09−07−09 イタリア旅行を終えて

6月30日からの7泊9日のイタリア旅行、いつもの事ながらあっという間に終わってしまいました。
2週間(16連休)という今までにない長期の休みが取れたお陰で、グループツアーの日程に合わせる事ができ、行くことができました。

会社などの周りの人から聞かれるのが、「イタリアですか?どこが一番よかったですか?」、という質問です。
答えは実は、観光した各都市はそれぞれがあまりにも個性的で、比較ができないのです。敢えて言うと、ローマ見学がもう1日あればなー、と思いました。1日だけでは殆どピンポイントだけになってしまいました。

ローマは古代遺跡の中に近代社会が申し訳なさそうに住まわさせてもらっている、という感じでした。

フィレンツェ、シエナ、ミラノのような近代的大都会でさえ、中世の建物に囲まれており、それらをまだ使っている、といううところは日本人の感覚からすると驚くべき事だと思いました。

日本で言うと、室町時代とかの建物をオフィスとか商店に使うだけでなく、今も住んでいるという事になります。

lこれは木と紙と泥でできた日本の建物は長持ちしない、石とレンガでできた建物は物理的にいつまでも残る、という違いが大きいのは当然としても、それ以外の要素もありそうな機がします。

イタリア(これはイタリアだけではありませんが)の教会は何百年もの年月をかけて建築され、それが残っています。
日本で教会を対比するとお寺、神社があります。

神社の場合、これの総元締めの伊勢神宮は、20年ごとに内宮と外宮の建物・橋などの殆どを交互に作り替えて、正殿を入れ替えます。
つまり20年ごとに新築を繰り返すのです。日本の神社はあくまでもいつも”新”でなくてはならないのです。

日本は昔から良質な木材に恵まれていたとか、気候風土の違いとかいろいろとありますが、この思想というか考え方の違いは非常に興味深いものがあります。

それとどこの町に行っても町の中心は教会です。
ヨーロッパ人が移住してきたオハイオもこのパターンを引き継いでいます。

町の中心には教会があって、雑貨屋があって、レストランがあって、その外側に住宅があります。そして住宅の外れにお墓があります。

この町のレイアウトの作り方は、誰かが法律で決めたとした思えないくらいどこへ行っても似ています。

イタリアの中世の町が全くこれと同じレイアウトです。
つまりキリスト教文化圏の国では昔も今も教会が人々の暮らしの中心である、という事で、1000年以上変化がないという事なのです。

ですから今回私達が”観光”した教会は過去の遺産ではなく、現在も昔と同じように使われ、生活に密着している、”実用”品なのです。

現在も残っている立派な中世の城壁と、昔の教会をごっちゃにしましたが、教会は遺跡ではない、という当たり前の事に今回の旅行で気が付いた次第です。

ローマに着いた1日目を除き、イタリア人の普通の生活を垣間見る時間は全くありませんでした。これも短い時間でのグループツアーですから仕方のない事です。でもほんの少しは話として聞きました。

ローマあたりで学校を出て就職すると、普通月給は1200〜1600ユーロくらい、税金は概ね50%以上、アパート代1000ユーロくらい、つまり答えは小学生でもわかるように”生きていけない”、です。

結果実家で親と生活をしながら勤める事にになります。
結婚するのは生活ができない者同士が生活をするため、というのが大きな理由だそうです。

物価は非常に高い感じで、年金生活者には特に厳しく、生きていけない、という声が噴出しているそうです。物価が高いのはEU統合で通貨がユーロになったからで、これは以前に新聞でも読んだことがあります。

もともとあまり勤勉でない国民性で、近隣諸国から外国人を受け入れたために、極端に治安も悪くなっているようです。

政権はコロコロ変わり、政党が50も60あった時代もあり、今では国際的な位置付けは決して高くはない国になってしまいました。

政権がコロコロ変わり、外国人がどんどん入ってきて、国民が働かなくなってきた。ン? よく考えると今の日本はイタリアの後をまっしぐらに追っかけている?そんな気がしてきました。
でもイタリアには過去2500年の膨大な遺産があります。でも日本には何もありません。どうなるのでしょうか。

イタリアはかつて一流国でした。そして富にあふれていました。いろいろな物を略奪してきて、人を拉致して奴隷にして、今も残るいろいろな建築物を建てました。建物は全部奴隷が建てた、という事実は認識すべきです。

物と人を地中海、アドリア海各国から”かっぱらってきた”、これはイタリア人のガイドさんもはっきり言っていました。

そして重要なのは富は集める方が偉い事、集められるのはバカな事、という基本的な考え方がある事です。

昔のイタリアのエライところは、金のある時にそれを文化・芸術に使った点でした。(今のイタリアはダメです、金はサッカーに使っちゃいますから。)

それとミラノの案内をしてくれた現地・日本人ガイドのKWさんによるイタリア人男性とは、の要約は次のとおりです。

・イタリア人はかっこイイ?何言ってるの、結婚した日本人の90%はコミニケーションができる前に離婚している!

・もの凄い保守的、職人気質。アイロンがけは雑巾、下着、靴下、まで全部かける事を要求。(靴下はあの、買ったときにスジが入った状態をイメージ。)

・もの凄い、ケチ。トイレットペーパの使い方まで監視される。財布の紐は全部握っている。(これは多くのアメリカの家庭も同じ。)

・家の中はピカピカにいつも磨いておくように要求される、帰ってくるとそれとはなしに家の中の清掃チェック
・でも外では公共心は全くなし、譲り合いの精神全くなし。


文句を言うと、一言、、、、「うちのママはやっている、、、、。」、もうマザコンのかたまり。
(イタリア人は一般的に、40才になっても50才になっても「ママ、ママ」、というのは聞いたことがありますので、これは本当だと思います。)

KWさんは身長も170cmくらいあって、結構べっぴんさんですが、「私が結婚しない理由!」という事で漫才をやってくれました。

私は今まで旅行で何かトラブルに巻き込まれたという事はあまりありません。せいぜい、デジカメのバッテリー充電器をホテルに忘れてきた、とかくらいです。

実は今回、ローマに着いた瞬間にちょっとしたトラブルを起こしてしまいました。
ローマ空港で無事通関を済ませ、空港内になりATMでユーロの現金を引き出そうとして操作をやっているうちにカード(デビットカード)が再びATMに自動的に吸い込まれ、出て来なくなったのです。

これには焦りました。親切なイタリア人がこの銀行の支店が空港内になるハズ、そこに行けば?という事で空港の案内などを聞きまくってやっと銀行にたどり着きました。
英語で事情を説明すると、英語のできる窓口担当は1人だけ。他のブラブラしている行員に話しかけても相手にもしてくれません。

待つこと30分、やっとその行員に事情を話すことができました。

「心配はいらない。そのカードはカードの発行会社に送られる。」
「私は今カードが必要だ。直ぐにATMから取り出してくれ。」
「それはできない。」
「ナゼだ!?空けて出してくれ、オレは旅行者だ。カードが要るのだ!!」(こうなったら迫力で押すしかない)
「1日に1回、ATMを点検する。その時に取り出すことになっている。規則です!」


こんなやりとりで、全く拉致があきません。私は机をバーンと叩いてその銀行を出ました。
アーア、まあ仕方ないか。カードの紛失届けを出すか。と言っても今LAは夜中だし。アメリカ国内であれば1−800で直ぐに手続きができるのですが、外地からのフリーダイアルの番号を控えてなかったのでした。(これ大反省!

という事で仕方なくクレジットカードを使って現金を引き出しました。アメリカ発行のクレジットカードはOKでしたが、日本発行のクレジットカードは使えませんでした。

カードは会社のクレジットユニオン発行のカードだったので、夕方LAに電話をかけてとりあえずブロックをかけてもらいました
「今、イタリア?ではオハイオに帰ったら連絡を下さい。直ぐに新しいカードを送りますから。」、そのLAのアメリカ人の女性の声が女神に聞こえました。

カードが吸い込まれた理由は?後でわかりました。カードをATMに入れて、処理が終わって出てきたカードを30秒以内に取らないと、自動的に再び吸い込む、というのがイタリアのATMなのでした。

そんな訳で、このトラブル以外は今回も特に何もなく、無事オハイオに帰ってきました。でもイタリアは暑かった〜、。

inserted by FC2 system