14−12−25 思い出:クリスマスの頃
12月25日はクリスマスである。そして前の日の夜はクリスマスイブと言うらしい。
あちこちの商店街に行くとクリスマス、クリスマスと商売人どもがクリスマスという言葉と商売を結びつけてモノを売り込んでいる。

テレビでも"世界のクリスマス"、とか言ってパキスタンの学校の風景まで移している。
クリスマスとは宗教行事である。

ちなみにパキスタンの97%はイスラム教でキリスト教は1.3%となっている。日本の江戸時代のキリシタンみたいな存在か?

ま、それはともかく、オハイオの会社でもクリスマスになると社員が窓とかに飾り付けをしてオフィス内はクリスマスらしくなる。
それに取引先などからカードが届くのでそれを自分の机の前に貼ってみたりする。私もきれいなのがあると何枚か貼ってみた。

いつ頃からだったか職場でクリスマスパーティーをやるようになった。でも2回目からはクリスマスパーティーではなくウインターパーティーとなった。
私はその理由をTMさんに聞いてみた。

「社員みんなの参加を呼びかけるパーティーにもかかわらず"クリスマス"という言葉を使い、あたかもクリスチャンだけを対象とするような言い方は問題である、というクレームが社員から即出た。クリスマスという言葉はこの場合使ってはイケナイ、、、」

私は洗礼を受けてないのでキリスト教徒からみれば未だに罪深き人、神の子ではない、まだ人間にはなっていない、つまりまだケダモノ、という事になります。

でも私はお釈迦様の教えに従っていますのでご心配なく。あまり熱心ではありませんけど。

日本はお正月になるとデパートとかで福袋というのが売り出される。クリスマスのちょっと前に私はオハイオ人と日本に出張をした。
オハイオに帰る前の日、時間があったので私はオハイオ人のSさんと泊まっていた池袋のホテル横のデパートに入ってみた。

店内はクリスマスセールをやっていたが、既に正月の福袋の宣伝も始まっていた。アメリカにはこういうものはなく、私は福袋についてSさんに説明をした。

私: 「100ドルから500ドルくらいを払ってバッグをひとつ買う。中には何が入っているかわからないが、確実に払った値段以上の価値の物が入っている。

このバッグの名前を"ラッキー・バッグ(これでよかったのかな?)といい、昔の日本ではラッキー、ハピネスが入っているバッグという意味があって、、、」

Sさん: 「何が入っているのかわからないバッグに対して、何百ドルも出して買う気にはなれないな〜。
必要のないものが入っていたらそれをどうするんだい?

そのお店に返品できるのかい?その店の倉庫は余計な在庫がなくなってお店はハッピーかもしれないけど」

私: 「子どもの頃、クリスマスプレゼントをもらったろ?
あの時、中に何が入っているかわからないけどラッピングをほどく時はわくわくしたと思うけど。
ま、それに近いかも知れないな〜、ラッキー・バッグというのは。」

Sさん: 「でもこれはプレゼトではないよね、自分の意思でお金を出して買うのだから違うよね。不思議だね、日本人は、、、」


ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う、これは一般的アメリカ人の特徴です。
あの時は面倒なので適当にフンフンって顔してごまかしましたが幸、お前ならどう返事する?

現役で本社にいた頃、アメリカ出張に行って成田に着いたのが12月24日の20:00頃。理由はよく覚えていませんが確か予定より4時間くらい遅れたと記憶している。
電車に乗って帰ると自宅には11時近くになりそう。

エイ、面倒だ、タクシーで帰ろう。
という事で成田から埼玉のマンションまでタクシーに乗った。乗ってから、「幾らくらいかかるのだろ、1万5千円、イヤ2万円くらいかな、これって会社に請求できるのだっけ」、と少し不安になってきた。

タクシーは空港を出て30分くらいするとエライ田舎の道をすっ飛ばしていく。まだ千葉県かな?
外灯もあまりなく。何だか不安になってきた。
私はタクシーが遠回りをして料金を稼せごうとしていると思った。

「オイ君、どこに行くんだ。行き先わかってんだろな。」

自分でもびっくりするくらい横柄な口をきいてしまった。するとタクシーは1分ほどしてから数軒の家並みの手前で止まった。
あっ、ヤバい、ちょっとデカい口きき過ぎたかな、
私は引きずり出されてタクシーはそのまま行ってしまう、、、最悪のパターンが頭の中を過ぎった。

車内は真っ暗でお互いの顔は見えない。
するとタクシーの運転手、ドアーを開けてパーッと向こうに見える家の方に走って行くではないか。
あの言い方、運転手に身の危険を感じさせたかな、こりゃマズイな〜、、、。

ところが1〜2分すると運転手君、また走って戻ってきた。
「お客さん、今あのお店の人に道を確認してきました。この道で間違いありません」

今思えばまだナビが普及していない頃なのでこういう事になったのだ。
そしてタクシーは無事埼玉県新座市にあるマンションに到着した。料金は忘れたが私は運転手に少しチップを渡した記憶がある。

エレベーターに乗って自宅の玄関のドアーを開けるとカミさんと小学生の娘2人がまだ起きていて迎えてくれた。私はアメリカで買ってきたプレゼントを娘達に渡した。

遙か昔のクリスマス・イブの夜の出来事であった。
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