05−03−20 オートショー・コロンバス、2005

コロンバスは田舎、という私のPRのせいでしょうか、「地の果ての、しかも田舎での生活、本当に大変ですね。」、というメールを時々頂きます。

実際は毎日の買い物とか、一般的に生活するために不便を感じることは先進国ですからあまりありません。
慣れてしまえば、住めば都になってしまいます。

コロンバスは人口約100万人の州都で催し物も多く、地元密着型のものから全米規模のものまで様々です。
その中の一つに、コロンバスではオートショーが毎年行われております。
アメリカのオートショーと言えば、デトロイト、ロスアンゼルス、シカゴ、ニューヨークが有名で、日本では東京モーターショーが晴海(ふるーい)、モトイ、今は幕張メッセでやられています。

オートショーというのは世界中あちこちで行われており、私はジュネーブのオートショーに行ったことがあります。

これはたまたまスイスに出張中の時で、会社をこっそりさぼって行った訳で、東京もシカゴもデトロイトも残念ながら行ったことがありません。

コロンバスのオートショーは毎年、「チケット要りますか?」、と言われており行こうと思えば何度も行く機会がありましたが、いつも何か都合が悪く、「誰か他の人にあげて下さい。」、という事で行った事がありませんでした。
今年は時間の余裕もあったので、オハイオに来て9年目、やっとコロンバスオートショーに行ってきました。

場所はコロンバスのダウンタウン、私の家から車で20分くらいのところです。自分の家から車で20分のところでオートショウをやっている、オハイオ・コロンバスって都会じゃん。

服を着替えて、車に乗り込みエンジンをかけて家を出ます。日曜ですから道路は混んでいません。のんびりと運転して会場のコロンバスコンベンションセンターまで。

会場はコロンバスダウンタウンのど真ん中にあります。ダウンタウンのど真ん中とは、一番の繁華街と思えばいいと思います。

コロンバスは一番の繁華街でも、駐車場に困ることは120%ありません。日曜でも何時間駐車しても5ドルの駐車場がいくらでもあります。

逆に言うと、車以外ではダウンタウンに行くのは難しいと思った方がいいかも知れません。
とにかく、家を出て20分後には会場の近くにたどり着いています。

時間は朝の11時ちょっと過ぎ。
大オートショーが行われているというのにダウンタウンは静かなものです。
犬を連れたオバサンが散歩をしています。

大きなビルがいくつも建っていますが、コンベンションセンターは確か、、、、あのビルだと思ったけど、、、、。すれ違った学生風の若者に、「コンベンションセンターはどの建物だっけ?」、と聞くと、その肌色の建物ですよ、と教えてくれました。

建物の入り口から入りますが、10人程度の人がブラブラ一定の方向に歩いて行くだけで、大オートショーが行われているという雰囲気はどこにもありません。

おかしいナー、と思いつつその10人の群れと一緒に歩いていくと会場にたどりつきました。
何が言いたいかと言いますと、これくらいのんびりしているのです、オハイオ州コロンバスオートショーの入り口は。

会場は思ったより広く、各メーカーごとに趣向を凝らして車を展示しています。
ビッグ3を始め、日本のメーカ、それに最近が進出著しい韓国のメーカもかなりのスペースを占めて展示をしています。

会場の特徴は2つ。
一つは非常に静かなこと。あれこれマイクを使っての説明・音楽が殆どないこと。
ですから会場全体が、シンとしているのです。

それともう一つ。
展示はいろいろと趣向を凝らしていますが、コンパニオンの女の子が一人もいないこと。どこにもおりません。何人かカタログとかを配っている子は見掛けました。車の写真を撮ろうと思ってカメラを構えた時に、たまたまレンズの範囲に入ったりすると、あわてて逃げていきました。

ですから雑念なしで、車の観察に集中できます。

会場の各メーカーが占める面積と、そのれらのメーカーが占める実際の販売の面積を概略ですが見当をつけてみました。

日系メーカ全体でのアメリカでの販売比率は30%くらいです。
この会場での専有面積は確実に30%を超えており、しかも一番いい位置をT社、N社が占めておりました。

それにアメリカ系のメーカは乗用車の展示が殆どなく、ミニバン・SUVが殆どを占めておりました。
オハイオで生活をしていますと、乗用車よりも、荷物をたくさん積める車が、一家に一台は必要であることを痛感します。

ショーに見学に来ている人を見ていますと、日曜日という事もあり、Gパンと運動靴(スニーカーともいいます)で、頭には野球帽という姿の人が殆どと言っていいくらいでした。

それとアメリカ、日本の各メーカーとも最新のテクノロジーを宣伝するとかはしないで、現在はこんな車がありますよ、というかなり控え目なPRに終始していたのが印象的でした。

ですから今後の自動車業界の勢力地図を塗り替える、省エネ車とか、リサイクル環境保護型の車とかの宣伝は皆無でした。アメリカの田舎オートショウとは言え、各メーカがしのぎを削っている世界が全く出ていないところは不思議な感じがしました。

アメリカでは一般庶民に対しては、省エネはその会社のPRの材料にはならない、とある人が言っていましたがそのとおりだと思いました。

私の会社でも、資源の問題とか、リサイクルの問題とか話題に上る事はありますが、アメリカ人の反応は驚くほど鈍く、また関心の低さに驚かされます。

一人の人を運ぶために6リッターのエンジンを積んだ車を走らせ、それdそれで子供を学校に送り、買い物に行き、あるいは通勤に使う。

昨日ガソリンスタンドでガソリンを入れたら、とうとうレギュラーで2ドル15セントになっていました。
リッターで言いますと、50円以上になりました。

リッター5kmも走らない車で、走る距離は日本の2倍から5倍。
そして電車も地下鉄もバスもないアメリカ。車しか移動手段のないアメリカ。

ガソリンがどんどん値上がりして、今ではもう値下がりをするという材料が全くなくなってしまいました。
アメリカの社会というのは、いつになったら。「省エネ」、という事を真剣に考える事を始めるのでしょうか。
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