06−07−02 大西部への旅−1
インディアナ州、イリノイ州、ミネソタ州、ウイスコンシン州、ミシガン州、ネブラスカ州(東部)、カンザス州(東部)、ペンシルバニア州(西部)、アイオワ州、そしてオハイオ州を概ねアメリカ中西部と言うそうで、地学的にはとにかく真っ平らな所です。
オハイオの典型的な田園風景
車で何時間走ってもこの10州の中はイヤになる程平らです。
(なだらかな丘はほんの少しありますケド。)
そしてその大地がほとんど耕されていて、トウモロコシか大豆か小麦が植えられています。

この中西部はアメリカには珍しい、「均質な社会」だと言う人がおります。
言葉も標準的なアメリカ英語はこれらの州の言葉だそうで、小中学校で教えられている英語もこれを基本としているし、ラジオ・テレビの有名なアナウンサーの多くが中西部州の出身でもあると、何かの本で読みました。

この中西部の平均的アメリカンのイメージは世界に伝わっており、何気なく考える「アメリカ人」のイメージは、実は中西部のイメージであることが多いと言えます。

オープンで、率直で、お人好し、服装に無頓着で、頭は悪くはないが深い教養はない、田舎ぽくってやや劣等感がにおい、熱心に教会に通う、、、、、こんな感じ、、、、でしょうか、、、、。
コロンバスのショッピングモール
私はこの中西部に10年住んで平均的なアメリカを垣間見ることができた。
だから普通の日本人より少しはアメリカを語る資格があるかも知れない、、、、、、。

しかし、、、、、です。
中西部を見ただけではアメリカを見た事にはならないのです。それが平均的アメリカンの住む土地であってもです。

アメリカを知るには何と言ってもあの西部劇に出てくるロッキー山脈の麓の州を見て、そしてアメリカ自身があまり公にしたくない歴史をひもとかなくては知った事にはならないのです。

ロッキー山脈で金が発見されて、ゴールドラッシュに湧き、ネイティブアメリカンを虐殺しながら、西に西に開拓民が進んだ大自然に囲まれた大地と山々、そして西部劇映画で見る、あの風景。

オハイオに来て10年、トウモロコシ畑に少々うんざりしてしまった私はこの夏、サウスダコタ州、ワイオミング州、ユタ州にあるマウント・ラッシュモア山、イエローストーン国立公園、グランド・ティートン国立公園に行く事にしました。
マウント・ラッシュモアのあるサウスダコタまでは車で行くと2日半くらいで行けそうです。(2500kmくらい)
でも往復で5日の車の旅はちょっとキツイし、時間的な余裕もなくなるので、大西部の旅はパック旅行の参加と相成りました。
大西部のあちこちをゾロゾロと団体さんで行動するのは、情緒半減ではありますが、まあパック旅行というのはそれなりに考えられてコースが作られていると思うので、有名どころの見落としがない、という利点もあります。

4泊5日のコースですが、前泊・後泊があるので6泊7日の日程になります。
出発は2日(日)のAM7:00で、コロンバスからミネアポリス経由サウスダコタ州のラピッド・シティーというところまで。東部時間とは2時間の時差があるので、AM10:30頃に到着です。

AM7:00のフライトという事はAM5:00前には家を出なくてはなりませんので、起床はAM4:00前です。車の旅にせよ、飛行機の旅にせよ朝早く起きて出発するのは慣れましたが、今回は格別に早い出発です。

独立記念日の週とは言え、AM5:45頃のゲートはまだ空いています。ゲートのイスに座ってゆっくりと朝食を摂ります。

フライトは順調で無事にサウスダコタ州のラピッド・シティーに到着です。ラピッド・シティーというのは人口7万人のサウスダコタ2番目の大都会です。
空港は全くのローカル空港で、今までアメリカで見たどの空港よりこじんまりしています。

1階は観光案内所になっており、ここから無料の電話でホテルのシャトルを呼ぶことができます。空港の外で待つこと20分くらい、シャトルがやってきました。乗るのは合計5人だけです。

宿泊するのはラピッド・シティーの中心街の一等地にあるラディソン・ホテルです。ラディソン・ホテル周りには歴代大統領の彫像が置かれてあり、正面のはケネディー大統領です。何故ここに歴代大統領の彫像があるのか、聞くのを忘れました。
ホテルに着いてチェックイン、街の中をぶらついてみます。正直言って何もありません。アメリカではどんなところに行ってどんなに短い時間であっても車がないと何もできないのですが、この日は普段下駄代わりに使っている車がないというのはどんなに不便なものか、久し振りにものすごく実感しました。

丁度お昼の食事時間です。少し歩いてみたのですが、歩いて行ける場所にどこもレストランはありません。恐らく数キロくらいの範囲で車を走らせれば直ぐに見つかるのでしょうが。

仕方なくホテルに戻り、ホテルのレストランで昼食を済ませる事にします。レストランは結構暗いレストランですが、値段はリーズナブルです。
サラザ、パスタ、それにオープンサンドイッチの3品を注文しました。

が、先ずサラダの量の多さに腰を抜かしてしまいました。日本流で言えば間違いなく4〜5人分はあるのです。カミさんと2人でシェアーしてもスゴイ量です。
パスタも直径40cm近くあるお皿にドーン、と載っています。オープンサンドも間違いなく食べきれない量です。

そんな訳で、お昼でお腹が一杯になってしまい部屋に戻ってカミさんと反省しきりでした。
部屋に戻りましたが午後1時半、何もする事がありません。
そこで思いついたのが、ホテルのフィットネス。大食もしたし、ここで運動でもして汗を流すことにしました。

ホテルにはプールとフィットネスルームが準備されており、それなりに楽しめるようになっております。2時間近く走ったり、歩いたり、ウエイトリフティングをやったり、とにかく大汗をかきました。部屋に戻ってシャワーを浴びると最高の気分です。本当だったらここで冷えたビールをグーッとのむのですが、ホテルの部屋には冷蔵庫がありません。1階のバーも閉まっております。

仕方なく近所のスーパーに行ってビールを買ってきました。ついでに夕食も買い込みました。
というのは、利用できるレストランはホテルのレストランしかないし、お昼に食べ過ぎたのでお腹が減らないので、量的に多くを食べたいと思わなかったからです。
そんな訳で第一日目の夕食はホテルの部屋で簡単に済ませるという、私達にとっては珍しいパターンになってしまいました。
ところでサウスダコタってどんな州でしょうか。
面積は日本の本州と同じくらいで人口は何と70万人しかおりません。つまり日本の100分の1程度の人口密度なのです。

空気はカラッと乾き、非常に強い日差しです。統計によると5月から9月までの降水量は0mmです。遠くには山が見えており、大地は赤い色をしています。
オハイオとは全く異なる、雰囲気です。

あんまり深刻には考えたくはありませんが、アメリカを知りたいと思い、随分前に日本のある友人(比較文化論の先生)にそれとはなしに、一杯の席でどうしたらいいのか相談をした事があります。
標高1000mの西部の街、オハイオとは全く違う風景です
「アメリカを知るにはアメリカの歴史を知るのが一番である。
アメリカの歴史、すなわちネイティブ・アメリカン(俗に言うインディアン)を白人がどのように扱ってきたか、これを調べるといい。」

「南北戦争が何故起きたのか、これの前後も調べるといい。
呉々も言っておくが、リンカーンは人道主義者ではない。先鋭的な白人至上主義者だ。」

「アメリカは一つの国ではない。州が群れた7つの国だ。
オハイオはその中の中西部という国だ。これも調べるといい。」


難しい事を一杯言われ、あまり調べていませんでしたが、今回西部を訪れるにあたり、1940〜1900年頃の西部開拓史について少しだけ勉強をしてみました。
ナルホド、でした。
ケビンコスナーの「ダンス・ウイズ・ウルブス」は見たことがありませんが、あらすじは知っています。

ま、難しい話はともかく明日からアメリカ西部5日間の旅です。
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