11−01−07 仕事始め
新しい年を迎えて1週間、昨日から仕事も始めています。
年末年始の休みは12月29日から1月5日、オハイオの休みは12月24日から1月2日までで日本より長く、感覚としては日本の方が長いと思っていたのでちょっと意外でした。

日本で新年を迎えるに当たってオハイオではやらなかったことの一つに年賀状書きがありました。私も14年前までは毎年年賀状を出していましたがオハイオに転勤になった翌年の1997年から出さなくなりました。
年賀状に代わるものとしてオハイオにいる間は新年のあいさつはメールのつながる相手はメール、それ以外の親しい人は電話をかけるという方法をとっていました。

帰国してから最初の正月の今年、年賀状は最小限とし、あとは会社からと自宅からメールを出してあいさつに代えました。これも最小限にしました。
会社のメールではオハイオ人から何通ものクリスマスと新年の挨拶メールを受け取りました。懐かしく感じました。
帰国してまだ半年ちょっとですが、もうずい分経ったような気がします。

メールを読むとそれぞれのオハイオ人の顔が目に浮かびます。
そんな中、Kさんからのメールは特に印象に残りました。Kさんはドイツ系のオハイオ人で30代後半の女性です。
メールによると休みは12月18日から1月2日までの2週間をとり、自分と主人の家を訪れたとありました。

そして2週間の大半を自宅の地下室の整備に使ったとありました。
オハイオの殆どの家は地下室があり、広さは通常その家の1階の広さと同じです。1階が120uであれば、地下室も120uとなり、総2階の家であれば普通の居住スペース240uに加えてこれだけのスペースが加わります。

家を買うとき(売るときも)この地下室のスペースとガレージのスペースは「家の広さ」、には含まれません。私のオハイオの家の地下室は丸々1階分のスペースではありませんでしが、それでも80uくらいの広さがありました。
地下室は暖房も冷房も効くようになっており、これを部屋に改造して使うのが一般的です。

地下室が普段の生活のメインのエリアという人も結構いるようで、私はそのような家に行ったことがあります。
そのオハイオ人の地下室は30畳くらいのカウンターバー付きのリビングルーム、15畳くらいのダイニングルーム、15畳くらいのビリヤード室が作ってありました。
それ以外のスペースはストレッジ・スペース(物置)にしてあったと思います。

地下室と言うと何となく暗くてジメジメしたイメージがありますが、オハイオでは立派な居住空間でもあるのです。特に地下室をどう使うかは寒い、暗い冬が長いオハイオでは重要な事でした。

でも地下室って外が見えないじゃん?という人がいますが、そもそもオハイオの家は外の明かりを部屋に取り込む、という考え方が少ないというか窓が非常に小さい造り方なので、外が見えるか見えないかはオハイオ人は気にしてないと言えます。
KさんのメールによるとKさんの家の地下室は2月一杯で次のようにすると書いてありました。

・フィットネスエリアを作る。トレッドミル(ランニングマシン)、その他のマシンを入れる。これでいつでも運動ができるので便利。
・カウンターバーを作る。真ん中にでっかいビア樽を置いて、みんなで飲めるようにする。主人も私もビール・ワインが大好きです。
・テレビ/ビデオ鑑賞ルームを作る:大きなスクリーンを設置したホームシアターにする。ここで日本の映画も見るかも知れません。
・プールテーブル( pool table )を置く。(ちょっとよくわかりませんが、多分何にでも使える大きなテーブルのことだと思います。)


と言うことで相当な広さのようです。普通こういう地下室の改造は床のカーペット敷き以外は自分たちでやるのですが、Kさんも夫と2人でこれをやるようです。

アメリカのホームセンターは日本と違って桁違いに大きく何でも揃うし、なければ直ぐに取り寄せてくれます。道具も材料もとにかく何でも揃います。
日本人駐在員でも自宅の地下室の改装をやった人を何人か知っていますが、根気強くコツコツやれば器用な人であれば相当なものができるものです。

中古のボロボロの家を買って3年がかりで新築の家のように改造したりしたオハイオ人がいましたが、そういう連中が私の周りにはゴロゴロいました。

電気配線なども日本のように資格を持った者しかできないとかの規制もありませんから、全部自分でやっちゃいます。
大きなボイラーでも自分で交換する人が多いので、水道とかの工事も自分でやるのでしょう。
(ガスの工事はどうだか知りません。)

こうなると日曜大工という言葉は使うのが適切ではないレベルだと思ってしまいます。
コロンバスの私の家の周りには巨大なホームセンターが何軒もありましたから基本的にアメリカン人は特定の部分を除いて何でも自分でやってしまうのが「普通」なのです。

冬はKさんのように室内作業、夏は外回りの作業、オハイオ人は1年中忙しいわけで、どうしてあんなにすっ飛んで帰るのか、納得です。

こうやって自分で時間を惜しみなく使って改造した地下室でフィットネスをしたり映画を見たり一杯やる、自分達で改装した地下室ですからその愛着もひとしおというものでしょう。
土日以外に年間20日くらいの休みをとり(病気とか、家族の事で休むのは別な休みがある。)、普段の日は夕方の5時前には必ず家に帰る、何ともオハイオらしい生活です。

Kさんからの新年のメールを読んでKさんの顔、オハイオの家、オハイオの冬景色を思い出しておりました。
inserted by FC2 system