08−03−03 再々度、捕鯨について
3月になりました。暦の上では既に春になっていますがオハイオの春はまだまだ先です。
ところが今日のオハイオは昼の1時頃で何と20℃近くの気温になってしまいました。先週はー8℃になった日もあり、雪も降りました。温度差で言うと30℃近くなります。
でも予報を見ると、金曜日には再び最低温度が−10℃になるようですから、やはり春はまだまだ先です。

さて先週の土曜日の夜から体が極端にだるくなり、熱っぽくなってダウン。間違いなく風邪をひいたようで、早速薬を飲んで暖かくして横になりました。日曜日も丸1日ほとんど横になっていましたが、月曜日の朝も調子が回復していなかったので、結局会社は休みを頂きました。

熱はあまり上がっていないのでインフルエンザではないと思うのですが、休みをとったと言ってもずっと寝ているわけにもいかず、結局は寝たり起きたり、テレビを見たり本を読んだり、という日になってしまいます。そんな中でとんでもないニュースがひとつ報道され、目が点になってしまいました。

とんでもないニュースとは、現在南氷洋で調査捕鯨をやっている日本の捕鯨母船の「日新丸」に、アメリカの環境保護団体の船が化学薬品入りの瓶とかを投げつけ、日本人の船員3人が軽症を負ったというものです。
映像では母船に数十メートルまで近づき、ブリッジの横から大男達が瓶を投げている様子が映し出されており、責任者と見られる男に日本のテレビ局が衛星電話でインタビューしている内容も報道されていました。

我々が何をやったかって?そんな事我々は気にしない。ナゼならこいつらは違法な捕鯨をやっているんだから。これからもどんどん続ける。」、というもので、言い草もこれをしゃべった男の風貌も海賊そのもので、仰天してしまいました。

日本政府はこれに直ちに抗議をしたようですが、先日はこのならず者(私は敢えてこう呼びたい)の1人が捕鯨船に接近した船から飛び移ったという出来事もあり、日本は全くなめられたものです。

不思議なのは、このような船の接近をナゼ許すのか、一体この捕鯨母船の船長は何を考えているのか、全く理解できない点です。

甲板上から瓶を投げられる距離まで少なくとも不審船の接近を許すと言うのは、どう考えてもおかしいとしか言えません。
甲板上から物を投げられたら、すかさず高圧放水(自船等の火災鎮火用に必ず装備している)でもやって甲板上のならず者を無力化してしまうとかの防衛措置をなぜとらなかったのか、これも理解できません。

環境保護団体という仮面を被ったこの連中がここまで強気なのはこれを支持する国民、そして何より政府自体がこの行為自体を支持してるからだという人もいます。

アメリカ、オーストラリア、オランダ、イギリスという白人国家、及び白人達の捕鯨に対する反対の理由は感情的で科学的理由は全くないのはよく知られています。
近年イカが獲れなくなったり、イワシが獲れなくなったのはクジラの増えすぎが最大の理由だと言う事がほぼ明らかになっているそうです。イカは増えすぎたマッコウクジラが原因だそうです。

クジラはおろか、イカもイワシもアメリカ人は一生の間に1gたりとも口にしない連中がが99.99%以上な訳で、そんな事は全く関係のないのはわかります。クジラは人間と同じ哺乳類で高等な頭脳を持っているから、という理由も挙げられています。でも捕鯨はダメで牛の屠殺はナゼいいのか、、、、、。

しかし、ここまで頑固に反対をする理由は一体何か。考えれば考える程わからなくなります。
ただ一番気になる発言は、自らの主張と異なる事をやっている日本船は攻撃しても何をしても構わない、という意味の事を言っている点です。

これは私が12年間アメリカで生活した中でイヤと言うほど経験してきた、“何か問題があった時は自分達の基準が全て。相手が自分達と違うのは相手がおかしい。”という発想の典型的な事例と言えます。
この考え方がわかると、彼らのいろいろな行動、少は毎日の会社の中での出来事、大は政治問題まで一気に見えてくる事が大いにあるのも私が経験するところです。

そして何だか捕鯨問題ってどうも国際的なイジメのような気がするし、第一この「シーシェパード」とかいう環境保護団体のやっている事は、テロと全く同じ事をやっているとしか思えません。
妥協をする、という事が基本的にない国が白人国家である、とS氏が言っていた言葉を今更のように思い出します。

わたしは会社のオハイオ人に、何度かクジラの話を面白おかしく話した事があります。我々は学校の給食でクジラを食べたこと、酒を飲むときに食べるとおいしい事、オレはイルカも食べたことがあって、あれはクジラと全く同じ味がして非常に旨かったこと、それと会社のアメリカ人が日本に来たときに知らないうちにクジラを食べててしまった話、etc、etc。

土曜日にハンクの店(床屋)に行った時、久し振りに10分ほど待たされました。ハンクの店は予約制なので普段は待つことはありません。待っても1,2分です。見るとかなりのオジイさんとその息子が先客でした。
帰り際にその息子はハンクに向かって、「親父は来週の水曜で88才だよ。」、と言っていました。なる程歩き方を見るとその年令に頷けました。

私は頭を刈ってもらいながらハンクに、「ハンクは親父さんはもういないって言っていたけど、オフクロさんは?」、と聞いてみました。オフクロさんはニューアルバニーというところに84才で一人で住んでおり、ほんの近くに姉がおり、行き来をしていると言っていました。
オフクロさんは70才代の時はガンの手術とかいろいろとあったけど、今は元気だそうです。

ハンクは私より3才上ですが、アメリカ人にしては比較的若く見えます。ハンクも数年前に脳腫瘍の手術で九死に一生を得た経験を持っています。ハンクは選挙の話もいろいろとしてくれましたが半分くらいしかわかりませんでした。
「私はヒラリーは応援しません。だって女のボスは一人でたくさんですから。」、なんて冗談を言っていました。

親父も生きていたら85才、母親は81才で私達が日本に帰るのを指折り数えて一人で待っている、、、、先ほどのオジイさん、そしてハンクのオフクロさん、目をつぶってハサミの音を聞きながらそんな事を考えておりました。

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