12−08−25 最後の盾
今日本は隣国との領土問題で外交がギクシャクしています。ロシアとの北方領土、中国との尖閣列島、韓国との竹島、それぞれの領土問題は背景・性格が全く異なりますが、いずれにせよ各国はこれらの日本領土を盗もうとしている、或いは既に盗んでしまっています。

これに対し日本国政府は「話し合って解決する」、という方針で解決しようとしていますが、これら3国は日本の提案とはかけ離れた行動しか見せていません。

そのような情勢の中、私は日本国陸上自衛隊が行う”富士総合火力演習”なる展示訓練を見る機会がありました。
この機会を作ってくれたのは津に住むHさん、Hさんはこの前も津の陸上時栄太の駐屯地開隊記念日に誘ってくれた自衛隊ファンの方です。

陸上自衛隊は昨年の東日本大震災の時に、救援活動で縦横無尽の活躍をして、当時の菅首相が、「自衛隊はまるでドラえもんだ〜!」、と言ったとか言わなかったとかいう話があります。

その自衛隊ですが、本来の仕事は日本の国土と日本人の生命・財産を外国からの武力による直接侵略・間接侵略から守る、というもので決して災害の時にお弁当を配ったり、お風呂を沸かしたり、バンドで演奏会をやったりするのが第一義的な仕事ではありません。

この実力集団が持つ兵器とは一体どういうものなのか、国民は普段は目にする事さえほとんどありませんが、この”富士総合火力演習”ではその一部を国民の前に披露する数少ない機会なのです。

今回は難しい事は抜きにして、陸上自衛隊を知る絶好のチャンスなので富士山の麓にある東富士演習場まで行って、訓練を見学してきました。
東富士演習場到着

夜中の1時に出たバスは途中で3度ほどたっぷりと休憩をとり、朝の8時前に富士山麓にある演習場に到着しました。

演習場は広大で仮設スタンドが設置され、その前には一面にシートが敷かれ、数万人の見学者が演習を見れる準備がされています。

会場案内、警備を担当する自衛官が何百人もいて、次々に到着する我々民間人を見学場に案内していきます。
見学者(1)

この演習は陸上自衛隊富士学校の学生に実弾を用いた戦闘訓練を見せて、その様子を認識させるのが本来の目的だそうです。
それの一部を一般に公開している、という事のようです。

ですからびっくりする程の人数の自衛官が会場にどんどん到着しています。多くは身体の引き締まった若い隊員でした。
見学者(2)

あとで聞いたのですが、見学者全部で3万人近く来ていたそうです。その9割は仮設スタンドの前に敷かれたシートに座っての見学です。

真夏の炎天下、すざましい暑さで水分補給をしないとぶっ倒れそうです。

演習展示は3日間行われ、最後の日曜日は防衛大臣、各国の駐在武官、その他有名人などが招待されます。
展示演習開始!

2時間の展示演習の前半は、各種兵器の紹介と実弾射撃です。80mm迫撃砲、155mm砲等の実弾射撃の迫力は相当なものです。

これらの砲は自走砲又は牽引砲で、停止してから射撃準備、射撃開始まで数分もかかりません。
信じられないスピードでした。

展示演習後半は模擬戦闘訓練で、写真はヘリボーンで降下する隊員です。
見事な降下です。
対戦車へり

戦車を攻撃するヘリで、35mm機関砲の射撃があんなにすざましいとは思いませんでした。
標的にはほぼ全弾命中でした。
このヘリに装甲車なんかが捕まったら、2〜3秒で粉々になってしまうでしょう。

イラク戦争で米軍は、イラク軍の数百両の装甲車をこういうヘリで片っ端から破壊していったそうです。
装甲車がヘリに見つかったら、乗員はとにかく車内から脱出する、でないとあっという間に肉片になってしまう、、、。
とにかく何ともスゴイ破壊力です。
空挺自由降下

空挺部隊というのは大型輸送機から自動索で低空で降下するのと、高空からパラシュートを自分で操作して落下する2つの戦術があります。

この日はヘリからの自由降下が展示されました。
部隊は第一空挺団、着地寸前に落下スピードをコントロールして立ったまま着地、あっという間にパラシュートをたたんで戦闘行動に入るという、これも電光石火のような戦技を披露しました。

どこの国でも空挺部隊と言えばその国きっての精鋭で、日本でもその例にもれないそうです。
偵察部隊

バイクを使った偵察部隊というのは、日本の他にはあまりありません。

ヘリが着地した瞬間にヘリから飛び出して高速走行に入る様子はとにかく見事です。
バイクは250CCクラスの軽快なものでした。

偵察は2名1組で行い、敵に捕捉された時は1人が反撃して1人が逃げる、つまり1人が犠牲になって敵を食い止め、1人が情報を持って帰る、そういう事です。
空飛ぶ陸上自衛隊

とにかくヘリを使って機動力を発揮、砲も車両も隊員も全てヘリで攻撃・防御に最適な位置に運ぶ。
戦車・装甲車もヘリから攻撃して破壊する。

近代陸軍というのはヘリなしでは考えられない、というのがよくわかりました。

でもヘリが行動できるのは制空権があっての話。
ですから陸上戦闘が行われる前には熾烈な航空戦がある、ということになります。
 
攻撃開始

攻撃訓練は重砲による全力射撃、次に戦車地雷の排除、戦車等による陣地制圧、ヘリボーン作戦、最後に主力部隊の陣地奪取という基本的なパターンでしたが実は今回の訓練は離島に対する敵からの陣地奪取を想定した訓練内容でした。

という事で訓練の導入部分では海自の哨戒機による偵察、空自の戦闘攻撃機による空対地攻撃がありました。


明らかに今の隣国との情勢を意識していますね。
鉄牛の群れ

この日は10式戦車という最新式の戦車が一般に披露されました。
現代の戦車とはズバリ、生き物です。
40トン近くの巨体が時速何十キロのスピードで走り回り、旋回・スラロームしながら射撃、そして一瞬で停止!!!

89式走行戦闘車という歩兵の戦闘力を倍増する車両は陸上自衛隊は何とたった60両。
これじゃないよりマシ、レベルですね。今の陸上自衛隊の規模からいけば600両は必要だそうです。
状況終わり

陸上自衛隊で訓練などの終了を命令する時に使う言葉だそうです。

2時間の密度の濃い展示訓練は12:00に終わり、14:00まで各種兵器の展示、音楽隊による演奏などがありますが、我々一般見学者は道路の混雑を回避するために我先にと帰りを急ぎます。

この日は何とか言う防衛副大臣が来ていたようで、、翌日の日曜は防衛大臣、各国の駐在武官などが来てこの訓練を見学するとの事でした。
焼津”さかなセンター” (1)

東富士演習場を出て1時間ちょっと、昼食とお土産を買うためにバスは”焼津さかなセンター”に寄っていきました。

ここは東名焼津インターを降りたところにあり、その名のごとく大きな体育館と同じくらいの面積の建物の中で海の幸を売っています。

私はこういう場所が大好きです。
焼津”さかなセンター” (2)

センターの中にはいろいろな食堂もありますが、干物を売っていたお店の女将さんご推薦の回転寿司に行ってみました。

最低が一皿250円、最高が800円という回転寿司にしては高めのお店ですが、食べてみて納得。
新鮮なネタを豪快に使った回転寿司でした。

「お客さん、ダイナミックな鉄火、あいよ!!」
「ワー、すごい!!」
焼津”さかなセンター” (3)

土曜日の午後ですからもう少し客が来ていてもよさそうな感じでしたが、客足はイマイチでした。
春秋の観光シーズンにはもっと客が来るのかな〜。

センター内は一般の人が買い物をやり易くレイアウトされ、ブラブラと見て歩いて食事をするには丁度いい大きさでした。

佃煮と鯨の大和煮の缶詰を買って帰りました。

この日に展示訓練をした部隊は、展示のための訓練を相当にやっているだろうし、そもそも展示訓練なので実戦想定の訓練とは根本的に違うと思います。
しかし戦車。装甲車、火砲、ヘリからの射撃の瞬間は実際の訓練、或いは有事の際も同じな訳で、そういう意味からは自衛官達の教育の一環になっているし、我々一般人も見学をする価値があると思います。

今回の見学で一番印象に残ったのは普段見る事がない兵器とか実弾射撃を見たことではなく、何百何千という多くの隊員達を見た事でした。
ズバリこういう顔つきと目、それに逞しさ持った日本人がまだいるのか、と思いました。隊員達は明らかに、街中では絶対に見掛ける事のできない日本人でした。

自衛隊が政治のおもちゃにされ、それによってこれらの隊員達が命をなくすような事があってはならない、そんな思いを強くさせた1日でした。

(もの凄く気に入っているジョーク)

北朝鮮の核問題をめぐる6ヶ国協議で、日本の主席代表がトイレに立つと他の五カ国代表が日本のお人よしぶりを話題にした。

韓国代表: 「日本は不思議な国だ、独島を領有し歴史問題でことごとく難癖つけても挑発にのってこない」

中國代表: 「同感だ、反日暴動を起こし、潜水艦を領海侵犯させても日本は怒らない」

北朝鮮代表: 「その通りだ、日本人を拉致し偽札を流し、テポドンを上空通過させても日本は反撃してこない」

ロシア代表: 「全くだ、北方領土の不法占拠を続けても日本は本気で返還を要求してこない、核兵器でも使わないと怒らないのではないか」

米国代表: 「それはもう試してみた」

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