03−08−29 これで3連休は安泰
アメリカにいるとTELマーケッティングというか、電話販売がものすごく多いのに驚かされます。
朝から、夜遅くまでドンドン電話が掛かってきます。
でも電話に出た瞬間でこのテの電話か、そうでないかはわかります。名前がうまく言えない場合が殆どだからです。
「Hi, Mr. Nakashini, how are you doing?」、とか、「Hellow, Shinji, how are you today?」、とかきたらちょっとだけ話を聞いて、「その話、興味なーい。アリガトサン。」、ガチャン、です。

前者はうまく苗字が言えてないし、後者は私は通称”Shin”ですから、フルネームで言うのは全く知らない人からの電だからです。でも時々注意が必要です。

と言うのは、歯医者の予約の確認とか、クレジットカード会社からのカード使用の確認とかがあるからです。
でもこのような電話は通常、ボイスメッセージに残してくれますから、大丈夫です。

更に多いのは無言電話。これは電話販売の会社が、機械で一斉に複数の電話をかけて、最初に受話器を取った人だけに回線をつなぎ、後の人はベルが鳴ったままになっており、受話器を上げた瞬間に回線を切る、という仕組み。
正確に言うと、無言電話ではなく、相手が回線を切っているだけなので、無言になるだけなのですが。

このような電話販売の規制にアメリカ政府が乗り出し、WEBから自分のTEL−NOを登録すると、掛かってこなくなるという仕組みを作りました。
さっそく我が家もこれに登録。

でも電話販売に従事している人は何百万人、年間の売り上げは何兆円規模だそうで、業界はまた新しい方法を考えているそうです。
1ヶ月前から社長から何度も呼び出しを受け、難しい宿題を一杯もらっておりました。何度も報告に行き、その度に冷や汗だらけ。まあ仕事だからと思えばそれまでなのですが、それにしてもかなり重い仕事。
もう一人の日本人駐在員のWさんにお願いをしたり、Wさんを通じてアメリカ人に指示を出して資料を作成。

それが今週の火曜日くらいにできました。さてと、報告に行くか。

このような場合は普通、秘書を通じて正式に時間の予約をします。今までもそのようにしてきました。
が、待てよ、かしこまって会議室であれこれやるよりも会議室以外でやる方が、ざっくばらんに話せるナー、それに大半の報告は終わっているのだから、ま、今度は10分もあればいいなー。

という事で、ここ2日間社長のいる部屋の付近を夕方になるとうろうろ。秘書にスケジュールを聞いて、会議の合間を狙っていたのです。ところが全部空振り。
やっぱり、ダメかー。

気が付くと今日は金曜日。明日から副社長と日本出張だから、その前に報告をしておかないと。エイ、朝一番を狙え!
という事で7時30分頃、デスクへ。
副社長のTさんも社長もデスクにおります。よかった、よかった。

「ちょっと例の件、報告をしたいのですが。イエ、時間は取らせません。10分でいいのです、10分で。ほんの10分。」
10分を強調して。
Tさんは社長の方に歩いて行きます。社長はおっ、という顔をして、「じゃ。」、と言って小会議室の方に歩いて行きます。ありゃ、こりゃマズイな。
オレ、会議室なんか入りたくない。だって長くなると、ボロがでちゃうし、第一新しい宿題をもらったりしたら、、、。
そこのテーブル空いていますよ、とも言えないし、、、。
アーア、明日からの3連休、これでパーか。観念しました。

3人で会議室に入ります。
そうだ、朝の会議だから先ずコーヒーを。隣の大会議室からコーヒーを持ってきて報告開始。

「この前より、多大な嫌疑をかけられておりますXXXの件ですが、身の潔白を証明にきました。」
と、冗談を交えて力強く切り出します。報告は切り出しが大事なのです。
内容は嫌疑でも何でもなく、この前の報告の時に質問を受けた事に何にも答える事ができなかっただけなのです。
つまり穴だらけの報告をやってしまったという訳で、その挽回に来たのです。

10分のつもりが、何と40分以上も説明とその都度出る質問の対応にかかってしまいました。このテの分析はやればキリがないのは社長自身が一番知っています。
「よし、わかった。」、この一声を聞いてほっと一息。

「Tさん、この資料日本に持っていくから、もらっておいて下さい。」
後は自分の事務所のデスクに戻ってT副社長に電子ファイルを送ればおしまい。ヤレヤレ。
宿題が出なかったので、この3連休は何とか休めそうかな、そう思ってビルディングを出ました。
昼食後の1時から今度はアメリカ人の3人と会議。
昨日、ある案件を2週間後にまとめるようにアメリカ人に指示を出したのですが、これを1週間に縮めるようにSさんから要請。

そこで現在どこまで実態が進捗しているのか確認をして、一体来週に間に合うのかどうか予定を作り直すための会議です。以外と実際の対応はされており、一安心。
でも毎度の事ながら、ドキュメントがバラバラで、課題が何か非常にわかりにくい。

「よし、連休明けの火曜日に抜けている部分を仕上げて、水曜日に全体の確認をしましょう。」
私は決めました。明日の土曜日に出勤して、、、なんて、Tさん、Mさん、Jさんの顔を見ていたら言えなくなりました。
Tさんは私の言った意味を理解してくれて、早速関係者に火曜日の業務の指示を出してくれました。

「SHIN、大丈夫。JとSをBのところから分捕ってきましたから。」
BさんはTさんと非常に親しく、
「なあ、お前、オレ困っているんだよ。2人貸せよ。いいだろう。」、くらいの感じで言ったのでしょうか。BさんもTさんも年齢は45才くらい、キレ者ではありませんが信頼がおけるアメリカ人です。

これで3連休はOK、かな?危機一髪でした。
夜の7時半。もうアメリカ人は誰もおりません。
駐在日本人のSさんと話をして、さて今日はこれで帰ろうかと思って席を立ったところで、Sさんに電話。他部門の日本人駐在員のKさんから。

何か悪い予感。
案の定、えっと驚くような問題が持ち込まれました。さあ、どうする。Kさんは明日の土曜日に出勤をして対応すると言っています。

これは私のまだ専門外の件。まだ、と言うものの、話がもう少し進展すれば、私のところに持ち込まれる事は間違いなし、です。でも入るのは早いほうがいいのは判っています。
Kさんはアメリカ人にも明日の出勤を命じ、すでに行動に入っています。

「Kさん、火曜日の朝一番で結果を聞きましょう。」、Sさんが先に言ってくれました。
私はすかさず、
「じゃ、今日はこれで失礼。」
事務所を出て、車に乗り込み一気に会社を出ました。

今日は朝から3つの危機。でも全部乗り越えました。
ほんの一握りの日本人駐在員。いろいろな情報が集まってくるし、判断をしていかなくてはなりません。全部に係わっていたら24時間寝るヒマもなくなります。

そのような中で、3日間連続で休めるというのは本当に貴重な存在なのです。でも今回は危なかったナー。
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