10−04−24 売り出しスタート

先週は月曜から日曜までの1週間、朝の8時から夜の8時まで家の修理の突貫工事でした。先ず窓ガラスの交換、窓枠を外して外に持ち出してシーリングを外してガラスの入れ替えです。
ガラスは二重ガラスで長期間使っているとシーリングが弱ってそこから空気が入り、ガラスとガラスの間が曇ってしまったのでこういう作業が必要になったのでした。

これは1人の職人が来て6時間ほどでやっていったそうです。
そうです、というのは昼間は私は家にいませんので、作業の監督はカミさんがやります。感心するのは、こちらの職人さんは昼休み以外の休憩は一切らない点です。

日本の職人さんは8時頃に仕事を始めたかと思うと10時には30分の休憩をとります。
また仕事を始めたかなーと思ったら昼休みになりきっちりと1時間休みます。

そして午後の3時になるとまた30分休んで、4時半頃には後かたづけを始めて5時にはさっと帰っていきます。はっきり言って実働は6時間以下です。

オハイオの職人さんは朝は7時半頃には来ます。12時まで休みは取りません。
汗をかいているので冷たいボトルの水を出しても、「自分で持ってきていますから。」、と言って受け取りません。
昼休みはどこかへ行って食べてくるので1時間ほど車で出掛けます。

夕方は6時でも7時でも8時でも仕事をやります。今回は室内のペンキ塗り、外壁のペンキ塗り、それに庭の整理を一人の業者で行いましたので、12日の月曜日から18日の日曜まで朝の8時から夜の8時まで。特に最後の日曜日は夜の9時頃までやって、仕上げてくれました。

家の中に家族以外の誰かが朝から夜まで、月曜から日曜までずっといるというのは結構大変だと思うでしょうが、これをやってくれたジャスティン君、人なつっこい人であまり気になりませんでした。

アメリカで家を売りに出すというのは日本とはかなりやり方が違います。
まず不動産屋と売りに出すについて様々な契約を結びます。この辺は同じです。そして諸費用を明らかにします。一番大きいのは仲介手数料で、売値の6%となっています。

家を買いたい人を捜して実際に家を見せるのは、すべてDさんとかのエージェントの仕事です。

家の中は荷物などをきちんと整理して、戸棚の中からクローゼットの中まできちんと見せられるようにしておきます。
エージェントがお客を連れて来て家を見せる時は、その家の人は家にいてはなりません。つまりどこかに行っていなくてはなりません。

「今日の夜の7時から8時の間にエージェントがお客を連れていきます。よろしく。」、と電話が入ると私はカミさんに連絡をします。

つまりこの時間帯には、カミさんも私も外出しなくてはなりません。
「今夜の8時15分から9時15分にお客を連れて行きます。よろしく。」水曜日はこんな時間帯の訪問もありました。

ですから家を売りに出すと夕食は家で摂ることは難しくなります。そんな訳で今週の夕食はずっと外食でした。
家で料理をするとどうしても台所とか、他の部屋に臭いが残ります。これは厳禁なので、結局は家を売りに出すと家でまともな料理はできなくなります。味噌汁もダメです。サンマを焼くなど、もっての他です。
家の中はハーブの香りと花の香りで、いい臭いを保っておかなくてはなりません。

Dさんは私の家の洗面所のタオルの色がダメという事で自分で真っ赤なタオルと床の敷物を持ってきました。洗面所には白のタオルが掛けてあったのですが、これがダメだというのです。その他ベッドカバーもこの色はダメとかいろいろと注文をつけます。

玄関の花壇にはやはり真っ赤な花を植えなくてはなりません。
台所には電気ポットとかも置いてはいけません。Dさんは電気釜もダメだと言うのでこれも隠しました。

とにかく家の中はモデルルーム状態にしておかなくてはならないのです

エージェントが客を連れて来て約束の時間が過ぎた頃、私とカミさんは家に帰ります。
家の中はクローゼットを開けた形跡とか台所の棚を開けた形跡があります。

客を連れて家に入ったエージェントは家の中を全て見せて回るようで、トイレの水を流すのから始まって、あちこちの扉を開いたり閉じたりして機能に問題がないか、客に見せるようです。

このようなエージェントが家をキズつけたり何かを壊したりした時のための保険にも入りました。この辺はなかなかアメリカ的です。玄関の入り口にはDさんに言われて次の貼り紙をしておきました。

・家に入るときは靴を脱いで下さい。 これを書いておかないとみんな土足のまま家の中を歩き回ります。
・エージェントの方は名刺を置いて行って下さい。
 どのエージェントが客を連れてきたのか把握したいからです。
・家を出るときはドアーの鍵を閉めていって下さい。 
鍵のかけ忘れは防犯上大きな問題だからです。

家の鍵は特殊なボックスに入れて玄関のドアーに掛けてあります。エージェントが持つキーでこのボックスを開き、中にある我が家の玄関のキーを取り出し、これで中に入る、という具合になっています。
エージェントが客を連れてきて、客がどんな反応をしたか、それは翌日にEメールで私のところに連絡があります。質問は定型的パターンになっていて、最後にその客のコメントが書いてあります。

”クリーンでよく手入れされている”とか”バックヤードの美しい”とかいろいろと書いてありますが、いくら褒められても肝心な事は買いたいという気持ちになったかどうかです。今のところ全部「ノー」です。

1人の客は水曜日に見に来て、”30日以内に入居できるか?”というコメントを残していたので、直ぐにDさんに電話をして”可能”である旨を連絡しておきました。

私の実際の帰国は6月中旬です。
Dさんの話によると実際に家を買うことを決めても、その人が銀行からお金を借りるために銀行に行っても、銀行が信用調査をするのに1月近くかかる事があるそうです。

そうなると5月の中旬までに買い手が見つからないと契約を結べなくなってしまいます。

そうそう、もう一つ大事な事を忘れていました!家具も売らなくてはなりません。という訳で家具の写真を撮ってこれを日本食のスーパーの掲示板に貼っておきました。誰か欲しい人、超格安でお譲りしま〜す。

Dさんは私の家のクラスは一番多くの人が買う価格帯(庶民向けの家という意味)なので何とかなると言いますが、残された期間は実質約3週間。
腰の手術がなければ家の修理ももっと早くでき、少なくとも今より1月以上は余裕があったのですが仕方ありません。

私はかなり焦っているのであります。
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