06−12−26 NYブラリ一人旅(2)
2日目の朝、さすがに昨夜は疲れていたのでしょうか、目が覚めたのは7時近くでした。今日は自然史博物館と、夜はクルージング・ディナーで夜の10時半までのスケジュールです。
シャワーを浴びて身支度を整え、ホテルの外へ。朝食はホテル横のマクドナルドです。

マクドナルドのメニューは、口に入れて少なくとも不快感だけは出てこない最低限のレベルですが(私にとっては)、とにかく出てくるのが早いので、時間がないときは便利です。私が行った店は1分で全部出てきました。

マクドナルドではどうしてもイヤだという時は、朝食レストランがあちこちにありますので、ここを利用するとまともな朝食が食べれます。

さっと食事を済ませ、その店の前のバス停からM10ラインに乗って博物館まで。
自然史博物館は今まで前を通っただけで、入るのは初めてです。なかなか立派な建物です。

しかしすごい人出です。それにここはやはり子どもが多い。
15ドルの入場料を払って早速見学開始です。
それにしても充実した展示内容と、その工夫された展示方法には感心するばかりです。

かなりの広いスペースで4Fまであるのですから驚きです。ゆっくりと見学をすると、1日で全部を廻るのは不可能です。

とにかく動物のジオラマは素晴らしいとしかいいようがありません。剥製の動物がまるで本物のようにディスプレーされています。その種類も半端ではありません。それに海中生物のジオラマも見逃せません。
日本はバブルの時に、地方自治体が競って博物館もどきの「建物」とか劇場を作りました。政府の援助もあっての事ですが、全国津々浦々このような建物が林立しました。
でもその建物の名にふさわしい催しは、あまり行われませんでした。

ナゼかというと美術館・博物館に展示すべき品物がなかったのです。劇場も1年の8割は閉館又は実質的に閉館しています。

理由はこれらの美術館・博物館・劇場を継続的に運営していくスタッフが十分にいなかったため、と聞いています。
結局はこれらの建物を建てた土建屋が潤っただけに終わったのです。

何故あの時に日本に一箇所、このような博物館を建てなかったのか、どうして日本はこれができないのか、日本は中央政府が地方に金をばバラまく政治だからできなかったのかな?
そんな事を考えながら、そしてその展示物の素晴らしさに感心をしながら廻っておりました。

でもこの博物館、できたのは今から100年以上前だそうで、これだけの期間をかけて展示室の充実を図り、今でも展示室のために莫大なお金をかけて探検調査まで延々とやっているというから驚きの他ありません。
ここまでやる目的は何なのか、一般庶民に動物のジオラマを見せたり、中南米先住民族の文化を見せるのが目的ではないのは明らかです。

世界中の民族(ナゼかヨーロッパはないのです。)の風俗照会も相当な規模で展示されていますが、日本風俗の紹介の展示室を見て唖然とせざるを得ませんでした。
昭和初期の農村の風景と農民の写真、琴を奏でている江戸時代の女性の横には碁盤が置いてあり、その横には藁でできた雪よけを着た男が立っています。

そして中央には平安時代のお公家さんの格好をした人が座っているのです。
また明らかに中国のものである象牙細工がびっしりと並べられておりました。

なぜこのよう奇妙な展示がされるのか、ひょっとしたらここの専属の研究者(専属で300人いるそうです)のレベルは大した事がないのではないか、と疑いたくなるような展示でした。

それぞれの説明はもっともらしく書いてありますが、それもよく読むと、とにかくおかしいのですす。

肝心な事はこのように自分で中身がある程度検証できる内容は、それが何かおかしいと気が付くのですが、それを信じるしかない他の展示物などは内容の検証はできないのです。

自然科学に関する事は、大きな間違いは少ないかもしれませんが、このような民族紹介等は中身をどうするか、非常に難しいのは事実です。

自然史博物館もゆっくりと見学をすると1日では足りないのは明らかです。そのためには全部を見ようとするのではなく、テーマを絞ってそこは詳しく見て、あとはさっと目を通す、という方法がいいかも知れません。
さてこの日は午後5時半集合でディナークルーズです。夜景を見ずしてNYを語るなかれ、と言われているそうで、エンパイアーステートビルからの夜景見物もいいかナーと思いましたが、ここは奮発してクルーザーに乗って食事をしながら夜景を眺める、という贅沢をする事にしました。

JTBを通じて申し込んであったので、集合場所からマイクロバスでクルーザーが係留してある42STの西端のハーバーまで。
6時半前に乗船、ディナールームに案内され、テーブルに就きます。

そうです、今日はクルーザーに乗船してのディナーにもかかわらず、ブラリ一人旅、つまりひ・と・りなのです。
鮨屋のカウンターの片隅でチビ・チビやっている分には一人でも全く構いませんが、いわゆる欧米流のディナーに一人というのは、かなり目立ちます。
というか、格好がつきません。

でも仕方ありません。結果としては、思ったほど惨めではなく、夜景を眺めたり、アメリカ人がダンスをして騒ぐのを眺めたりして結構楽しめました。

食事はフル・コースディナーでアペタイザーの一部とアルコールは別料金です。
ワインは面倒なのでちょと多いかな、と思いましたがボトル1本頼んじゃいました。当然全部飲んでしまいましたので、かなり酔ってしまいました。

乗客は150人くらいでしょうか、アペタイザーでワインを飲んでいるといつの間にか出航しています。
メインディッシュが出てくるまでに時間がありそうなので、上甲板に出てみます。

素晴らしい眺めです。この船に乗ってよかったなー、と思いました。
やはりNYの夜景は見事なものです。ハドソン・リバーからマンハッタンをぐるっと廻ってイーストリバーに入ります。

食事を中断して、何度も上甲板に出ます。
昨年の冬に来た時に昼食を食べたブルックリン・ブリッジ手前にある、ピア17の建物もきれいに見えました。

出航してから1時間経った頃から、中央のフロアーで、アメリカ人達のダンスが始まります。
ウマイやつ、ヘタなやつ、それぞれのペースで楽しんでいます。

東洋人はJTBからの日本人が私を含めて4人、それ以外は10名くらいの中国人・韓国人で、カップルで来ているのは私の横にいた韓国人だけでした。
(旅行者なのか居住者なのかわかりませんでしたが、2人とも非常に英語がうまかった。)

メインディッシュは16オンスの牛ヒレ。味はよく覚えていません。味わうよりダンス見たり、上甲板に行って夜景を見たり、結局3時間のクルーズは全く退屈しませんでした。
しかしこのクルーズは、やはり一人で来るコースではありません。誰でもいいから一人連れてくるべきところでした。
ワインを1本空にして、シャンペンもクラスに1杯飲んで、極楽気分で下船です。ハーバーにはJTBの係員が待っており、やはりマイクロバスでホテルまで送ってくれました。

ホテルの前で降りるときに、JTBの係員にこの近くで日本レストランでお薦めのところありますか?と聞いたところRというレストランを紹介してくれましたので、ちょっとだけ入ってカウンターで一杯やってみました。
店の雰囲気、従業員の感じもよさそうなので、明日の夕食はここに決めました。

この日は朝の9時前から夜の11時前まで、充実をした1日でした。NYブラリ一人旅、満足の2日目でした。
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