05−08−20 禁酒の楽しみ 

今年のオハイオの夏は例年に比較するとかなり暑い日が多く、今月前半は相当なものでした。
気温も高く、それに湿気も日本ほどではありませんがかなり高かったのです。ところがここ数日、日中はともかく朝夕は涼しく、20℃ちょっとまで下がるようになりました。
マリーゴールドの奥にあるのがピーマン
フロントヤードに作った花壇に植えた花、玄関先に植えた花、それとついでに玄関先に植えたピーマン(!)もすくすく育ち、花はきれいな姿を見せてくれ、そしてピーマンは私の胃袋に順調に納まっています。
夏ももう少しで終わりかな、という雰囲気も出てきました。

ところで禁煙を始めて1年1ヶ月、実は禁煙開始に少し遅れて禁酒日も設け、これも実行しておりました。
頻度は最低1週間に1日、普通は週2日と決めております。
日本とかへの出張期間を除き、大体95%くらいは守れています。(禁煙は100%です。)

ここ何十年間、病気で寝込んだ時以外は1年365日、欠かさず液体燃料の注入・摂取は継続しておりました。
ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、テキーラ、ワイン、ドブロク、etc。

禁酒日を設けた最初の理由はいろいろとありますが、やはり最大の理由は健康でした。何も障害が出ていないうちに禁酒を習慣付けておいた方がいいだろうと思ったのです。

会社から帰ってきてシャワーを浴びて、その後食事のオカズをつまみながらの一杯は最高です。ところが禁酒日はテーブルにつくなり「さてと、食事をするか。」となります。
カミさんは大喜びです。いつまでもダラダラとテーブルの前に座って燗をしろとか、氷持って来いとか、別なグラス持って来い、とかがないからだと思います。

食事はあっという間に終わります。食事の後はテレビを見たり、PCの前に座ったり、本を読んだり、地下室で秘密の工作をしたりします。飲んでいないため身体がしゃきっとしています。身体がだらっとなっていませんから、工作をしても怪我をしません。

禁酒日は寝つきが悪いのではないかと心配しましたが、それも全くありません。いつものとおり、ぐっすりと眠れます。

禁酒日は月曜日と火曜日の連続2日間と決めてあります。同じ週2日でも隔日ではなく、連続する事が大切だそうです。月曜、火曜にお付き合いがあると1日になる事もあります。2日ともお付き合いになった場合は水曜日にします。

ですから他の人から月曜・火曜に誘われるのはちょっと引っかかるようになりました。「オレのスケジュール壊すなよなー、、、」、とブツブツ言うようになりました。
お付き合いに行っても、飲まなけりゃいいのでしょうが、なかなかそうもいかなくて。他の人が飲んでいて、私だけが飲まない、これだけはまだできません。

ここから本音を言います。実は禁酒日をスターとしてから、楽しみが増えたのです。
それは何か?「飲む楽しみが10倍くらいになった。」のです。

別な言い方をしますと、「昨日も飲まなかった、今日も飲まなかった、でも明日は飲めるぞ。」という期待と、3日目なって、「さあ、今日は飲んでもいいぞ!」、という晴れ晴れした言わば、首輪を外された犬の気分(私は犬じゃないけど、何となくわかります)、それに「一応、自分で決めた事は守ったゾ。」という達成感でしょうか。
10分で作った、液体燃料のつまみ
たった2日間ですが、禁酒日の翌日の水曜日、自宅につくとウキウキします。今はTEMP(一時的)単身なので、鼻歌交じりで台所で酒のツマミの料理を作ります。

作ると言うより、電子レンジと包丁を使って、出来合いのモノを皿に盛る、と言った方がいいかも知れません。

とにかく水曜日の夕方、家に帰るために会社から車に乗ってから、飲み始めるまでの1時間半くらいの間、ウキウキした気分になるのです。

本当に不思議です。こんな風になるなんて、想像もしていませんでした。
そして最初の一杯を口につけて、飲む時にその感激は頂点に達します。

禁酒ではありませんが、イスラム教では断食というのがあります。
イスラム教徒はみんな厳しく守るそうです。実は断食のもう一つの理由は、断食後の食事が格別で、これを味わうために断食をする、というのを雑誌で読んだ事があります。

その時は、フーンという感じでしたが、自分が禁酒をして禁酒明けの日に味わうあのルンルン感、ひょっとしたら相通じるものがあるかも知れないと思うようになりました。

イスラム教徒の知り合いが一杯いる、現在タイにてある会社の駐在事務所長をしているSさんに、一度聞いてみようと思います。

そうそう、Sさんと言えば先日ある金融機関のかなりのエライサンのMさんが、日本からSさんにメールで質問していましたっけ。

「アラーの神様の信者が間違って豚肉を食ったらどうなるのか?酒を飲んだらどうなるのか?百叩きの刑にあうのか?間違って食べた場合、どうなるのか。教えてケロ。」

Mさんえらいストレートな質問をするなー、と思っていたらSさんは間髪を入れず下記のような返事を送っていました。

食べ物の忌諱は単に豚を食べないと云うことではなく、鶏や羊の肉でもHalalといって教理に則って屠殺したものしか口にしません。最近は日本でもあちこちこのHalalの店が出来ているようですね、出稼ぎに来た人達用でしょうか。

又、肉は教理に適っていても包丁、まな板などが異教徒のものと共有ではダメです。従って中華料理店に入って野菜炒めを食べることもご法度です。
私のインドネシアの友人は豚を食べてもどうと云うことは無いと思うが、小さいときからの習慣で口に入れるのはどうしても気持ちが悪い、と云っていました。

又日本に来ているパキスタン人は弟に、どうも今日食べた料理の中に豚肉が入っていたような気がする、オナラの臭いを嗅いで見てくれと云っていました。豚肉を食べるとオナラの臭いが変わるそうです。

知らないで食べた場合は毎日のお祈りの際に許しを乞うようです。

アルコールもインドネシアですとメッカからかなり離れているので見つからないのでしょう、呑んでいる人も居ます。オナラの兄弟も我が家に来るときはビール持参で一緒に遣ります。

教義では戒律を守って天国に行くとそこには美女とご馳走、それにいくら飲んでも酔わない美酒があるそうです。
天国にあるものが悪いわけ無いと思いますが、、、、、、、。
ウーン、そうかやはり人間の世界だなー、と思いました。

ここオハイオにも俗世・文明から距離を置き、自然の中で生きる事を信条とし、自らを厳しく律しているアーミッシュという人たちがいます。
当然車にも乗りません。車の代わりに馬車に乗っています。この人たちも非常に厳しく規律を守っている人たちと、我々俗人とあまり変らない生活をしている人たちと、様々だそうです。

やはりもの事は画一的に見たり、判断をしたりしてはいけないようです。ところでアーミッシュの人たち、お酒はもちろん飲みません。但し、ワインは飲みます。
神父さんもお酒は飲みません。でもやはりワインは飲みます。それぞれ理由は同じです。つまり、ワインは食事の一部だからだそうです。
私にとってワインは立派なお酒です。バリバリの液体燃料です。月曜と火曜はワインも飲みません。

1週間に2日の禁酒。最初の目的は健康でしたが、今やもっとおいしく液体燃料を摂取するためという、「高度な目的」に変わってしまいました。

新しい世界を発見しますよ、禁酒日を設けると。
inserted by FC2 system