14−09−01 パンダ岡崎
アメリカのアリゾナで9才の女の子がサブマシンガンの射撃練習中に、教えていたインストラクターを撃ち殺すという事故がニュースでありました。

私もオハイオにいた頃、明らかに小学生と思われる女の子にお父さんが拳銃の撃ち方を教えているのを見た事があります。
拳銃は小型の32口径くらいのもので、その女の子はその拳銃をパンパンと顔色ひとつ変えずに引き金を引いていました。

ですからアメリカでは小学生の女の子が射撃練習をするというのは今回の件でも特別な事だとは思いませんが使っていたのがハンドガンではなくサブマシンガンというのはちょっとびっくりです。

銃は多くの一般家庭に一丁や二丁はある、というか、オハイオの会社では銃を持たない人の方がうんと少なかったと記憶しています。
ちなみにアメリカでは拳銃もインターネットで購入できるし、普通のスポーツ用品店でも売っているし、弾はスーパーでも買えます。

アメリカでは銃は普通の生活の中の普通の物という感じで、日本で時々言われる銃の所持を善悪で論じるような風潮はありません。
国中が銃で溢れており、従って様々な事故も起きるのですが、だからと言って社会から銃をなくそうという動きは実質的にありません。

過去に学校での銃の乱射が問題になりましたが、これの対策は乱射する生徒を即射殺できるように先生に銃を持たせて授業をするという事を決めた州もありました。

銃の存在を認めるとこういう対策になります。日本人には少々わかりにくいやり方ですが。

先日高校の後輩である岡崎さんから"今度四日市でジャズのライブをやるので聴きにきませんか"、というメールがありました。
岡崎さんの本職はある大手電子機器メーカーで開発を担当している技術者です.。
左端が岡崎さん
彼は学生だった20才頃の時にピアノの練習を始め、今では"パンダ岡崎"という名前でアマチュアのジャズバンドを結成、時々ライブをやっているのです。

ライブは4ヶ月に1回程度だそうですが、それを30日(土)にやるという連絡でした。カミさんにも誘いがあったのですがカミさんは実家に帰っておりNG。

こういうライブは仲間と一緒に行くというのもいいので、HYさんとMKさんにも声を掛けて一緒に行く事にしました。

ライブの会場は近鉄四日市駅にある"VeeJay"というジャズスポットです。

私はジャズというのはよくわからないのですが、それでも最近は時々聞く事もあり何となく興味が出つつあるところでした。

ライブは2年前にNYのビレッジ・バンガードというクラブで聴いた事があります。

あとはホテルのラウンジで何度か聴いたことがあるくらいというレベルです。

HYさんとMKさんとは駅で落ち合い軽く食事、というか一杯やって"VeeJay"に行くと既に客が20人近く入っており、岡崎さんが待っていてくれました。

会場は30人くらい、恐らく40人は入らないと思いますが半地下になっています。

この日の演奏は一部と二部に分かれており、二部は"牛嶋としこ"というプロのボーカリストが唄うという構成でした。
ジャズについて私は2つのイメージがあります。

一つはジャズというのはそれぞれの楽器の出す音が細切れになって空中にポンポン飛んで、それが絡み合って独特のリズムになって落ちてくるというイメージ。

もう一つはどんな曲でも(演歌でも)ジャズにアレンジでき、このリズムで聴くと何となく心にジワッと来る、というものです。

演奏開始前にスコッチの水割りを注文、これを舐めながらゆったりと生の音を聞くというのはいいものです。

二部の”牛嶋としこ”、彼女の液体燃料(ビール)を注入しながらのリズミカルな唄とトーク、大いに楽しめました。

岡崎さんもあと数年でサラリーマン人生は一区切りつけると思いますが、その先はジャズバンド一筋になるのでしょうか。
今度はどこかで一献やりながらいろいろと話をしてみたいものです。

1. 日清戦争  大谷正著(中公新書) ★★★☆☆

最近鳩山元首相が今年の日清戦争開戦120周年にあたり、中国で「日本は日清戦争について反省をしなければならない」、と発言をして中国の新聞がこれを喜々として書き立てているらしい。
私もインターネットでこれを読んでみた。どうも根拠がよくわからない。

そこで日清戦争とはどうして起きたのか、その背景、経緯、結末、その後への影響などについて客観的に知りたいと思い、この本を買って読んでみた。

朝鮮支配を巡り日本と清国が戦い、その結果清国は滅亡の道を辿り、日本は列強の中に入ろうとするが白人国家から強烈なパンチを食らう、、、。

しかしこの本の読んで、どこをどう解釈しても日本が中国(清国)に対して反省をすべき点は見当たらない、というのが結論である。

中国は国内でずっと内乱を繰り返しており、日清戦争が起きた理由を正確に言うと、日本はその内乱に巻き込まれ、戦争になった、と言えるのではないか。(これはその後の日中戦争も同じ)

我々が反省をする点を挙げるとするならば、今も内乱を起こしつつある中国に日本は巻き込まれないようにする、というところであろう。


2.アメリカ自動車産業  篠原健一著(中公新書) ★★★☆☆

アメリカの会社にはエグゼンプトとノン・エグゼンプトの2種類の社員がおり、簡単に言うと前者は残業代支給対象外の労働者、後者は残業代支給対象の労働者である。
別な言い方をすると間接部門・スタッフ等はエグゼンプトで、工場の現場作業員はノン・エグゼンプトである。

筆者はこの中でノン・エグゼンプト労働者(組合員)の立場からアメリカの自動車産業の歴史を分析、その特徴と日本の自動車会社の強み、日本がとるべき方向性について解き明かしている。

重要なのはノン・エグゼンプト社員の特徴として彼らは能力主義ではなく、「同一労働・同一賃金」である点だ。従って20才の組み立て工も50才の組み立て工も基本的には同じ給料になる。

自分がアメリカ勤務を始めたばかりの頃、この違いを頭に入れて人の管理をしないと理解できない事がたくさんあった。
工場現場のノン・エグゼンプト労働者に会社として様々な教育をする事に対しアメリカ人マネージメントはナゼ消極的なのか、典型的な例である。

今更私がこういう本を読んでも何の役にも立たないが、勘違いをしていた点なども結構あった事がよくわかった。現役のアメリカ勤務のマネージメント層にお勧めの一冊か。

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