11−10−16 中国の活力
3泊4日の上海の旅、あっという間に終わりました。
感想を10秒で表せと言われたら、「古い中国の上に新しい中国の力強いエネルギーと発展が立ち、その中で矛盾と貧困が入り混じった巨大な都市。」、とでもかっこよく言いましょうか。

見た目は東京も顔負けする巨大なビル群、道路にあふれる人・車、この活気は今や日本にはありません。上海市内はともかく、印象に残ったのは郊外に広がる大工場群、これは正直言ってど肝を抜かれました。
マイクロバスで工場群の中を通っていくのですが、それこそどこまで行っても大きな工場が続いていました。

その殆どが電子部品・電子製品関連の工場でした。これだけの工場では一体何人の人が働いているのでしょうか。
5万人や10万人ではないと思います。

政府が後押しして、国内の製造業の海外移転をやって失業者を作ろうとしている日本。

片やこれだけの工場を作って何十万人もの雇用を生ませ、国民を少しでも豊かにするために一生懸命な中国、どちらの政府が周到なのか、小学生でもわかる事です。

2日目の森ビルで最上階に上るエレベーターを待っているとき、20人くらいのグループが横にいました。
でっかい声でワンワンしゃべっています。韓国人観光客のようです。

するとガイドの王さん(年令29才、モデルみたいなスタイルのべっぴんさん)が、「これ、韓国人ね。直ぐわかる。」、と言いました。

私がなぜ直ぐわかるの?と理由を聞くと次のような答えが返ってきました。
「韓国人のオバサンはパーマかけてる人ものすごく多いね。中国人、日本人、パーマないね。」、私は思わず大笑い。ナルホド、そういえばそうだ。
更に王さん、「韓国人のオバサン、顔がギラギラしてるね。焼肉食べるからね。」、アハハハ、、再び大笑い。

そのうちグループの中の2人くらいがべたっと腰を下ろしました。王さん、すかさず、「日本人、ああいう事しないね。韓国人すぐするね。」この子はよく観察しているなと思いました。

でも王さん、最近の日本人、特に若者はべったっと地面に座るの増えてるよ、そのイメージそろそろ変えた方がいいよ。
今回も個人旅行なので中2日間の観光は現地のJTBに申し込みました。何と2日間ともマイクロバス1台、運転手、それにガイドが私達2人に専属でした。

到着1日目の14:30以降、それに4日目の空港に行くまでの13:00頃までは自由時間にしてあったので、ブラブラと街中を歩いてみました。
観光名所には意外と白人の観光客が多くみられました。

ホテルにはカナダからの観光客も泊まっていました。エレベーターの中でどこから来たのか聞いてみると、トロントから来た、と言っていました。

言葉を聴いていると3分の2くらいが英語でもなく、スペイン語系でもない東欧系のような感じでした。

日本人に出会う事はめったになく、4日間を通じて本当に数えるほどでした。それと観光客のほとんどは当然の事ですが中国人です。
地下鉄の切符売り場の前で小銭片手にワイワイやっているのを何度も見かけました。

切符の買い方がわからないのです。私達がその後ろで待っていると、先に譲ってくれました。切符の買い方を観察しているようでした。

食事は全部思ったよりおいしかったと思います。でもそれなりのところは、日本と同じくらいの値段と思った方がいいでしょう。
マクドナルドもありました。ガイドの王さんに、マクドナルドについて聞くと、「あれ、おしくな〜い。あれ子ども食べるものね。私二度と食べない。」、というコメントでした。まだあの味に馴染めない人もいるようです。

中国のバブル、格差などというのは4日間の観光旅行でわかる訳がありません。
しかし物価などについて幾つかの観察はしてきました。

准海中路にある結構きれいなレストランで給仕の募集をしていました。
仕事の内容らしきものが3つ書いてあってその後に給料が書いてありました。

それぞれ1000元〜、1200元、1500元とありましたので、皿洗い、給仕、調理場、くらいの感じでしょうか。
円環算で1万5千円前後です。

大学を出た初任給が日本円換算で4〜5万円くらいだそうで、年収100〜150万円を超えている人は結構多いそうです。
これだけ多くの車が走っているという事は、それを買うことができる人がいるということであり、これだけのブティックがあるという事はそれを買う人がいるとい事です。

日本にあるのとそっくりなベーカーリーショップにも入ってみました。店内はいい香りがしており、パン1個が80円〜150円で売られていました。
吉野屋の牛丼も食べてみました。サービスキャンペーン中で1杯200円くらいでした。

マンションは中心部で70u〜100uで2000万円〜3000万円くらいです。郊外に行くとぐっと安くなるみたいです。医療保険は保険に加入している期間に応じて保険支払いの上限が決められており、長くなれば上限が上がる仕組みだそうです。
今中国は為替操作をしており、元はかなり安くなっています。これは中国の政治力の成果だと思います。
日本の政府もちょっとはマネをしろよ、と言いたくなります。

郊外でみた工場群の部品・製品は恐らく大半が輸出でしょう。元安に支えられての輸出、経済成長は明らかな図式です。
あの郊外の工場群が生産を維持し部品・製品がずっと売れ続けるのか、3年先5年先はどうなるのか、私にはそういう事はわかりません。

黄浦江を観光船に乗って夜景を見るクルーズに参加してみました。両岸に見える夜景は、実に見事なものです。

日本の会社では帰宅する時はPCの電源を抜きましょう、と言う運動をやっています。
PCのスイッチは切ってあっても電源回路には僅かな電流が流れるので、それを節電しようとする涙ぐましい活動です。

上海のあの夜景を見ていると一体俺達は何をやっているんだ、とちょっぴり惨めな気持ちになってしまいました。

中国はCO2削減も先進国がやってから次にやる、とかいう勝手な言い分で見向きもしません。
日本の宇宙人総理が20%削減だったかを国連でやったとき、中国はニヤッとしたそうです。
これで日本は脱落したな、と。

ナイトクルーズでは大小数え切れない遊覧船と行き違いました。
私は持参した双眼鏡で遊覧船の船室を見てみました。立派なバー・レストランがある遊覧船もありました。甲板上階4層の大きな遊覧船もありました。まぶしいばかりのイルミで飾られていました。

でもそれらの遊覧船には客は20%、いや10%くらいしか乗っていませんでした。とにかくガラガラでした。
これら多くの遊覧船、恐らく上海万博に合わせて作られたのでしょう。
1日目のガイドの周さんが言っていました。

「万博終わったね。みんな忙しかったけど、急に暇なったね。心配ないね。今ゆっくり観光できるよ。」

上海万博が終わり、北京オリンピックが終わると中国はバブルが崩壊する、と盛んに言われてきました。そんな事ないですよね、、、多分。
inserted by FC2 system