06−01−18 会社を去る大先輩達
普通、会社員には定年という制度があり、ある年令になると会社を去らなくてはなりません。
かつては海外駐在社員でその任地である現地法人で定年を迎える人と言うのは極めて稀で、大抵の場合は55才くらいまでに日本に戻り、残りの5年とかは日本で勤務して定年を迎えるというパターンでした。

ところが最近は海外勤務のままで実質的に定年を迎えるという人が多くなり、定年の手続きをするために2ヶ月くらい前に日本に帰るという人が増えてきました。そんな中、先週の土曜日にオハイオで定年になった先輩のYさんの送別会がありました。

この人は私が入社した時に隣の職場にみえた方で、オハイオには10年少し、全く違う仕事柄なのでずっと仕事上での交流はなかったのですが、数ヶ月前にある問題の対応でいろいろとやりとりをする機会がありました。
Yさんは1週間後に日本に帰り、3月には定年退職をされます。部下から非常に人気があった方で、送別会の様子からそれが伺えました。

Yさん、私も将来は同じような立場になります。その時はよろしくお願い致します。
もう1人、Tさんという方も2月で定年になられる方で、オハイオ地区の主要なメンバーへの挨拶に先日お見えになりました。Tさんはうんとエライ方ですが、非常にざっくばらんで皆に慕われていました。
私は15年以上前から仕事上での関係があり、最初に会ったのは本社の会議室で私のグループがある大失敗をやってしまい、それの対応をどうするかという大変な会議でした。

その後Tさんはイギリスに転勤、更にイギリスからアメリカ(LA)に転勤となり、その3年後の96年に今度は私がオハイオに転勤になり、いろいろと仕事上関係が出るようになりました。Tさんは正確に言うと定年ではなく、定年+2年の延長をされており、あと1ヶ月で62才になられます。

肩書きからは定年ではなく、退任という言葉を使わなくてはならないのかなと思いましたが社員であるとの事、定年という言葉を使わせて頂きました。
22才で会社に入り会社員生活40年、そのうち22年が海外、更に22年のうち18年が何と単身赴任であったという私の会社でもかなり珍しい存在です。

単身は海外の18年以外に国内の2年もあるそうですから合計20年になるそうです。海外生活が長く、単身生活の長さも普通じゃないというのは知っていましたが、社員に対する講話のお願いをしてあったので、その司会を私がやるかも知れなかったので、経歴を調べさせて頂き、このような事がわかりました。

海外生活20年近くという人は時々いますが、そのうち18年が単身という人はTさん以外に他に知りません。そのうち今日までの15年間が一番長いというか、その殆どを占めてみえます。
「Tさん、これからは再び新婚生活で、奥様と旅行でも楽しんで下さい。」、と申し上げたところ、Tさん曰く、
「今まで24時間ずっと自分の時間、自分で自由に使ってきたけど、これからは違いますからねー、、、。」

夜の全体の送別会の後、ホテルのバーでTさん、Tさんの後任のTさん、オハイオ駐在のKさん、それに私と私のカミさんの5人で飲んだ時、ポツリと言ってみえたのが印象的でした。
私の会社は駐在期間が5年を越えると1年に1回帰国休暇が認められます。私は6月赴任なので6月にその権利が発生します。でもいろいろと仕事の都合があり、6月に帰国できた事はありません。この時ならOKかな?という時期を狙って帰国休暇をとります。

昨年はこれを取る事ができず、とうとう年を越えてしまいました。このままでは今年の帰国休暇に次期が来てしまうので思い切って来週から休みをもらう事にしました。でもいつものように行く寸前に仕事をやらなくてはならないハメになってしまいましたけど。

Tさんは2月5日に帰国をされるそうで、ひょっとしたら本社かどこかでもう一度お会いできるかもしれません。
inserted by FC2 system