14−09−23 ボストンにて(1)
ボストンはきれいな街です。今から15年以上前にオハイオに行ったばかりの頃、アメリカ生活が長いMSさんという人にこんな質問をした事があります。古い街と新しい街が溶け合っています

私:「アメリカで住むとしたらどこがいいですか?」
MSさん:「それはボストンですね」

私はその話を聞いた翌年の夏にボストンに家族旅行で行ってみました。

ボストンは市の真ん中に大きな公園(ボストンコモン)があり、その周りはよく手入れされた赤煉瓦の古い町並みと、近代的なビルが建ち並ぶ実にきれいな街でした。

日本ではマスコミなどが、「アメリカでは、、、」、と語るときはNYの街並みなどを映像として流したりしているので、日本ではどうしてもアメリカのイメージとNYが重なってしまいがちです。

しかしアメリカは大きくは7つの地域に分けて見る必要があり、この7つは国が違うと言っても差し支えない程の差があります。
住んでいる人も、歴史も文化も何もかも違います。

私はその7つの地域の中のひとつに住んでいた訳ですが、外国人である私でさえ西海岸の都市に行ったとき、東海岸の都市に行ったとき、また南部の州に言ったとき、オハイオとは何か違うな、というものを感じました。
この赤い線の上を歩きます
ま、それはともかくアメリカの7つの地域の中のひとつがニューイングランドと言われる東部の幾つかの州で、その中の代表的な都市がボストンです。

アメリカ人にとってニューイングランドの風景は心の故郷のようなところだと言う人がいます。

アメリカの歴史はまだ250年しかないのですが、その歴史の中の原点がニューイングランドです。

どういう事かと言うと、アメリカを支えてきた中心的な人種は今までずっとヨーロッパからの移民の白人たち、そしてその中心がイギリスだったからです。

そんな訳で今回のアメリカ旅行もボストンを外しては失礼だといういう事で3泊4日という短い日程ではありましたが、ボストンに行ってきました。

ボストンは最初に行ったのが今から15年前、最後に行ったのが2年前で合計5回ほど行っています。
ボストンは日本から見るととてつもなく遠いのですが、オハイオにいた頃は飛行機で1時間ちょっとでしたから気軽に行けるところだったのにな〜、と今頃になってちょっぴり後悔しています。

ボストンに着いた翌日は今までできなかったフリーダムトレイルを歩いてみる事でした。フリーダムトレイルはボストンコモンを出発地点としてチャールズタウンのバンカーヒル記念塔までを徒歩で歩きます。

コースは道路上に赤い煉瓦・ペンキなどで道順が示してあるので、これに沿って歩きます。距離は往復すると多分10km近くはあると思います。(往きは歩いて、帰りはバスで帰るという方法もあります)
フリーダム・トレイル
またフリーダムトレイルを歩くことによってボストン市内の16カ所の観光ポイントのうち10カ所を訪れる事ができるので、これも便利です。

今回は朝9時にホテルを出てボストンコモンまで行きスタート、ホテルに帰ってきたのが4時前、歩行数2万6千歩、歩行距離は17kmでした。

地図上の距離より万歩計の歩行推定距離がうんと多かったのは、途中で道を間違えたり、それぞれの観光スポットで歩き回ったり、ホテルからボストンコモンのスタート地点まで往復で3km近くあったためでしょう。

この日は雲ひとつない快晴、気温は最高温度が22〜3℃、空気は乾燥している何とも言えない爽やかな日です。
アメリカはどこに行ってもナゼこんなに空が青いのだろう。オハイオにいた時もそうでしたが晴れるととにかく空が青いのです。

話は飛びますがボストンにはきれいな港があります。入り組んだ入り江にはたくさんのヨットなども係留されています。

海に近寄るとアメリカの海は日本の海と臭いがまったく違うのに気がつきます。
というか海の臭い、つまり磯の香りがしません。
きれいなヨットハーバー、海にはゴミが全くない
私は"我は海の子"そのままで育った子供でしたので、海の臭いとかには非常に敏感です。
アメリカの海は臭いがしない、あの独特の磯の香りがしない、、、ナゼだろう。

実は沖縄に行っても海の臭いが違います。やはりあの磯の香りがあまりしません。ナゼか?

これの科学的根拠が先日、テレビで放送されていました。
簡単に言うと、同じ海でも海の中で生きている生物の種類が違うのです。

それとまたまた話が飛びますが、アメリカというか日本以外では食い物が観光地の目玉になる事は少ないのですが、ここボストンは違います。

この日はフリーダムトレイルの途中にあって、あちこちの観光案内書に出てくる、ユニオン・オイスターという有名なレストランに入ってみました。

ま、並の味でした。オイスターは日本の方が上です。
目の色変えてボストンでオイスターを食う必要はないと思いました。

具体的に言うと日本のオイスターの方が明らかに味が濃いと思いました。

ロブスターはボストン市内にいくつかの店を出している、これもちょっと有名な店で夕食に食ってみました。
2ポンド(約1kg弱)のロブスターが60ドル、これをカミさんと一匹ずつ、それに私はビールを飲んでワインも飲んで大満足でした。
ロブスターレストラン
ロブスターの肉だけで本当に腹一杯になりました。
ロブスターの大きな爪の中からでっかい肉の塊が
”どっさっと”出てくるのは本当に幸せな気持ちになります。

我が故郷の伊勢・鳥羽で伊勢エビの肉だけで腹一杯にしたら一体幾らかかるかな〜、、、。

フリーダムトレイルに話を戻します。

歩いている観光客を観察していると圧倒的にアメリカ人が多いのもこのフリーダムトレイルの特徴だと思います。

NYのように半島人、支那人が大声張り上げて歩き回る、というのは皆無です。
またスペイン語とかどこか中近東の言葉も聞こえてきません。日本人にも少なくともこの日は会いませんでした。

とにかく聞こえてくる言葉は訛りのない英語ばかりです。やはりここボストンはアメリカ人、しかも白人のアメリカ人の観光地なのです。

何度も繰り返すようにアメリカの最初の移民はイギリスからですから、白人のアメリカ人にとってボストンは特別な意味の観光地なのでしょう。

黒人のアメリカ人がボストンの街並みを見て、祖国アメリカの生い立ちと歴史にふけるとは考えられません。

アメリカ系中国人がジョージワシントンの像を見上げてノスタルジックになるとは思えません。

そしてボストンは白人の街です。
これを少し掘り下げると有色人種に対する差別が見えてくるのですが、話題にするとキリがないので止めます。

ボストンは我々日本人は観光で来るのはいいかも知れませんが、住むにはちょっと厳しそうなところ、というのが私の感想です。

今から15年以上前にアメリカ生活の長いMSさんが、「住むならボストン」、と言った理由は何であったか、もう一度聞いてみたい気がします。

いずれにせよ、ボストンのフリーダムトレイルはウワサ通りで是非お勧めしたい観光コースだと思いました。

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