12−03−23 焼き肉の不思議
私は焼き肉が大好きです。今日は仕事が終わって自宅に帰ると下の娘が来ていたので話をしていると何となくj焼き肉が食べたくなり、3人で久し振りに焼き肉屋に行く事にしました。
焼き肉は最低3人、できれば4人以上で食べると楽しく食べれます。

焼き肉屋は自宅から車で5分くらいのところに2〜3軒あって、数ヶ月に1回くらいの割合で行きます。店に着いたのが6時半前。
娘によるとこの店はこの辺では割と有名な店らしいのですが、やはりかなり強い雨が降っているせいでしょうか、金曜日の夜にもかかわらず客はあまりいません。

席に案内されて先ず飲み物を注文して、どんな肉を注文するか3人で決めます。と言っても食べるものは最初方から決まっているので、ケンカすることはありません。
この店は確かに割といい肉を出すのですが、1人前の量が非常に少ないのが特徴です。とりあえずカルビの他併せて6人前を注文しました。客が少ないせいか、注文して5分もしないうちに肉は運ばれてきました。

早速肉を焼いてみんなで突きます。ビールを飲みながらの焼き肉というのはやはり最高です。この日は結局合計10人前の肉を3人で平らげてしまいました。私はビールを中ジョッキで2杯、さらに日本酒を2合ほど飲んで極楽。カミさんと娘は何かご飯物を食べていました。
ところで、、、”焼き肉10人前を3人で食べた”、これはどういう意味なのでしょうか。”10人の人間が食べる量を3人で食べた”という事でしょうか。
普通の食べ物の場合はこれは正しい解釈ですが焼き肉に限って言うと間違いです。正しくは”10皿の焼き肉を3人で食べた」、です。3人が焼き肉を食べた結果、10皿でお腹が一杯になったという事です。

一般的に1人前と言った場合、それを1人の人間が食べるとお腹が一杯になる量、つまり”1食”を意味します
しかし焼き肉屋では一般的かつ基本的なこの法則が通用せず、盛ってある肉の量には関係なく、1皿をあくまで1人前と呼んでいます。
そして不思議な事に1皿の値段はどのお店でも極端に違わず、600円以下はあまり見掛けず、特別な肉を除いて1000円以上は希です。

つまり1皿を1人前と称し、1皿の値段を固定し、その皿に乗せる肉の量をなるべく少なくする、というのが焼き肉屋さんの戦略のようです。
客はお腹が一杯になるまで食べるには”より多くの皿数を注文しなければならない”という行為になる、つまり店側にとっては”売り上げが倍増”するという結果を招きます。

このための工夫は見事です。皿は限りなく小さめです。肉はなるべく薄く、皿にへばりつくがごとく盛られて、”ひと皿”という言い方の限界の姿を晒しています。
ですから皿に盛られた肉を箸で横にかき集めると、悲しくなるくらいに少ない量である事が一発で露呈してしまいます。

話は変わって、オハイオに行ったばかりの頃シカゴによく行きました。オハイオのコロンバスからシカゴは600km、ですから車で6時間弱で行ける運転の負担にならない距離です。

行くと最低3泊程度して、コロンバスでは味わえない都会の雰囲気に浸りました。
シカゴは超大都会で日本で言えばNYが東京、大阪がシカゴというイメージで捉えても差し支えないと思います。

シカゴに行くと私達は最後の夜は市内ではなく、ダウンタウンから少し離れたところにあるアーリントンハイツというところのホテルに泊まりました。

ここは日本人が多く住んでおり昔はヤオハン、今はミツワという大きな日本のスーパーがあり、ここで買い物をして帰るのがコースでした。
特に液体燃料は大量に仕込むのを常としていました。

このアーリントンハイツの近辺には韓国人も多く住んでおり、従って韓国レストランがたくさんありました。
そんな訳でアーリントンハイツのホテルに泊まった夜は韓国レストランに行って焼き肉を食べるというのが私達の定番でした。
わざわざシカゴまで来て韓国レストランに行かなくてもいいだろう、もっとアメリカンなレストランに行けばいいだろうと思うかも知れませんが、それには理由があったのでした。

実はコロンバスの韓国レストランには焼き肉がないのです。正確に言うとテーブルでジュージューやる焼き肉レストランが1軒もなかったのです。
ナゼか?理由レストランではテーブルで火を使って調理をしてはいけないというは州の法律(市の条例だったかも知れません)があったからです。

ですからコロンバスの韓国レストランではカルビというメニューはありましたが、それはキッチンで焼いてきたものを客のテーブルに持ってくるという方式でした。
しかしシカゴ(イリノイ州)はこんな野暮な法律はなく、日本と同じようにテーブルで火を使って肉をジュージューと焼いて食べる事ができるのでした。
焼き肉の注文方法は日本と同じです。カルビとか、 ロースとかレバーもあったと思います。最初にアーリントンハイツの韓国焼き肉レストランに行った時、私達は日本と同じように、「これとこれとこれを、、、全部で5つ、、、」、という具合に注文をしました。

ところが、、、アメリカでは1人前は正真正銘の1人前なのです。でっかい皿にどっさり肉が盛られているのです。日本のように肉片が小さな皿に薄く並べられているのではなく、でかい皿に肉は富士山のごとく、いやエベレスト山のごとくうず高く盛られているのです。(またオーバーな表現。)

3人で行った私達は、まあとりあえず5人前くらい頼んで、後はお腹の具合を見ながら追加で頼めばいいや、という感覚で5皿を注文したのでした。
ところが正真正銘の5人前が3人の前にドーンと出されたのでした。カミさんと娘は5つの富士山を見て、そして私の顔を見ました。「これどうするの、、、。」

3人は必死で食べました。
出されたものは残してはいけない、この精神が骨の髄まで染み込んでいる私達3人は見事(?)5人前をお腹に納めたのでありました。
それから2日間ほどはお腹の調子がかなり異常だったのを今でもはっきり覚えています。

さて日本の焼き肉屋の1人前とは一体何なのでしょうか。私の場合ですと普通は2人前では足りません。3人前くらいは欲しいところです。
このお店のように3人前でも足りなくて4人前くらいは食べないと満足感を味わえない店もあります。
シカゴの焼き肉屋では大食の私でも2人前は無理です。いくらでもお代わりできます

それとアメリカの韓国レストラン(日本以外と言った方が正確かも)ではキムチは普通は無料です。

キムチは日本のように白菜と大根のキムチだけではな、くいろいろな種類が出てきます。多いところでは10種類以上出てきます。
そしていくらお代わりをしても無料です。日本の白菜キムチ一皿400円なんて信じられません。

ですからコロンバスの韓国レストランでは一品だけ何かを注文して、これらのキムチとご飯でお腹を一杯にして帰っていく客をよく見掛けました。

この日行った近所の焼き肉屋も韓国人が経営しているお店で、従業員も韓国人のようでした。私はこの店が気に入っています。

でもカルビの肉片がパラパラと小さなお皿に載ったのを持ってきて、「お客さん、ハイ、1人前ネ〜。」、というのは止めて欲しいな〜、、、。

わんこ蕎麦1杯を1人前とは言いません、あくまで”1杯”です。日本の焼き肉屋の1人前はわんこ蕎麦の1杯を”1人前”と言っているのと同じ事じゃないの?これっておかしくない?

今回はどうでもいい事をクドクドと、どうでもいいお話になってしまいました。
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