04−05−29 ベルビルのアンティックショップ
モヒカンステートパークへ行く途中、ちょっと小奇麗な町を通過し、帰りに見学をしてみようという事に決めてありましたので、予定どおり車を止めてぶらつく事にしました。
本当に小さな町で、メインの通りは数百メーターくらい、恐らく人口は1000人かそれくらいだと思います。
典型的な田舎の村です
小さな町ではありますが、Hさん曰く、
「荒れた感じがしない。」町です。

車を裏通りの駐車場に止めて、表通りにでます。典型的なオハイオの田舎町です。人通りも少なく、恐らく東洋人が町をぶらつくなんて1年に1回もない所だと思います。
明日のここの朝刊には、「怪しげな東洋人3人、我が町を偵察か!」、と第一面を飾るトップニュースになっているのは間違いがない、などと冗談を言いながら町をブラブラ。
通りには幾つのもお店がありますが、ふと目に入ったのがアンティックショップ。

アンティックショップと言うのはどんな小さな町にも1軒はあり、それ以外にも日本ではちょっと想像もできない大規模な店が、あちこちにあります。
これらの大きなお店になるとちょっとした体育館くらいのスペースがありますから、ゆっくりと見て回るだけでも相当な時間がかかります。というより30分や1時間では回りきれないのが普通です。

入り口は扉一つでそれに小さなショーウインドウ。まあ、こんな小さな町のアンティックショップだから、大した事はないだろうと思いながら入ってみる事にしました。
アンティックというのは「古い」、「希少」という条件にプラス次の5種類があると思っています。
中は予想外に広かった
実用品としての機能をきちんと残しているもの
(家具、食器、レコード、楽器、服その他家庭用雑貨、ラジオなど)

機能自体はもともと重要ではなく基本的にオリジナルのコンディションを維持しているもの
(絵画、その他装飾品など)

・ 実用品としての機能は既に失われているが、装飾品等として使用するもの。
(錠前、馬蹄、楽器、その他西部激に出てくるような品物など)

・ 何でこれがアンティックで、こんな値段がするのか意味不明なもの。
(釘、使い古した昔の下着、バケツ、その他クビをかしげるものが多い。)

・ 殆どコレクターアイテムで、興味のない人には全く価値のないもの
(1930年代のまだ栓を空けていないコーラ、使用していない調味料、昔のおもちゃなど)
1200ドルのテーブルと椅子!
そのジャンルはものすごく広く、世の中に存在した全ての物が対象と言っていいと思います。

アメリカには、エジソンの発明した録音機とか(非常に高価で数百ドル以上)、それで再生する音楽を録音した銀筒(何と言うのか正確には知りません)のまだ使用していない新品なんかがあるのには驚きます。

さて、店に入ってみると、カウンターにオバさんが座っており、その周りにちらほらと古いソファーとか、人形が置いてあります。

やっぱりなー、こんな田舎だからこの程度だよな−、と思っていたらHさん、何やらオバさんと話しています。するとそのオバさん、奥にもいろいろありますからどうぞ見て行って下さい、みたいな事を言います。

右に曲がって奥をのぞくと、幅は広くはないのですが奥行き20m以上の部屋があり、物で一杯。こりゃ、スゴイ。そんな訳でカミさんとHさんと3人で店の中の物を順番に見学を始めました。
驚いた事にこれ以外に、更に奥に2部屋、横に3部屋あって本当に広い。これらの部屋は店の人は誰もおらず、万引き対策は皆無です。
綺麗な置物です
もしこれが私一人とか、男2−3人だったら、かなり警戒されるのでしょうが、女2人を連れたオジさんだから店の人も安心したのかも知れません。

本当にいろいろな物があります。カミサンは1960年頃のバスクリンか何かの未使用品の入れ物が気に入ったとかで、これを買っていました。1ドル。

HさんはXXXXというお皿を3−4個。これは1950年代にはどこの家庭でも使っていた物なのですが、ナゼか今結構な人気があるらしく、日本でも話題になっているとのこと。〆て4ドルだったかな。

私も気に入った小さな油絵があったので、買おうか迷いましたが結局買わずじまい。15ドルでした。
アンティックというのは、やはり普段から十分に研究をしておかないとダメだな−と思いました。アメリカではいろんな雑誌とか本が出ていて、情報はものすごく豊富なようです。

ここに置いてあった品物で、私がその評価で絶対に自信があるものが一つだけありました。
古いラジオに使う真空管です。箱を見ると1950年製、未使用の新品。値段は1本5ドル。ウーン、世の中で取引されている値段、そのものズバリでした。
もう一つは3ドル。これも標準価格。何で、普通のアンティックショップに真空管があるのか不思議ですが、値付が正確なのには驚きました。

つまり他の物も恐らく時価できちんと値付けされている印象を受けました。カミさんとHさんはそれぞれお気に入りのものを手に入れて満足そうでした。オレもあの絵、買っとけばよかったかな?。
アンティックショップでの買い物に大枚をはたいた2人(それぞれ1ドル:100円、4ドル:400円)を乗せて再び帰路につきます。
向こうの道路がこの村のメインストリート
町のはずれに差しかかったところで、何やら人だかり。白い馬車が見えます。急遽車を止めて、私だけが見に行きました。
馬車の後ろには正装をしたおじいちゃんとおばあちゃん、家族でしょうか、何人もの人が入れ替わり立ち代り、この馬車といっしょに写真を撮っていました。

私も正面から撮ってやろうと思いましたが、よそ者だし失礼かなと思い、横から1枚パチリ。
さてこのおじいちゃんと、おばあちゃん、何のお祝いなんだろう?
還暦のお祝い、いや還暦はとっくに過ぎている感じ、、、喜寿のお祝い?そんなのアメリカにあったけ?
それとも結婚?エー、そんな!!

周りの人に聞くのを忘れました。

残念。何の変哲もない静かなタダの田舎町。ここに立ち寄った東洋人3人。オハイオ人の本当の故郷を垣間見たような気がしました。

町の名前はベルビル(Belleville)。ベル(Belle)とは「美人、美女」、の意味、ビル(ville)は特に意味はなく、地名の後につく言葉です。つまり「美人村」。
残念ながらそれに該当する生き物は私の目には入りませんでした。
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