05−05−20 カルロス、さすがいいプレーです
私の隣の職場にKさんという方がいます。Kさんはよく見ると、我々とはちょっと違う体つきをしています。均整が取れて入る感じで、何かやっているなーと常々思っていました。

何かの話の中で、やはり彼は会社の野球チームの選手(いわゆるノンプロの選手)で、日本にいた時は94年の都市対抗戦で優勝したときの我が社の選手でもありました。

そのKさん、今は現役を引退してオハイオに駐在社員として来て頑張って見えます。

Kさんは今は野球をやっていないかというと実はコロンバスの、ある地域リーグのソフトボールの選手、しかも2つのチームのレギュラー選手なのです。

「Kさん、じゃここのアメリカ人の連中をしごいているの?」
「イヤー、それがですね、しごかれています。ソフトボールと言っても日本のソフトボールより2まわりくらい大きな球で、しかも堅いのです。これを90mのホームランラインまで、アメリカ人は力任せに、打つのですからすごいですよ。」
「エー、ソフトボールで90mのホームランライン?!!」

随分前に中学生とか高校生の野球は見たことがありますが、大人のソフトボールは見たことがありません。そこで今週の水曜日、さっそくKさんの試合の応援に行くことにしました。

Kさんに試合のスケジュールと場所を教えてもらうと、今週の試合は夕方の6時20分から7時20分まで。チームは会社のR&Dのメンバー主体のチームで、なるほどユニホームの胸には会社のロゴが入っていました。

夕方5時45分、早めに仕事を切り上げて、グランドに向かいます。グランドは#15とあります。エー、15面もグランドがあるの!そんなところあったけ。
Kさんの送ってくれた地図によると、5面とか10面の野球グランドがある公園(?)がそれこそコロンバスにはウジャウジャあるのです。

これには驚きました。しかも行ってみてびっくりしたのは、バックネットとかナイターの設備もきちんとあり、結構いいグランドな事です。

#15の横に車を止めて、選手の集団のところに行くとKさん、おりました。実はKさん、Calros(カルロス)というニックネームで呼ばれています。

更に驚いた事に、選手の中にオハイオ人のTAさんがいたことです。
TAさんはある部門の課長(マネージャー)をやっていた人で、仕事で今でも時々関係のある、40才くらいのオハイオ人です。

「SHIN、今日は何しに来たの?今日はうちのチームのコーチやってくれるのですか?」、と彼もびっくりしていた様子でした。

試合前の送球練習、最初に感じたのはやはりオハイオ人達の肩の良さです。
でっかいソフトボールをレフトからファーストまでビュンビュン投げます。日本のソフトボールとは全く違う感じです。

Kさんの守備はセンター。守備の身体のこなし方とか、送球フォームは、他のオハイオ人との比較自体がナンセンスです。さすがです。すごいです。

7時20分きっかり、試合開始です。
我が方の応援は私と、10分ほど遅れてきたWさん、それにオハイオ人の女性2人。多分誰か選手の奥さんか彼女かな?でもこの2人全然応援しないで、ペチャクチャおしゃべりばっかりしていましたけど。

ちょっと変わっているのはそのルールで、まず1ストライク1ボールから始めます。次に2ストライクの後のファールはそれでアウトです。
ピッチャーのボールは肩の高さだったか、ピッチャーの身長だったかの高さより、高いボールを投げなくてはいけません。つまり大きく円弧を描いた、いわゆる「しょんべんボール」を投げなくてはなりません。

これらのルールはどういう事かと言うと、とにかくバッターは打たなければならない、また打てるように投げなくてはならない、そして1時間という限られた時間内でゲームを、「楽しむ」、というところに重点をおいているのです。

それにしてもオハイオ人達の力まかせのバッティングはスゴイ!!
今回はホームランは出ませんでしたが、重いソフトボールを90mのホームランゾーン近くまで、バンバンかっ飛ばします。

外野選手は拾った球を力まかせにファーストとか、ホームまでビュンビュン投げるので、これも見ていて楽しい。

日本人のカルロスことKさんは無論、オハイオ人のTAさんも打ってよし、守ってよしでなかなかのものでした。
Kさんがバッタに立ったとき、相手チームから、「ICHIRO!!!」、という声援が上がっていましたっけ。
6時20分きっかりに始まった試合、7時15分に終了。試合の結果は残念ながら10対6で我が方の負けでした。やはりみんなちょっと残念そう。

試合の後は、みんなでバーに行ってビールを1ー2本飲んで反省会をやり、そして帰宅だそうです。
既に夜の9時頃まで明るいオハイオ、何と健全な生活を送っているのか、ちょっぴり羨ましくなってしまいました。
最近思うことに、出勤をして8時以降に日本に電話を掛けると(日本の夜の9時以降)、多くの場合大抵の人はどこかで一杯やっており、そこに電話が繋がります。周りがワイワイしており、第一本人も酔っぱらっているので、込み入った話が出来ない時があります。ですからなるべく早くか、自宅から電話を掛けるようにしています。

じゃ、日本の朝の出勤時を捕まえようとすると、みんな出勤が9時ー10時頃なので、今度はこちらが夜の8時以降まで待たなくてはなりません。
そう言えば、私も日本にいたときは、朝遅く、夜はよくみんなで飲んでたなー、、、、。

それぞれの国には、それぞれの生活習慣・パターンがあってどちらがイイとかは一概には言えないと思います。

朝の7時30分には職場に入り、定時で午後4時、遅くとも夕方の5時か、5時半には仕事を終わって、こうやってソフトボールを楽しんで、そして1本だけビールを飲んで、家に帰る。

健全さで言えば、オハイオ人に軍配が上がります。

更にこの日の試合を見ていて驚いたのは、「ヤジが全くない事」、です。それよりも相手のいいプレーを見て、声援を送るのです。
このヤジがない、というのは本当に見ていて、気持ちがいいものでした。

日本だとヒドイ時は、相手の選手が失敗をしたりするとヤジ。いいプレーをしてもヤジ。何をしてもヤジ、ヤジ、ヤジ。これと比較すると非常に対照的でした。

何十もあるグランドが市民のチームで、しかも毎日埋まるというのは人口の比率から言うと、スゴイ人数のオハイオ人がプレーを楽しんでいる事になります。明らかに日本人とは違う生活パターンです。

ま、難しい話はとにかく、オハイオ人のメンバーに溶け込んでいるKさん、素晴らしかったですよ。私は試合に参加はムリだけど、よし、これから時間のある時は気分転換にKさんの応援に行こう、、、、、。
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