14−07−04 また買いました

集団的自衛権について政府がこれを行使する事を決定したということで、テレビも新聞もネットも盛り上がっています。
内容としては概ね否定的で、阿部政権が強引に決めた、許せない、日本は戦争への道をまっしぐら、というような内容が目立ちます。

各界の有識者と言われる人達をはじめ、訳のわからないタレントまでも日本は間違った道を再び歩み始めたとか叫んでいます。
マスコミの言うように本当に日本人の多くは今回の決定に反対をしているのか、本当にマスコミが伝える"国民の声"というのが客観的な内容になっているのか、私は大いに疑問を感じています。

今回の件は日本が世界の中で責任を果たす、普通の国になるための第一歩をやっと踏み出した、というのが私の理解です。
中国の顔色を覗い、中国の立場で報道をする日本のマスコミと政治家・知識人には怒りを覚えている日本人は一杯いるのですが、意見を言う機会をマスコミが封じていると私は感じておます。

一体"世論”、なるものを作っているのは誰だ、私はいつもこれを考えているのですが、ずっとずっと糸を手繰っていくと最後に行きつくのはアメリカである、というのが今の結論です。

太平洋戦争でアメリカと戦った日本を二度とアメリカに歯向かう事のない国にする、というのが占領をした連合国(アメリカ)の目的であったのは誰も疑いません。

それを出発点にして今の日本は出来上がっており、代表的なものが現行憲法であり教育制度であり社会制度で、全てアメリカの占領下でアメリカが作ったものです。

日本は侵略国家であったと朝から晩まで教え込み、日本の伝統を根底から腐らせ、家族制度をブチ壊し、何十年もの年月をかけてやっとそういう国に仕上げた、というのが今の日本の姿である、と思っています。

戦争反対、原発反対と叫んでいる日本人を見て一番ニコニコしているのは誰か、という見方で考えると全く別の見方ができるのですが、この見方を多くの日本人は既にできなくなっている、というか巧みに操作をされています。

私より15才も20才も年上の人でそれなりの教育を受けた人に意外と反日、反戦思想の持ち主が多い事に驚ききます。
みんな日本弱体化政策の中を、真面目にきちんと突き進んできた人たちです。悲しい成果です。

アメリカもここまで成功するとは思っていなかったのではないでしょうか。

日本に対しては何をすればどうなるか、どこを突けばいいのか、どうやって操ればいいか、反日・反戦日本人を育てた経験を含めて、最も研究をしているのはアメリカと中国でしょう。

先日本屋で立ち読みをしていたら"レンズが撮らえた150年前の日本"、という本が目に入りました。
江戸時代末期から明治初期の間に撮影された日本の景色・町並み・日本人・日本人の生活等を集めた写真集です。

ちょうど1年前に、"レンズが撮らえたF・ベアトの幕末"、という写真集を買ったのですが同じ出版社から出ています。

どうしようかな〜、と考えつつ買わないでそのまま自宅に帰ったのですが、やはり気になってAMAZONで注文、買っちゃいました。

本は写真が中心でそれぞれ解説が入っていいるのはいいのですが、内容が中学生みたいな文章でいただけないのを除けば、なかなか見応えのある本です。

人物写真は女性が多いのが特徴で、これは撮影者が外国人であり、日本人女性に興味を持っていたので撮影枚数が多いからだと思われます。

これら女性の写真は残念ながらスタジオで演出されたものが半分以上であり、ちょっと不自然さが残るところが目立ちます。

例えば女性4人が蕎麦を食べている写真では一人の女性が口に運んでいる蕎麦の量が、せいろの盛り全体の1/3くらいもあります。
これは絶対に口に入りません。

着ている着物があまりにも派手過ぎます。言い出せばきりがありません。
でも昔の蕎麦は非常に太かったのがよくわかります。女性の表情もよく伝わってきます。

江戸時代の女性は結婚すると歯を黒く染め、眉を剃り落として置き眉毛にするのが普通でしたが、これは今のテレビなどの時代劇番組を見ても出てきません。
浮世絵、錦絵を見ると描写されていますが実物には程遠い。

ところが今回買った写真集にははっきりとした置き眉毛の女性の写真があります。お歯黒はどの写真も口を閉じているのでよくわかりませんが、2枚ほど僅かに口元から歯が見えている写真があります。

写真で見る日本の町並み・風景はどれも美しく、そして生活感に溢れています。
振り売りの男たちの写真も実に見事です。

男も女も現代人に比べると肥満が殆どいなかっこと、それに男でも身長が160cmを越える人は希であったことなどがよくわかります。
(畳の寸法、その他との比較で推測しました)

この写真集の残念なところは、写真に対する注釈が時代と歴史を全く知らないと思われる人が書いている点です。
薩摩の侍の写真について"指揮棒を持つ少年"、とかいうとんでもない注釈はこの写真集の価値を半分にしています。

それとこの時代の日本人がどのような生活をしていたのか、客観的な記録が残っています。
それはドイツ人のハインリッヒ・シュリーマンの清国・日本の旅行記です。
この人は実業家で伝説のトロイの遺跡を発見した事で有名で、1865年(慶応元年)に日本に来て後に旅行記を書いています。

これを読むと、西欧化した現代日本人の目は当時の西欧人の目に近い事がわかります。
私はこれ以上詳しく当時の日本について書かれた記録(旅行記)はまだ読んだ事がありません。翻訳も素晴らしいと思います。(石井和子訳:講談社学術文庫)

今回買った写真集はシュリーマンの旅行記とペアーで読むのは必須であると感じました。
また江戸時代の日本人の生活についてざっくりと知りたければ作家ではありますが石川英輔という人の書いた本がいくつもあります。

この写真集を買って3日後、また別の写真集を見つけました。どうしようかな〜、、、買っちゃおうかな〜、、、。。

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