04−07−04 カナディアンロッキーと日本人
憧れのカナディアンロッキー、行く前の日曜日に芝刈りをしているとお隣のSさんが近寄ってみえました。
「カナディアンロッキー、よかったですよ。」
「私は5泊6日でレンタカーでまわったのですが、ちょっと時間が余りました。娘達が歩くのを嫌がりましてね、、、。」
「とにかくどこへ行っても日本人だらけでした。」

やっぱりそうか。話には聞いていましたが、Sさん丸い目を益々丸くしておっしゃってみえます。

「どこのレストラン、ホテルに行っても日本人の従業員がおります。それぞれの観光地にいる3分の1は日本人じゃないでしょうか。」

うーん、3分の1が日本人!
そんな観光地は北米の中では見当らないのではないでしょうか。

とにかくSさんの言葉を頭に残し、行ってきました、カナディアンロッキーへ。
まずコロンバスからシカゴへの飛行機、小さなジェット機で50人ほどの乗客に日本人は私とカミさんだけです。

この便は日本へ行くときに利用する便で乗り慣れています。シカゴで今度はカルガリー行きの便に乗るために、ターミナルHへ行きます。

するとここの待合室、20人ほどの日本人の団体さん。胸にJXXのバッジをつけています。言葉から想像するに関西地方のようです。
添乗員とおぼしき女性が、

「みなさん、パスポートの準備をおねがいしまーす。」
とか言ってお客の間を回っておりました。しばらくすると更に、もう一つの団体さん。ここで既に30人を超える日本人の群れです。

やっぱり多いナー。やがてカルガリー行きの飛行機に乗り込みます。
この飛行機も150席がほぼ満席で、大体日本人が40人以上。もうこれだけで、はっきり言ってかなり異常です。

カルガリーの空港でのカナダへの入国手続きの行列、その後は旅行会社の手配してくれたバスに乗ってバンフのホテルまで。

バスには15人くらいの日本人が乗っており、それぞれの宿泊のホテルで順番に客を下ろして行きます。
ホテルの入り口では既に旅行会社の案内人が立っており、チェックインのお手伝いをするようです。
こうして最後に残ったのがTさん夫妻と私達の4人。バンフの町のはずれにあるバンフスプリングホテルへ。すごいホテル!
私はこんなホテル今まで泊まったことありません。(普通の日本人の皆様にとっては常用レベルのホテルでしょうが)このホテルはエリザベス女王とか、アメリカの女優のマリリンモンローも宿泊したそうです。

マリリンモンローが宿泊した時に、彼女ちょっとしたケガをしたそうで、その時に誰がマリリンモンローを担ぐか、誰が世話をするかで従業員同士でケンカが始まったそうです。

それはともかく、いくらなんでもこんな立派なホテル、日本人は多くないだろう、と思ったら大間違い。

日本人だらけなのです、ここが。
そして驚くなかれ、カウンターの半分が日本人専用なのです。ヒェー!参った、参った。

朝食のレストランなんか、確かに3分の1近くは日本人と言った感じ。
それに加えて、何と、ご飯と味噌汁、漬物のバイキングの朝食が準備されているいるのには更にびっくり。
私もちょっとだけ食べてみました。味は?ウーン、1ヶ月くらい日本食を食べていない状態だったら問題はありません。

コロンビア大氷原の観光。本当は大氷原ではなく、その先端の一部を見るだけですが、雪上車でに約40人くらいが乗って行きます。
乗っているのは半分が日本人。
ですから説明案内は行きは雪上車のドライバーによる英語、帰りは我々のグループの日本人ガイドによる日本語。
カナダの山奥で、「右に見えますのは、、、、」、という日本語の案内で、ツアーができました。

更にジャスパー国立公園内のマリーン湖での遊覧船の観光では1隻丸ごと日本人、その数56名。
湖のほとりの土産物屋も日本人でごった返しておりました。

お隣のSさんの言う、「3分の1は日本人」、は大げさでも何でもないとここで完璧に実感。
湖の辺のベンチでは純日本風の幕の内弁当を食べている団体さんも見かけました。

白人はアメリカ人なのか、カナダ人なのか見分けがつきません。
これらの人達もツアーで団体がいますが、大型バスでドーン、というスタイルは殆ど見掛けませんでした。
大体がマイクロバスで、多くても20名とか言う感じでした。

肌の色でわかる東洋人は日本人以外に、韓国人それに中国人(台湾?)が目立ちました。
韓国人の乗るバスはピカピカで、バスの横にはハングル文字で何かが書かれているので直ぐにわかりました。このバスは運転手も韓国人でした。

「韓国人も、台湾の人もお金持ちになってこうやってカナダまで観光に来るようになったのですね。」
私が何とはなしにガイドのNさんに質問をしてみました。

「はい、でもこれらの人と日本人観光客の違いは、はっきりあります。」
「みなさんバンクーバーまでは自分の国の飛行機で来るのですが、その先カルガリーまでの国内線が高いので、乗りません。バンクーバーからバスで15時間揺られて来てみえます。」

「宿泊はバンフとかの町の中のホテルには泊まりません。これらの町から30−40kmくらい離れたところの小さな町のモーテルに泊ります。1泊50ドル以下でいくらでもありますからね。」

成る程、そういう事か。
極めつけは4日目にジャスパーの町に行った時です。
この日の昼食は各自で自由に摂るという事なので、やはりガイドのNさんに
「どこかお勧めのところはありますか?」
ちょっと尋ねてみました。

「ええ、いろいろとありますが、日本レストランもありますよ。」
「えーっ、ホント?」

Tさんの奥さんが目を輝かしました。で、4人で「伝次郎」という、その日本レストランへ行って、握り寿司のコースを注文。
カミさんとTさんの奥様は目を細めてお茶をすすっておりました。

ウエイターの若い男性に、ここには日本人は何人くらい住んでいるのか聞いてみました。

「家族で住んでいるのは2家族、ワーキングホリデーで来ている人は多分20名くらいだと思います。」

人口数千人のジャスパーの町にも日本人が住んでいました。カルガリーバンフを中心とした所で日本人ガイドは約250名いるとのこと。
「今頃から8月一杯250人が毎日フルに稼動します。」

空港への送り迎えにもガイドさんが行き来するとは言え、一体何人の日本人が毎日来るのでしょうか。
これらのガイドさんを使わないで自分でレンタカーで観光地を回る日本人も極く少数います。

カナダに駐在している私の先輩のTさんも私とほぼ同じ時期に、トロントからここに来ており、夜ホテルから電話をして話をしました。
日本から来た娘さんと合流しての観光でした。

再びお隣のSさんの言葉を思い出しました。
「3分の1は日本人。」

私の実感としても間違いありません。
むしろお金の使い方はひょっとしたら全体の観光客の半分以上は絶対にいっている感じでした。

だってみんないいホテルに泊って、すごい高価なお土産をバンバン買っていましたから。

とにかくカナディアンロッキーは日本人に人気のある観光地には違いありませんでした。

オハイオには山と氷河はないけど、湖と森林の美しさは結構いけるところだけどなー、、、。でもオハイオ人は観光接客業には絶対に向いていません。無粋なドイツ系の田舎者の集団ですから。
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