10−04−18 家の売却準備

私はオハイオに来たのが1996年6月、ですから間もなく丸14年を迎える事になります。海外駐在というのは5年とか7年とかが一般的で、10年を超えるというのはあまり聞かないのが普通です。
私も赴任の時は5年をメドにと言われてそのつもりでいましたが、丸7年を経過しビザのステータスを切り替えてからは長期間になるかなと思って覚悟はしてきました。

しかし昨年くらいから、私もそろそろ帰国かなと思っておりましたがついに今年の2月、つまり腰の手術の前の頃に6月で帰国の内示を受けました。
その時は既に腰の手術を決めており、引っ越しの準備の時間は非常に限られており、手術を行った2月24日までには自分の物を中心に可能な限りの荷造りを済ませる必要がありました。
地下室は広く、物置に使えます
次に帰国に当たって最大の課題は家の売却です。
私がオハイオに来た頃は、家を購入する駐在員の方が借家をする駐在員より多かったと思います。

私はどこに住むかは下の娘の学校区を優先でめました。そのような条件で借家を探したものの、思わしい物件がなかったので躊躇なく家を購入しました。

オハイオ(オハイオ)では学校区が違えば学力レベル、外国人の受け入れ体制等が全く違い、十分注意する必要があるからです。

その後2年程経ってから会社から駐在員は基本的に借家に住むように通達があり、1999年以降に赴任した駐在員は全て借家住まいになりました。

オハイオの家は日本の感覚(家の広さ、土地の広さ)からいくと3分の1〜4分のくらいのイメージで随分安く感じたものです。

住んでみてわかった事は、我々が購入するレベルの家は日本の感覚からすると典型的な"安普請"である事でした。しかし安普請ではありますが、快適さは抜群でした。真冬の−20℃の酷寒でも、30℃を越える真夏でも家の中は隅々まで一定の温度に保たれており、40畳以上の広さの地下室は物置には十分すぎる広さがありました。。

私の家族がオハイオに来たのは私の赴任1年後の1997年で、この時に家を買いました。買った家は1994年に建てられたものですから現在築16年です。

家を売却するにあたり、会社のオハイオ人で借家経営をサイドビジネスにしているBさんに先ず相談をしました。つまり私の家を買わないか?という提案です。
早速BさんとBさんの奥さんのDさんが家にやってきてどのような物件なのか見ていきました。

Bさんは、「家には私が買って借家に適する家、または一般的な売却に適した家があります。検討をさせて下さい。」、という事を言って帰っていきました。
翌日の昼頃、「銀行と相談したのですが、融資の条件が悪いので貴方の家は買わない事に決めました。」「ついては貴方の家の売却について家内がお手伝いをしたいと言っております。」
Bさんの奥さんの職業は不動産売買のエージェントなのです。
梱包で部屋はごった返しています
結論は私の家は借家よりも売却に向いているという事のようです。数日後今度はDさんだけが家に来て私の家の売却の提案書を持ってやってきました。

近所の同じようなクラスの家の売買が成立した家の特徴、売買が成立しなかった家の特徴などを分析し、これらの分析から自分の経験で私の家のどこを修理した方がいいのか、そしてどれくらいの値段で売りに出したらいいのか、3つの案が作られていました。

私は売る側の主張として、ここ2年以内で修理をしたところを強調しておきました。
屋根全体、ボイラー、クーラーのコア、地下水汲み上げポンプ、それに家の特徴としてバックヤードにデッキがあること、バックヤードはフェンスに囲まれており犬を飼う人には便利なこと、地下室は半分はフィニッシュしてあること(住めるようにカーペットが敷いてある)などです。
暖炉についてもガスでも焚けるようになっていること、などを挙げました。

この日決めた売却にあたって修理をすべき部分は次の点でした。
・全部の部屋、廊下、ロッカー等内の壁のペンキの全部の塗り替え。
・12枚の窓ガラスの交換(こちらの窓ガラスは全部2重ガラスで、2枚の間に水蒸気が入り、ガラスが曇っているものがあった)
・全部の洗面所(3箇所)のシンクの交換
・家の外壁全部、ガレージのドアーの塗り替え、以上の4点でした。
・バックヤード(庭)の木を切り倒し、花壇を作る。
・フロントヤードの花壇を作り替える

Dさんはこれらの修理を1週間でやってしまう、と言いました。エーッという感じです。出費も半端ではありませんが、売りに出すためには必須の事なので仕方ありません。
修理は10日(土)から開始です。この日は会社のSさんとYさんに家に来てもらい、家具の移動、運び出しのお手伝いをお願いしました。2Fに置いてある翁机Mそれに梱包が終わった大量の段ボール箱の地下室への運び込み、いずれももし私の腰が正常であっても一人ではできない作業ばかりです。

最初に来た洗面所のシンクの交換業者でした。は。私の家は”トイレ+洗面所+風呂”が2カ所、”トイレ+洗面所”が1カ所なのでシンクは3つの交換をしなくてはなりません。
「大丈夫です、これなら5時間くらいで完了ですよ。」、かなり年配のオジサンはそう言って作業を始めました。
シンクは交換され、きれいです
1Fのファミリールーム横の作業はかなり手こずって、途中で思わぬ部品が壊れたりしたみたいで、部品を買いに行ったりしておりましたが、何とか2時間半で完了。残りの2つの交換はそれぞれ1時間半くらいで交換が完了しました。

シンク交換の作業中にダイニングキッチンのフロアー(リノリューム張り)の張り替えの見積もり業者がきました。
Dさんと修理内容の打ち合わせをやった後Dさんから、「フロアーの張り替えもやった方がいいと思います。」、という連絡があったのでした。

業者のオジサン、
「ウーン、こんなにきれいなフロアーを交換する必要があるのかなー。この家は何年住んでいるのですか?フロアーの修理はいつやりましたか?」、というのでこれは16年間修理・交換はしていない、と答えました。

するとそのオジサンは信じられない、という顔でエアーダクトの横をめくって確認をして、「ホントだ!!これはオリジナルのフロアーですね。」、と言いました。

「Dさんと相談して決めたいと思います。」、と言ってその業者は帰っていきました。
私も翌日Dさんに、「フロアーの交換は必要ないと思う、もし買い手が要求した場合は交渉には応じる、」、というメールを送っておきました。

さあ、家の修理が開始されました。
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