11−12−07 ごっこ遊び
とうとう今年も師走を迎えました。
11月末のサンクスギビングが終わると一気にクリスマスモードに切り替わるあのオハイオの街の雰囲気、懐かしく思い出されます。
12月になると気温は既にマイナス5℃とかになってかなり寒いのですが、街の雰囲気は暖かく感じました。12月25日のクリスマスまでの4週間、みんながウキウキして楽しみながら過ごしているのが肌で感じられました。

日本でも私が子どもの頃は、12月になると何となく忙しい雰囲気が伝わってきたのを覚えています。そしてもう少しすればお正月だ、と言う何となく嬉しい気分もありました。ああいう雰囲気を感じなくなったのはいつ頃からでしょうか。

そんな12月になったばかりの先週も栃木に出張でした。
前日の夜は1月から再度オハイオに転勤をするWさんの個人的な激励会をYさんと3人でやりました。
Wさんは私の駐在14年間のうち7年間を一緒に過ごした人で間もなく50才、今回も家族を連れて赴任との事でした。

オハイオへの2回目の駐在というのは最近はそれほど珍しい事ではないのですが、やはり話を聞いたときは少々びっくりしました。ある部門の日本人責任者として行くWさん、オハイオ人も暖かく迎えてくれる事でしょう。

そのオハイオ人、私のパートナーであったDSさん、それにMZさんと翌日に会社で会いました。
2人とも月曜日から出張で日本に来ていたのは知っていましたが、昼食を終えた頃Yさんが私のところに来て、2人のところに連れて行ってくれたのでした。

2人とも元気そうで、何も変わっていませんでした。
この2人は本当に頼りになる存在で、いろいろとやってくれました、彼等がいなかったら私のオハイオ駐在はもっともっと大変だったに違いありません。

この週は北米からTGさん、TKさん、それにこれも言葉に言い表せない程お世話になったOTさん、更にTMさん、WTさん、ONさんなどの日本人の主要な駐在メンバーに会うことができました。
残念ながら時間があまりなく、ゆっくりと話をするまでには至りませんでしたが、懐かしさがこみ上げてきました。

但し、、、オハイオ人のDSさん、MZさんと話をした時、言葉がつかえたのにはかなり焦りました。
そうだよな〜、、、もう1年半近く英語で話していないもんな〜、、、言葉って使っていないと、どんどん退化するのを実感した日でもありました。
この日の朝、会社に行くために宇都宮駅のバス停に行くと、手前で中学3年生くらい(制服から多分私立)の集団が道一杯に拡がってワイワイやっています、
横を通り過ぎようとしたらその中の一人の女子生徒がふざけて踊り出し、私にぶつかりそうになりました。

すると数人の男子生徒が女子生徒に向かって、「オラ、おめえ危ないだろうが、よしなよ、、、あっ、すみません!」、「すみません!」、と私に向かって大声で謝ってくれました。

バス停に行って時刻表を見ると、私の持っている時刻表と違ったので、少し待たなくてはなりません。
バス停のところは寒かったので、再度生徒集団の横を通り抜けて戻ろうとしたら、今度は男子学生が動き回っていて私とぶつかりそうになりました。

「アッ、すみません。オイ、じゃまするな、おめえどけよ、、スミマセン!!」、またしても元気な声。
私は横を通り抜けながら思わず、「君ら、元気いいね。」、とニコニコして言ってしまいました。

「元気いい、、、ですか?」、とか言う声が後ろから聞こえてきました。
まあ道の真ん中で集団で騒いで他の人が通れないようにしてしまうのはまずいけど、学生達の元気さと素直さに何か爽やかなものを感じてしまいました。。
子どもの遊びで"ごっこ遊び"というのがあります。電車ごっこ、ままごと、チャンバラなど、子どもが大人の世界を自分達で真似てお遊びするものです。
誰でも子どもの時に、何かのごっこ遊びをやった事があると思います。

このごっこ遊びはそれぞれ決めた役に沿って、自分達が持つイメージと自分たちが知る範囲で、役を演じて遊びます。
見ていても本当に微笑ましいものです。

ごっこ遊び、子どもの世界だけかと思ったら実は最近大人の世界でもやっている事に気が付きました。誰がやっているのか、どんなごっこ遊びなのか。
それは”政治家ごっこ”です。

キミ総理大臣、ボク財務大臣、XX君は厚生大臣、というように役割を決めて遊ぶのです。総理大臣になった人は、それなりに自分の知る範疇で精一杯総理大臣らしく振舞っています。
誰がやっているのか、それは現役の日本国の国会議員です。
エーッと思うでしょうが本当です。

でもそれらの人の中には、これはひょっとしたらごっこ遊びかな、と気が付いている人もいます。
ですから、「私は素人であります。」、とか堂々と公式発言をやったり、人から反対されると直ぐに自分の発言を取り消したりします。
これらの人達は子ども同じようなごっこ遊びのノリで年金の事を決めたり、国の防衛の事を決めたりしています。

例の"仕分け"というやつも、彼等のごっこ遊びの派生です。
先日も"政策の仕分け"というのが行われました。
関連する省庁の官僚を呼びつけて血祭りにあげ、まるで中国の人民裁判みたいにみんなに見せつける。この仕分けごっこは”内閣ごっこ”の中に更にごっこ遊びが存在するという、ややこしい図柄になっています。

会社でも実はこれに似たような事がありました。それは入社2〜3年くらいの社員が、「ボク、企画の仕事をしたい」という、アレです。
でも最近はこういう事をいう社員は少なくなってきました。ナゼか、それは本人達が自分の言っている事が所詮"ごっこ遊び"であるという事に気が付いたからです。新入社員達はきちんと自覚する能力を備えていました。

子どものごっこ遊びは、あくまで本物のマネです。
ところが今の政治家がやっているごっこ遊びは違います。それは本物の政治家が、”政治家ごっこ”遊びをやっているのです。
ああ、ややこしい、、、。
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