囲気のある部屋でした。

部屋数は300室ちょっと、割と手頃な値段で泊まれるようです。。
間欠泉(1)

オールドフェイスフル・インのあるオールドフェイスフルは45分おきに吹き上がる間欠泉で有名です。
この間欠泉は世界最大とかで、多くの人がこれを見学します。

間欠泉の半径300mくらいをぐるりと観光客は取り囲みます。。
間欠泉(2)

写真では数十メートル以上に温泉が垂直に吹き上がっていますが、高さはかなりバラツキがあるようです。

この日は数回30mくらい上がっただけで、それでおしまい。
自然現象ですから毎回同じように吹き上がらないのは判っていますがちょっと残念。
ビジターセンター(1)

アメリカではちょっとした観光地に行くと必ずと言っていいくらいにきちんとしたビジターセンターがあります。

そこには様々な展示物と共に、きちんとした説明があるので、私はここを訪れてこれらを見学する事にしています。
ビジターセンター(2)

ビジターセンターには普通、観光案内・パンフレット、トイレ、展示・説明、そしてたまに土産物屋、カフェなどがあります。

日本はどこに行っても自動販売機が林立していますが、アメリカでは自動販売機そのものを見るのが少ない、というより珍しい、と思て差し支えありません。
説明言語

こういう世界から訪れる観光地での説明言語は複数です。

ここはちょっと珍しい組み合わせで、スペイン語がありません。
日本人の訪問者は非常に少ないのに日本語があるのに少々びっくりしました。

いつまで日本語の説明が残るか、、、。
ウエストサム(1)

にじみ出す温泉に混じる石灰分により鮮やかな模様を作っています。

ここは歩道が造られ、その上をそろそろと歩きながら左右に広がるこのような景観をじっくりと見ることができます。

この日は天気が良く、絶景でした。ガイドによると10点満点の9点だそうです。
ウエストサム(2)

イエローストーンにはこういう場所がいくつもあり、歩道を使って見れるところ、遠くからしか見えないところいろいろとあります。

青い空、緑の山、コバルトブルーの温泉、赤い砂地(鉄分?)、このコントラストに囲まれた風景は写真家にとっても堪えられない場所でしょう。
ウエストサム(3)

地下からの温泉が湯船のようにたまっていて、日本人は直ぐに風呂を思い出します。

今までに記録によるとこの中に入って死んだ人が4人いるそうです。
このコバルトブルーの色の風呂の温度は65℃、ちょっと熱すぎる、、、。

冬は周囲は雪が解けるのでバイソンが来て暖をとっるそうです。
ウエストサム(4)

温泉の位置、吹き出す量などはちょっちゅう変化するので木が生えていたところもこのようになってしまいます。
ですから歩道も時々使えなくなたりします。

アメリカ人は普通、こういう場所には子供を連れてきません。
歩道は左右に柵のないところが多く、そのまま足を踏み外すのはいとも簡単だからです。
バスの中

ツアーの人数は23名。これでバス1台ですから殆どの人が2席をひとりで使えます。
ゆったりです。

ガイドはアメリカ人なので、心配してしていましたが言葉の問題はあまりありませんでした。

問題は全く気が利かない、時間にルーズ、というか集合時間を言わない、なんて時もありました。
マンモス温泉ホテル

温泉ホテルというからには岩風呂があって、ひょっとしたら混浴があって、というホテルかしらん、と思ったら大間違いです。

ここは温泉を風呂などに使うのは禁止、その熱利用も禁止です。
温泉に入っただけで5000ドルの罰金です。

温泉に入って湯上がりに一杯、という感覚は彼らにはありません、、、。
エルク(1)

ホテルの前では車がノロノロ運転、何かと思ったらエルクがホテルの周り、道路にうろうろです。

その周りではレンジャーが人が近づかないように警備をしています。エルクも近づくと危険です。
公園の中ではこういう動物が主役、人間様は脇役です。
エルク(2)

ここまで大事にされているエルク、でもちゃんとレストランでは皿の上に乗ってきます。
パサパサした肉でうまくはありません。

日本の捕鯨はダメだと彼らはいいます。食ってはダメだと言います。
自分たちはエルクを食います。公園では王様のような扱いをしているにも係わらず、です。

聞くと彼らには極めて身勝手な理屈があるのです。
絶景ポイントの混雑

マグマによって熱湯になった地下水は地中の様々な物質を地上にさらけ出し、それが普段我々が目にする事のできない風景を作ります。

絶景ポイントにはこうやって人が集まりますので観光シーズンは写真を撮るのも一苦労です。
しかしあれだけアメリカ人がバカにしていたカメラ、今ではみんな持っている。
彼らも進歩したものです。
どこだったかな〜

これだけたくさんのところを訪れるとその写真が正確にどこの場所か、記憶がごちゃごちゃになってしまいます。

入り口の看板の写真を取り忘れると、間違いなく、「さて?」になります。

「クチャクチャ、クチャ、、、」、また大陸の団体さんが後ろからやってきました。
でっかい声で叫ぶので直ぐにわかります。
彼らからさっさと離れるに限ります。
始めて見る警告番です

無人機、リモコンの飛行機(飛行物体)は禁止する、と書いてあります。
アメリカでもドローン等が問題になりつつあります。

アメリカらしいのは下に電話番号がきっちりと書いてあって、詳しくはここに聞け、とある事です。
つまり疑問があった場合は”個人で判断するな”、という事で、実はこれはものすごく重要な意味を持ちます。
イエローストーン国立公園は世界遺産にもなっています。
しかしアメリカ人に”イエローストーン国立公園は国連の世界遺産ですよね”、と聞いても95%は知らないと言われています。
観光案内、その他のパンフレットを見てもどこにも”世界遺産”という言葉はありません。ナゼか?

世界遺産とは自分で管理できない国が国連に指導を受けるために指定されるのもの、或いは観光客を呼び込むために国連と言う言葉を使って指定を受けるもの、このために賄賂を使う国もある、という考え方がらきています。

アメリカはアメリカのほうが国連が要求する基準よりはるかに高度な管理をしている、より高度な管理をしているものに対して緩やかな管理を要求する国連の”世界遺産”指定を敢えて強調する必要はない、とアメリカは言っています。

要するに世界遺産とは途上国用のもの、これを得たからと言って大騒ぎするものではない、という事のようです。


日本は最近”世界遺産”、という事で無邪気に、かつ向きになっていますが自分の国はこれは世界に誇れるもの、と自信を持てばそれでいいのではないかと思います。

この点はアメリカの考え方を見習ってもいいのではないかと思うのですが、、、。
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