08−04−28 中東訪問APPENDIX

中近東、特にサウジアラビアはぶらっと観光で行ける国ではなく、今回はこの国を訪れる事によって今まで考えたこともない事を考えた、というのが成果(?)かも知れません。
仕事の上ではいろいろとあり、今後もずっと継続してやらねばならない訳で、この内容についての記述は本HPの趣旨とは全く違うので、仕事以外についての総括をSHIN流にやってみます。

1.酒が飲めない国、本当に飲めないのか

飲む方法を考えてみます。サウジにも薬局があります。薬局には当然アルコールが売っています。これを買ってきて適当なものと混ぜて飲む。アルコールですから確実に酔っ払うハズです。
実は会社の先輩で元船乗りの人が航海中これをこっそりやった話を聞いた事があります。極上の玉露を濃い目に作って、これに混ぜて飲むのが一番だそうです。かなり妙な酔っ払い方をするらしいです。

日本人の場合、大使館(領事館)に行けば飲む事ができるそうです。大使館は基本的にその国の治外法権として認められていますから、言われればナルホドです。どんな理由をつけて行けばいいのかITさんに聞くのを忘れました。

自分で作るという方法もあるのではないかと思います。ブドウとかは果物屋で買えますので、これを使って自分で作ってしまえばいい訳です。死刑にはならないみたいですが、これも見つかると大変な事になるそうです。
私はドブロクの造り方は熟知していますので麹さえ持ってきてもらえば何処でも2週間で造ってみせます。(米とイースト菌はどこでも手に入るでしょうから。)

秘密クラブで飲む。詳しくは聞きませんでしたが、やはりあるそうです。

2.お祈りの遵守度はどの程度か

イスラム教徒は基本的にメッカに向かって1日5回お祈りをします。ジェッダはメッカの隣町ですから厳密にお祈りは守られている、、、か?これも個人によって大いに違うようです。
私は午後のお祈りの時間帯にこれを忘れていて、作業員のところに行こうとしたら、「今はそちらに行かないで下さい。」、とキツイ顔をして窘められ、あっそうか、今3時半だった!という事がありました。

でも何人かの人はそのまま仕事をしているし、厳格にやっている人とそうでもない人と様々なようです。(1日5回のお祈りをあとでまとめてやる、という人もいるそうです。)

実は私は20年以上前に自宅にマレーシア人を泊めた事があります。この時の出来事ですが、朝早くまだ幼稚園に行く前の娘がこのマレーシア人の寝ている部屋に入ろうとしたら入らないようにキツく言われて、娘は泣きそうになった事がありました。
そのマレーシア人はイスラム教徒であり、今考えると朝のお祈りをしていたのかも知れません

3.物を盗むと手を切られるのは本当か

ヒースローからジェッダに行く飛行機の中で隣に座ったイギリス人の話によると地方に行くとアリババ(泥棒)が多いので気をつけなくてはならない、と言っていました。
サウジに住んだ人、旅行をした人の手記の中にはコソ泥が多い、という記述もありました。

物を盗むと手を切られるというのは強盗とかのかなり凶悪な犯罪者に対してであり、そういう意味ではこのような厳しい罰があるから逆に犯罪は少ないと言えるかも知れません。
UAEのような大都会でも外からカバンが見えるような駐車をしても窓ガラスが割られて物が盗まれる心配はないようですから、いずれにせよアメリカよりはずっと安全であるのは事実のようです。(コソ泥などについては別)

4.食い物は旨いか
旨いか、不味いか話ができるほどいろんなものを食べた訳ではないので、よくわかりません。
しかし13食の食事経験をモトに、これに可能な限りの想像と空想を入れ込み、更にこれを10倍くらい増幅してコメントを出すならば、うまい、しかもかなりうまい、という事になります。

料理がうまい、マズイは何で決まるか、そのメニュー自体が口に合うかどうか以上に気持ちを込めて料理されているかどうかも大きな要素であると思っています。
この観点からはアメリカはかなり荒っぽいのでこれが味を落としている大きな要素であるという感じがします。

ま、いずれにせよオハイオにいればどこに行っても食い物は美味く感じます。そう言った意味ではオハイオに12年間住む私は幸せ者かも知れません。世界中どこに行っても、何を食べてもおいしく感じる舌になっていますから。

5.男が着るあの白い服(トーブ)はいつも白くて清潔か

あまりジロジロは見ることができませんでしたが、トーブ姿の人になるべく近づいて襟の汚れとか、袖口の汚れを観察してみました。薄っすらと汚れている人は見かけましたが、全体として驚くほど白くて清潔でした。人々は平均的に清潔な印象を持ちました。

町の中もきちっとしており、ホコリっぽいのは止むを得ないとして、ゴミもすくなく思ったよりずっときれいでした。
清潔の反対は不潔、ちなみにこれを国で言えというなら私の経験からでは中国で、出張での体験では我々とは不潔のレベル・概念が桁違いという印象があります。

いずれにせよ、サウジもUAEも清潔と感じました。でもあの埃ぽさというか、砂塵の微粒子による影響でしょうか、手の感触が何とも言えない感じに変化してゆくのはサウジもUAEも同じでした。

日本は良く知られる国で、優秀な工業製品を作る国、勤勉な国民というイメージのようです。それに過去も現在も日本は中東の国と対立した事がなく、友好的で日本の皇太子殿下も2回訪問をしています。

ただイスラム教というのはキリスト教と同じく寛容性が非常に低い宗教のようで、これに比べて仏教はそれほど排他的ではなく、どちらかと言えば異質なものでも受け入れる、というイスラム教、キリスト教とは正反対の特徴があると言えます。
今までこんなことあまり考えた事がなかったのですが、少しだけ考えるようになったのが今回のサウジ・UAE出張での個人的な最大の成果だったかも知れません。
もし機会があるなら今度は都会ではなく田舎に行ってみたい、田舎に行けば庶民の生活を垣間見る事ができると思いますので。

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