10−05−06 イエローカード

オハイオ生活は残すところ1月ちょっとになりました。
2日前には第一便の船便を出しました。引っ越し業者からは5人が来て大小170箱の余りの荷物をトラックに運び込んでいきました。

梱包は95%以上が私とカミさんでやってあったので、業者も随分楽だったようで後で、「梱包作業が殆どなかったのでスムーズに作業ができました。」、という連絡を受けました。
それでもいろいろな書類を作成したり、何だかんだで全ての作業が終わったのが2時ちょっと前で、遅い昼食を終えたのが3時前という状況でした。

船便の第二便は6月上旬で、この時に航空便の別送便(100kg)も積み出しとなり、基本的に生活用品はツーツケース3〜4個分のみとなります。帰国までの2週間弱は会社手配のアパートで生活となります。14年前に赴任した時はアパート生活でスタート、そして帰国前もアパート生活で終わるという事になります。

肝心の家の売却の状況ですが、昼頃に不動産会社から電話が掛かってきて、家を見たいという客が来る時間を知らせてきます。

夕方の5時から8時くらいの間が殆どです。この連絡を受けると、持ち主は家を空けどこかに外出しなくてはなりません。

ここのところ夕食は会食が殆どです。たまに家で食べれる時(この時は見に来る人がいないという事)もまともな料理はできません。

家の中に臭いが残るからで、特に我々日本人に必須の味噌醤油を使った料理は厳禁です。

という訳でここのところ2週間以上味噌汁も口にしていません。土・日の朝食くらいは味噌汁を作ってもらえるかと思いましたが、土曜日も11時〜12時に見に来るというので、ダメ。

パンとシチューという私にとっては何とも味気ない朝食になってしまいました。

実はこの土曜日、11時〜12時というので外出して1時半頃に家に帰ったら、ピンポーンと玄関のチャイムがなって、不動産屋と若い夫婦が再度家に来たのにはびっくり。今までに何回もいろいろな不動産屋が客を連れてきている訳ですが、実際にそれらの人を見たのはこれが初めてでした。

その不動産屋は、「この人達がもう一度貴方の家を見たいというので、連れてきました。」、という事でした。2時間と間を空けずに2回見に来たと言うことは、気に入ったという事かな?
さてどうなる事やら。

私はテレビJAPANというNHKをベースにした日本語のテレビを見ています。最近のニュースのトップは”普天間基地問題”ばかりです。

鳩山首相が5月末をメドにこの問題を解決すると言っているようですが、報道を見て不思議なのは”ナゼ基地が必要なのか”、という説明がマスコミはおろか、政府も全くやられていない点です。
これはものすごく不思議というか、理解できません。

基地の必要性とは、”対北朝鮮、及び対中国との有事の場合に日本を守るため”、というのは誰もが理解している事なので、今更説明の必要はない、という事なのでしょうか。

毎日の報道を見ていると普天間問題は、”ゴミ廃棄施設をどこに作るか?”という事で住民と市が対立しているのと同じようなレベルで語られているのも大いに気になります。
日本の防衛大臣が’基地は迷惑な存在”、と言ったそうで、これはニューズウイークに記事で載っていましたが、防衛大臣という立場の人もゴミ処理場と同じレベルで考えているのが日本国の実態です。

普天間の施設はヘリの部隊が中心で、これをどこかに持っていけばいいという形で語られていますが、実は普天間は強力な整備・補給機能も非常に重要な基地で、飛行隊がどこかに行っても返還される基地の面積はほんの僅かに限られている、というある先輩からのメールを受け取りました。
この事実も報道されていません。

ある大学教授の意見では、基地の移転先で最も適しているのは地理的、規模的から”関西空港”だそうです。
現在この空港は大赤字でもあるし、民間空港としては使い勝手も良くないし、という事で鳩山総理の”腹案”の一つに入っているかも知れません。
2月24日に行った腰の手術、経過は順調に見えます。4つの骨がボルトで1つになっているので前傾姿勢をとりにくく、靴下をはくのはまだかなりきつい動作になっています。
痛みは全くありませんが、寝る時以外はまだコルセットを巻いています。骨を移植した部分の回復を加速するための高周波発信器も背中に付けています。

4月の半ばから1週間に2回、40分ほどリハビリの指導を受けます。施設は会社にあり、セラピストも社員なので便利です。今までに8種類のリハビリ体操をやるように指導を受けました。

最初に始めた時にどこまで身体が固くなっているか、どこまで身体が曲がるか、具体的な測定を行いました。そして今日リハビリの効果がどこまで出ているか、同じ測定をやりました。

測定を終えたセラピストのHさん、「前と殆ど変わっていません。本当に毎日家でやっていますか?」、と言われてしまいました。

この日も始める前にHさんに、「毎日家でやっていますよね。」、と質問されて、「ハイ」、と小さな声で思わず答えてしまったのですが、実は家であまりやっていないのです。

測定結果が結果を明確に表してくれました。1週間に2回程度、それぞれ40分のリハビリでは効果は期待できないのです。

マットレスの上で体操をやっているとHさんは何やら紙に書いております。
「Hさん、今日の分、全部終わりました。」、と私がマットレスから立ち上がると、Hさんはちょっと厳しい顔をしてその紙を私に渡しました。

「SHIN、これを家で見えるところに貼っておいて下さい。わかりましたか?」

黄色い紙にはリハビリで毎日やらなくてはならない体操が書いてあります。私はリハビリに不熱心なクライアント、という事でイエローカードをもらってしまったのでした。
「SHIN、これをもらっているクライアントは一杯いますから心配はいりません。でもちゃんとやって下さいね。」、Hさんは私を慰めるように言いました。

「イエス、マム。」、私は子供のように返事をしてしてしまいました。ガンバリま〜す。
inserted by FC2 system