09−08−11 何とかしてくれ〜

今週は日曜日の朝のフライトでワシントン州のモーゼス・レイクという町にある取引先まで出張をしてきました。
モーゼス・レイクに行くにはシアトルまで行って、そこから車で2.5時間西に走るか、同じくワシントン州内の殆どアイダホ州との境目にあるスポケインという町まで行ってそこから1.5時間東に走るか、この方法しかないという、ちょっと不便な場所になります。

アイダホと言えば、3年前にイエローストーンとかグランドティートンの大西部の旅行を思い出します。
ま、それはともかく日曜の朝のフライトでミネアポリス経由で、スポケインまで向かいました。

コロンバス → ミネアポリスが2時間弱、ミネアポリス → スポケインが3時間弱ですから、フライト時間だけで5時間弱あります。

スポケインには予定通り午後1時30分頃に到着、ここでレンタカーに乗り換えて東に1.5時間、モーゼス・レイクには3時半頃に到着しました。

途中の風景は水をまいている場所以外は茶色の大平原が延々と続いており、あらためて3年前の大西部の旅行を思い出しました。

モーゼス・レイクという名前のとおり、町の西側には幅1〜1.5km、長さ20kmくらいの細長い湖があります。夕食まで何もする事がないので、日本人のAさんとオハイオ人のDさんと湖の畔まで行ってみる事にしました。

湖の畔には住宅が並んでおり、まだどんどん開発中でした。町に近いところの公園で車を降りると多くの家族がバーベキューをやっており、イイにおいが漂っていました。
また湖では囲いを作って、その中で子供も大人も水浴びをして遊んでいました。

夕食は取引先の方々と湖の見える、なかなか雰囲気のいいレストランで摂りました。この取引先は全世界で事業を展開している日系の会社で、従業員は全世界で3万人近くいるそうです。
ところが日本の会社には900人しかいないという、非常に特徴のある会社です。

多くの日系の製造業の会社は工場をメキシコに持つことが多いのですが、この会社もメキシコにもいくつもの工場があり、アメリカと併せると1万3000人以上の規模だそうです。

レストランに入ると真っ先に私の顔を見て飛んできたのが、Sさん!
実はSさんはオハイオ人で私がオハイオに赴任をする直前まで私の部門の社員だった人で、転職をした人なのです。

私はSさんとは私が赴任直後に2回ほど会ったのみで、その後ずっと会っていなかったのですが、私を覚えてくれていたのには感激をしました。

Sさんは今ではこの会社の北米(アメリカ・メキシコ)の製造部門の総責任者になっており、破格の出世をしているのでした。

Sさんが他のアメリカ人と一番違うのは、日本で言うところの、「気配り」、が日本人顔負けにできる点です。
見た目もしゃべり方も非常に快活で明るく、典型的なアメリカ人のように見えるのですが、彼は仕事がズバ抜けてできる以外にこういう特徴を持っており、いわば日系企業では目立った存在だったのでしょう。

一般的に気配りができる人は、「先読み」、ができる人で、これが彼の最大の特徴である、というのは実は私の前任者のSKさんからも、そして私の会社で彼と一緒に仕事をやった何人かのオハイオ人からも聞いておりました。

Sさん、社長を目指して頑張れよ!

この取引先との会議は月曜日朝から丸1日行われました。会議には私の会社からは10名以上、相手側からは15名以上が参加されました。
今までな思うように進まなかった事が、やっと進む気配が見えてきて、”成果あり”と言うか、やっとスタート点に立ったというか、そんな感じでした。

本当はもう1日ここにいて詳細を詰めたかったのですが、オハイオから来たグループはモーゼスレイクにもう1泊した後、翌日のフライトでコロンバスまで。
火曜日の朝、モーゼスレイクから、1時間半車をぶっ飛ばしてスポケインまで。

チェックインをする時に通路側の席に変えようとすると、ミネアポリスまで25ドル、ミネアポリスからコロンバスまで15ドル払え、という指示が画面に出たので、仕方なく合計40ドルを払って通路側の席に変えます。
これでちょっと安心です。

アメリカ人は日本人の感覚から言うと3人に2人は肥満ですから、隣にこういうタイプの人が来る可能性がものすごく高く、来た場合は悲劇です。特にお行儀の悪い輩の場合、もう始末に負えません。フライト時間の2〜3時間、時には4時間は地獄です。ですから私はアメリカ国内の出張はあまり好きではありません。

それと恐るべき存在がお子様達、今回は敢えて”ガキ”と呼ばせて頂きます。
このガキですが、これから受ける被害は2つあります。一つは座席の近くにいた場合、騒音被害です。でも騒音の場合は耳栓を使うという対策がありますので、それほど問題にはなりません。

問題はガキが後ろの席に座った時です。ガキですからじっと席に座ることはできません。何をやるかというと、シートについているテーブルを出したり入れたりします。その度に背中に微妙なイヤな振動がトントンとつたわってきます。
次にそのテーブルをバンバン叩きます。これは背中から首筋に振動が伝わってきます。シートの背もたれ自体が揺れることもあります。テーブルを度ドンドン叩きます。

極めつけはシートの背もたれを足で蹴る、これは普通は耐えられません。蹴られている隣の席まで揺れる場合があります。という事は自分の真後ろの席ではなく、斜め後ろにガキがいてこれをやられてもゴンゴンときます。
これをうつらうつら、まどろんでいる時にやられるとパッと目が覚め、不愉快さは頂点に達します。

今回の出張のフライトはコロンバス/ミネアポリス(1時間45分)、ミネアポリス/スポケイン(3時間)のそれそれ往復で合計9時間ちょっとのフライトのうち、往きのコロンバス→ミネアポリス以外の1時間45分を除く、8時間近くをこの被害に遭ったのです。(信じられますか?)

往きのミネアポリスからスポケインの3時間、私の前に隣のアメリカ人の青年が音を上げました。親に注意を促しますが、言うことをきくのは言ったあと5分くらい。シートを蹴る、叩く、もう頭に血が上る思いでした。
一緒に行ったオハイオ人のDさんは斜め後ろに座っていたのですが、「SHIN、エライ目に遭っていたね。」、と言ったくらいですから。

帰りのフライト、ちらと悪い予感がよぎります。スポケインからのフライト、これはお金を出して通路側の席を買ったのですが、何と後ろに夫婦+子供3人黒人の家族!!! アーア、何という不運!!!
頼むからじっとしている子であって欲しい、、、、。

でもダメでした。3時間一睡もできませんでした。親にはシートを蹴らないように頼みましたが、全然知らん顔。かなり獰猛そうな黒人だったので、私もちょっと躊躇して2回の警告で諦めてしまいました。

ところが、、、ミネアポリスからコロンバスのフライト、何とこの家族も同じになったのです。何十とある乗り継ぎフライトで、全く関係のない物同士が再び同じ乗り継ぎのフライトになるという確率はものスゴイ低い確率だと思うのですが、それが同じフライト。

この家族、5人がバラバラの席になっていたので、何とか同じ席にして欲しいとスチュワーデスに頼んでいます。スチュワーデスが私のところに来ました。エーッ、オレに動けと言うのか!
「スミマセン、席を替わってくれますか。」、と替わって欲しい先の席を指さします。私は同じ通路側の席だったので、替わってあげる事にしました。

ところが、、、この席の後ろにまたガキが来たのです。
これで全ては終わりました。私はミネアポリスからコロンバスまでの1時間45分、ドンドンとトレーを叩く振動を背中に受けながら一睡もできず耐えたのでした。

私は周りの席に一体何人のガキがいるか前後2列を数えました。1列が’3人X2=6人’ですから全部で30人の乗客、ガキが何と9名おりました。私の周りは、ほぼ3人に1人がガキ!!
これらのガキは全部3〜4才から7〜8才、よくもまあこれだけ集まったものです。

アメリカの航空会社は肥満の人には料金の追加を要求するようになったのですが、ガキはどこかの区画に集めて座らせる事を強く提案します。
しかし、この日は本気で自分の運の悪さを呪いました。本当に、です。
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