04−10−09 カボチャだらけ
平日の会社での私は、分散している事務所を行ったり来たりする必要があるので、通勤以外にしょっちゅう車の運転をします。と言うのは、私の担当する部門は大きくは3カ所に事務所が分散しており、1日中同じ事務所にいるというのは希なのです。事務所はそれぞれ2km、12kmとかなり離れています。

今週の月曜日から金曜日までは、毎日本当にイイお天気が続きました。ですから車での移動も気分爽やか、快適でした。特に12km離れている方の事務所に行くときは、とうもろこし畑の中を、走って行きますので、季節感一杯です。
広大な畑のトウモロコシは刈り入れも終わり、緑一色だった木々は紅葉の黄色と赤が混じり始めています。

気温がグングン下がり、身が引き締まるようになるオハイオの秋。
今週の朝の気温は、とうとう0℃になりました。

更に秋が来たなー、と思わせるオハイオの風物詩はやはりハロウイーンのカボチャでしょうか。
あちこちの家の玄関先で見掛けるようになります。

秋から冬にかけては、10月のハロウイーン、11月のサンクスギビング、そして12月のクリスマスとオハイオ人達をウキウキさせる行事が続きます。

その最初のイベントがハロウイーンでです。
今日は午前中ライマ(Lima)というオハイオ州の北西にある町に用事があり、その帰りに農家の納屋でパンプキンフェスタ(カボチャ祭り)を見つけたので、ちょっと立ち寄ってみました。
場所は、納屋を改造して普段は野菜とかを売っている農家直営のお店。と言うか、やっぱ、どう見ても唯の壊れかけた納屋の野菜直販所。

ここは以前から知っており、2−3年前にトウモロコシを買った事もあります。
今日は近づいて見てびっくり。

正面の空き地には30台近くの車が駐車されており、納屋の前にはカボチャが山積みされているではありませんか。

アリャー、車を停める場所がない!でも心配無用。ここはオハイオ州です。
納屋の裏は、先が霞んで見えないくらい何キロも続いているトウモロコシ畑。

裏に回って難なく、駐車スペースを見つける事ができました。
ここにも20台くらいの車が駐車されていますから、今日はこのお店、大盛況です。

納屋に近づくと、確実に直径60cmはあるカボチャから、直径15cmくらいの小さなカボチャまで、あちこちに並べて売られています。でもよくもまあ、こんなに大きく育つものです。
幼児にゲームをさせている小学校5−6年生の男の子
でも、カボチャって食べる野菜じゃなかったけ?
そうです、アメリカではカボチャは食べる野菜であると同時に、中をくり抜いてロウソクを入れて飾る、ハロウイーンに欠かせないオブジェなのです。

ハロウイーンは小さな子供にとって楽しみな行事で、それは仮装をして近所の家を回ってお菓子をもらいます。
これは田舎、都会を問わずアメリカ、カナダでは大きな行事になっています。

そんな訳で、今日は小さな子供を一杯見掛けました。そして納屋の横では、これらの子供にちょっとしたゲームとか、カボチャにお絵かきをさせたりして遊べるように工夫がされておりました。

お絵かきは5才以下は無料、5才以上は50セント(50円くらい)と書いてありました。野菜直売店の農家の人が、客集めのために工夫をした、近所の村人へのプレゼントでしょうか。
ここでふと気になった事があります。それは子供たちの世話というか、ゲームをやらせたり対応をしているのがやはり子供なのです。
就学生くらいの女の子は玉入れのゲームをやらせていました
小学生の高学年から、中学生くらいの子供が、5−6才くらいの子供を相手にゲームをやらせたり、いろんな事をやらせたりしているのです。
もちろん5−6才の子供の親は傍についていますが、それを横でニコニコしながら見ているのです。

アメリカでは中学生くらいの子供が、小さな子供の面倒をみるのは非常に一般的で、女の子も中学生くらいになるとベビーシッターとかをやるため、幼児の扱いに自然と慣れていくようです。

さて、振り返って日本ではどうでしょうか?
日本の中学生の女の子で、5−6才の子供の面倒を見たり、遊ばせるという経験をしている子は何人くらいいるでしょうか。

先ずアメリカに比べて今の日本は、兄弟の数がうんと少ないので、兄弟・姉妹同士で面倒を見る機会も減っているし、小学生も塾とか習い事に精を出すのが一般的ですから、「年下の子供と遊ぶ。」、という機会もアメリカに比べて少ないと思います

それに日本では何かの行事をやるときは、やはり大人中心でやってしまいます。
子供会というのもありますが、きちんとした役割を与えてやらせる、という発送はあまりありません。

アメリカの中学生くらいの女の子はベビーシッター等の経験によって、子供の扱いにある程度慣れている子が多いそうです。
小さな子供はどんな時に、何をするか、というのを自然に身に付けている子が多いそうです。

そう言えば何かの本で、日本の母親で育児ノイローゼが昔に比べて多くなったのは、自分が子供を産むまでに子供に接したことがない、というのが原因だ、というのを読んだのを思い出しました。

納屋の中は、ハロウイーン用のカボチャ以外のいろいろな野菜とか、果物も売っております。
「オハイオ産のリンゴ」、とデカデカと書いて売っておりましたが、青くて小さなリンゴで、あまりおいしそうには見えません。
ところでこの大量のオレンジ色のカボチャ、本当に食べられるカボチャなのかなー?聞いてくるのを忘れました。
オハイオは田舎州と言っても、私の住んでいるのは人口100万人のオハイオの州都コロンバス。今日行った野菜直売所のあった付近は、コロンバスから100km以上離れた本当の田舎。

人口1000人とか2000人の村が点在するだけで、あとは見渡す限りトウモロコシ畑があるだけです。
このような町に住んでいる人は毎日どんな生活をしているのでしょうか。

1個50セント(50円)のカボチャを3−4個買って行く人、野菜とかリンゴを7−8ドル(800円)買って行く人、一杯10セント(10円)のリンゴジュースを飲む人、それぞれ買った物を車に積み込んで、嬉しそうに帰っていきます。

村の家を見れば農家ばかりではなさそうですし、いわゆる勤め人の方がうんと多いはずです。

勤めの帰りにちょっと一杯、という習慣は皆無で、2次会に行ってカラオケ歌って、、、、なんていう日本のサラリーマン(日本でも一部のサラリーマンだけですが)の生活なんて、彼等にとっては人間の世界ではないでしょう。
見ていて実に質素で、そして健康的です。

オハイオ人の家は一般的に、外観は古くても内部は実に快適で、そして清潔です。庭の芝生もよく手入れがされている家が多いと思います。つまり多くの時間をこのような仕事に割いているのが、一目瞭然です。

たまにこのような田舎に来て、そこに住んでいる人達、そして住まいを垣間見ると、「生活パターン」、ちょっと大袈裟ですが、「生活に対する価値観」、が全く違う事を痛烈に感じざるを得ません。

オハイオ人から学ばなくてはならない事が、ここにありそうな気がしております。
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