10−09−03 日本に帰ったラジオおじさん
私は元ラジオ少年であり、現在はラジオおじさんです。
私が少年の頃はラジオ作りというのが少年達の間で結構盛んでした。鉱石ラジオから始まって、簡単なトランジスターラジオ、又は真空管ラジオを作り、それがどんどんエスカレートしていきました。

ラジオですから放送電波を受信する訳ですが、そのうち自分でも電波を出したくなります。自分で電波を出すには免許が必要で、これがハム、いわゆるアマチュア無線です。私もこの免許をとり、自分で電波を出すようになりました。
(オハイオでもアメリカの免許をとりました。)

2ヶ月前に日本に帰った私は再びアマチュア無線をやってみようと、古い無線機を取り出しました。これにほんの50cmほどのアンテナを付けて受信をしてみました。
本格的に送受信をするには屋外に建てた大きなアンテナが必要なのですが、数km離れたところからの信号が入ってきました。私は試しにマイクに向かってその人を呼んでみました。

ここでびっくり、その人は私のコールサインだけで私を'Nさん'と呼んだのです。
エッー、どうして?その人はIWさんという方で、30年近く前に鈴鹿に住んでいたときに私の家に来たIW少年だったのです。

IW少年は当時中学校2年生くらいで、私の家の庭に建てられたアンテナを見てアマチュア無線をやりたいのだが、どうすればいいのかと聞きに家に来たのでした。

私はその時の事をあまりよく覚えていませんがIWさんはよく覚えていてくれていました。
当時中学生だったIWさんも今はりっぱなおじさん、当時30才過ぎだった私は定年を迎えたおじさん、お互いにおじさんになって30年前に戻って話をしました。

IWさんは私の家から1kmも離れていないところに住んでいるとの事でした。電話番号、メールアドレスも交換しましたので、こんど実際に会ってみようと思います。

これ以外に私は当時何人かの小学生・中学生の訪問を受けた事があります。
「この子がハムをやりたいって言っているんですが、どうすればいいのですか?」、とお母さんに連れられて家に来た子もおりました。
中学生の自転車軍団が家の前でアンテナを見上げて何やらヒソヒソやっていた事もありました。

今ではアマチュア無線というのは全くマイナーな趣味になってしまいましたが、私は落ち着いたら小中学生にアマチュア無線ではなく、ラジオ作りを教えたいと思っています。そのようなボランティアー活動のグループがあるのです。

よし、オレも青少年の理科離れを取り戻すボランティアーをやるぞ!
少年諸君、君等はパソコンなんか触ってはいけません! 少年諸君、ラジオを作りましょう!
作り方はおじさんが教えてあげましょう!
今週も栃木への出張があり近鉄、新幹線を乗り継いで宇都宮1泊でした。宇都宮までは乗り継ぎがよければ4時間少々、まごついても5時間は掛かりませんからそれ程の負担にはなりません。
とはいうものの列車の中に4時間近く座り続ける事になりますので、何もしないで風景ばかりを眺めているという訳にはいきません。

私はこの時間をラジオを聴きながら本を読む事にしています。本は雑誌であったり週刊誌であったり単行本であったり様々です。
ラジオは他の人とはちょっと違うと思います。どこが違うかと言いますと、使う受信機がラジオ受信機ではなく、私はアマチュア無線用小型高性能トランシーバーを使うのです。

今のトランシーバーは同時に高性能全波受信機としての機能も備えています。
ですから中波の放送、短波の放送(これはアンテナが必要なので列車の中では使えない)、FM放送、テレビ(音声のみ)、航空無線、その他あらゆる電波の受信ができます。

もちろんトランシーバーですからアマチュア無線の周波数では電波を出して通信をする事もできます。

名古屋に到着するまでの40分間はFM放送以外に航空無線を聞く事があります。
中部セントレア空港に向かっている飛行機、ここから出発する飛行機と管制塔の交信がよく聞こえます。
中国の飛行機はちゃんと中国語訛りの英語で交信しています。

東海道新幹線に乗ると再度FM放送を聴きます。FM放送と言ってもJRが放送している新幹線専用のプログラムです。
これに飽きるとテレビの音声を聞きます。テレビの音声を聞いても意味がないという人がいますがそれは違います。
ドラマとか映画はだめですが、ニュースとかちょっとした報道番組は音声だけで十分に楽しめます。

新幹線は高速で走っているので、どんどんチャンネルが変わっていきます。東京までの間では自衛隊の飛行機の交信も聞けます。

私は列車の中から電波を出して誰かと交信をした事はまだありません。列車内は携帯電話も禁止なので、声を出してしゃべるのはちょっとまずいからです。
厳密に言うとこれは携帯電話ではなく、アマチュア無線の通信機だから問題はない、と屁理屈をこねる事もできなくはありませんが、交信はまだやっていません。他の人の交信を受信するだけです。

こんな事をやってこの小さな無線機をいじくり回しているとやがて東京駅に着き、そして宇都宮駅に着きます。列車から受信する電波を聞いていると、居眠りをする暇はありません。

少々オタッキーな世界ではありますが、元ラジオ少年らしい時間の過ごし方と思っていますが、、、。
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