12−11−23  日式液体燃料製造所
私は液体燃料をほぼ毎日頂きます。でも1週間に2日を"目標"に禁酒日を設けています。液体燃料の種類は何でもいいのですが、ビール、日本酒、ウイスキーを好んで頂きます。
以前は日本酒はそれほどおいしいとは思いませんでしたが、いつ頃からでしょうか日本酒がおいしいと思うようになりました。

きっかけは恐らく特上の吟醸酒を口にしたときからだと思います。これを飲んだときそれまで飲んでいた日本酒は一体何だったんだろうと思いました。
香りのいい、フルティーな味の独特の味を知ってから日本酒が"好き"になりました。

オハイオにいたときはカルフォルニアで造っている日本酒は1.5リットルが5〜10ドルで買えました。安いワインより更に安い値段で手に入りました。

ところが日本から輸入している新潟の吟醸酒は一升が50ドル、60ドル以上もして非常に高価でした。
当然そういうお酒は頻繁に買って飲むわけにはいきません。私はこれを買って飲む理由を考えました。
かなり説得力(?)のある理由がすぐに見つかりました。

私は2003年にタバコを辞めており今までタバコに使っていたお金で吟醸酒を買うというものでした。
タバコは1箱4ドル、1ヶ月に30箱吸っていましたのでタバコ代の合計は120ドル、これを吟醸酒に充てる。

すると1ヶ月にまあまあの吟醸酒を2本買っても今まで以上に経済的負担を大きくしているわけではない、という中学生並みの理屈でありました。

そんな訳でオハイオにいた頃は時々輸入物の高価な吟醸酒を口にしておりました。日本に帰ってきてからはかなり体重が増えていた私は日本酒をなるべく控えていますが、それでも時々頂きます。日本ではかなり上等な日本酒がリーズナブルな値段で手に入るので、私はハッピーです。

そんな中、津にいる知り合いのHさんから、津の有名な造り酒屋の蔵開きが11月23日にあるという事を聞き、休みをとって行ってきました。
(11月23日は勤労感謝の日で祝日なのですが、私の会社のカレンダーでは出勤日)
行った造り酒屋は"油正"(あぶしょう)という名前で近鉄久居駅から歩いて15分くらいのところ、久居駅でHさんと待ち合わせて、Hさんの案内で連れて行って頂きました。
有名とは言え、こんな地方の蔵開きにどれほどの人が来るのだろう、まあパラパラと三々五々に人が集まるのだろう、と思っていたらこれがとんでもない間違い。油正の入り口は人で溢れているではありませんか。

中に入ってみてびっくり!
人でごった返しています。ウワー、なんだコリャ! という感じです。
あちこちにテーブルがあってそこの長椅子には(主として)オッサン、それにオバサンが座り込んでワイワイと一杯やっています。

蔵開きとはすなわち、「そこで一杯やる」、という事のようで、酒蔵ですから酒は名実共に売るほどある訳で、酒蔵の敷地の中は一大宴会場になっているのです。

宴会をやるには酒だけでは足りず、アテ、つまりおつまみが必要なのですが、これもあちこちに店が出ており、いろんなつまみを売っています。

肝心の酒蔵の見学はというと蔵の一番奥でしぼりたての新酒を小さなカップで飲ませてくれ、その先で瓶詰めの作業を見せる、これだけです。

案内してくれたHさんも一緒に行ったカミさんも、「なんだ〜、これだけ?」、と不満タラタラです。もっと酒造りの説明をやってくれると思っていたみたいですが、そんなものは一切なしです。
でも私はこの2人とは違います。しぼりたての新酒を飲まされたらのですから、もうたまりません。

それに幸いな事にHさんもカミさんも酒は一滴も飲まないので、試飲でもらった酒は全て私のところに自動的に廻ってくるのです。
「初しぼり」は小さなカップに一口しかくれませんでした。
でも別なところで振る舞われた酒は普通の紙コップに1杯くれました。
つまり黙っていても自分の分も含めて3杯飲める訳ですからラッキ〜♪としか言いようがありません。お陰で結構酔っ払ってしまいました。

どこへ行っても人でごった返しており、テーブルも相当に準備してあるのですが、どこも一杯です。やっと空き席を見つけて座ることができました。
ぐるっと周りを見ると来ている人の平均年齢は間違いなく65才くらい。
若い連中なんてどこにもいない、、、と思ったら20代の白人のグループがいました。

後で聞いたところによると近在の小中学校のALT( Assistant Language Teacher )とのこと。ALTというのはかなり怪しい連中がいたりして問題が多いらしいのですが、ひとりにどこから来たのか聞いてみたら、「カルフォルニア」という返事が返ってきました。

ま、それはともかく、この蔵開き、オッサン・オバサンの一大イベントであるのは間違いなしでした。
久居の造り酒屋"油正"の"蔵開き"見学、というよりも久居の造り酒屋"油正"が主催する"試飲会(自腹で)&即売会"に行ってきましたが、大満足でした。

お土産は金賞受賞の"初日・中取り"という720ml瓶を2本、それに300ml"初日・大吟醸"を2本とりあえず買って帰りました。油正の酒は今の時代ですからインターネットで簡単に申し込めるので、12月になったら正月用に注文してみようと思います。

ワインを趣味にしている人の中で日本酒は味の幅ワインよりもうんと狭く、どれも同じような味がする、という意見がありました。
私も以前はそのように思っていた時期があり、事実味の違いはあまりわかりませんでした。

でもしばらく前からそれは間違いである事がわかりました。
本当にいい日本酒を比べて飲むとその違いがよくわかりますし、それでも「同じような味がする」、というのであれば別な問題があるかも知れません。

Hさんによると三重県には何十という造り酒屋があって、鈴鹿にも2つほど有名な蔵があるそうです。これらの造り酒屋から売られているお酒は値段も手頃で、誰でも楽しめます。

でも問題が一つ。こういう日本酒を普段から飲んでいると街の居酒屋とかで普通に出される日本酒が飲めなくなってしまう事です。舌とは恐ろしい!!

また日本では日本酒離れが進んでいるそうですがその理由は、大量生産の醸造アルコールと人工甘味料で造られた日本酒(もどき)が幅をきかせて流通したからではないかと思います。

日本酒はいい日本酒を少量だけ味わいましょう! いい日本酒は誰でもわかる、本当にいい味がしますよ。
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