03−08−09 夏の野外パーティー
私の職場(ビジネスユニットと言っています)は全部で約300人。ここには日本と同じで親睦の組織があり、時々親睦会を催しております。

日本と違うのは全て家族が参加するスタイルで、新年会とか忘年会とかで社員だけが旅行に行ったりするスタイルの親睦会はありません。それに基本的に費用は会社が一部を負担します。
夏の行事は大体がどこかの公園を借り切って、みんなで集まり、ハンバーガーか何かを食べながらワイワイとやるパターンです。

今回はバンドが2つ出演、何と一つは日本人駐在社員だけのバンド、もう一つはアメリカ人のバンドが出演するというのです。
そしてアメリカ人のバンドでは、私の隣の席のJさんがボーカルをやるというのです。そうか、それでしつこく私に参加を誘っていたのか。

「SHIN、今週の土曜日は来るよね、いや是非来て欲しい。」

場所は私の家から車で15分くらいの「OLENTANGY INDIAN CAVERNS」というところ。時間帯は午後2時頃から、夜の10時まで。食べ物のサービス開始が3時からという事なので、3時少しに行ってきました。
会場の公園に行くと、100人くらいの家族連れが既に集まっており、ワイワイとソーセージを食べたりしています。
あれ、日本人も結構いるなー。
そうか、日本人のバンドのメンバーは私の職場の日本人から2名、隣のR&Dから4人、それに女性ボーカルに通訳のMさんが登場すると聞いて納得。Mさんは100km以上離れたところにある、エンジン工場で通訳をやっている女性です。

私もカミさんと同伴なので、アメリカ人も次々に挨拶をしてくれます。
若手のホープのD君の奥さんは大きなお腹をして、あと2週間で赤ん坊が生まれると言っていました。私のカミさんがお腹を触っておりましたっけ。

今回はビールのみ放題のチケットを買ってあったので、さっそくビールを飲んでみます。
実は昨夜は日本人だけの飲み会を日本レストランでやり、その後私の家で2次会をやって寝たのは夜中の1時半。

ちょっと二日酔い気味だったのですが、ビールを一口飲んだら、しゃきっとして二日酔いはすっ飛んでしまいました。

日本人バンドは4時頃からスタート。
なかなかうまいじゃないか、ボーカルのMさんもまあまあいけます。ロック調の音楽は私は普段は聞かないのですが、生演奏のバンドはなかなか迫力がありました。

小さな子ども達の様子を見ていると、やることは日米みな同じ。食べ物は食べ放題だし、水遊びをしている子もいるし、子ども達はハッピー。

で、大人達はというとこれもハンバーガーとかホットドッグとか、サラダとかを食べて、バンドを聞きながらみんなでペチャクチャ。特に何かをするという訳でもなく、典型的なアメリカの野外パーティーです。

アメリカ人のバンドは6時からで、お待ちかねのJさんのボーカルは声の延びもいいし、大したものでした。
曲と曲の間のおしゃべりもユーモアたっぷりでみんなの爆笑を誘っていました。

Jのボーカルを聞きながらベンチに腰を掛けていると総務のKさんが挨拶。
Kさんは現地採用の日本人女性。日本の大学を卒業してオハイオには大学院で更に勉強をするために来て、早16年。

私が7年前にここに赴任をしてきた時に、半日のオリエンテーションをやってくれた人です。
今も総務の所属で、日系企業に働くというアメリカ人にとってはちょっと環境の違う中でどのような事を知っておく必要があるかというような研修をする担当です。
そして我々のように日本から来た駐在社員に対しても、アメリカの中で仕事をする上で知っておかなくてはならない法律の事、習慣、その他を研修してくれる人でもあるのです。
Kさんは7年前の研修以来、時々会うことはありましたが挨拶をする程度で、話をする機会はありませんでした。
今日はビール片手にKさん節をたっぷりと聞くことができました。

日本人としての非常に強いアイデンティティーを持ちながら、アメリカ人との結婚を通してアメリカを知り、そして日系企業でアメリカ人と日本人の両方に対し研修をして双方の理解を高める仕事。Kさんの話は非常に興味深い、そして説得力がありました。

「よく日本人は、、、アメリカ人は、、、という言い方をして不満を言う人がおりますがこれは間違いです。
基本的に人は日本人もアメリカ人も同じで、日本の中にもいろいろな人がいるようにアメリカ人の中にもいろいろな人がおります。」

「日本人同士だってイヤな人、気の合う人、礼儀正しい人、そうでない人がいるようにアメリカ人も全く同じです。これをしっかりと理解すべきです。」

「英語の能力とコミニケーションの能力はあまり関係ないと考えています。相手に何かを伝えようとする姿勢、努力をしている人は相手に意志は伝わります。」

「アメリカ人に何かを言って伝わらないときは、それは相手のせい、つまり理解をしようとする姿勢、努力が足りない、ない、又は劣っている。こう考えると毎日が楽になるかも知れません。」

「この会社は日本の会社ではありませんが、決してアメリカの会社でもありません。非常に特殊な、アメリカと日本の中間のような会社です。」

Kさんはどちらかというと、基本的にかなり日本的な、そして日本人としてのナショナリズムがちらちらと見える人です。
私から言わせると、全くアメリカかぶれをしていない、いえアメリカにかぶれる事を自分の意志で強く拒否をしているタイプの日本人と見受けました。

そして酒豪でも有名で、「一升は軽くいける。」そうです。これは他の日本人から無数の証言があるので間違いはないと思います。
「SHINさん、こんど奥様とごいっしょに家でパーティーやりましょう。」
ちょっと怖いナー。
1年前にモトクロスで大けがをし、辛うじて片足切断を免れたBさん。彼はモトクロスのオハイオチャンピョンを8回獲得していますが、もうモトクロスはできる身体ではなさそうです。

インドからアメリカに来たCさん。非常に優秀で、マインドは日本人とアメリカ人の中間の感じ。彼の奥さんにも挨拶をする事ができました。
韓国系アメリカ人のAさん。彼は最近ちょっと伸び悩んでいますが、今日は元気にバンドでベースを弾いておりました。
きっとまた元気になると思います。

2ヶ月ほど前に私のところから別な部門に転属をしたGさん。相変わらず、元気に取引先を飛び回っているようです。
でもここ1−2年で随分太ったなー。

普段職場では話せない、聞けない事を聞ける、それを広々とした公園でゆったりと時間を過ごしながらできる、そして奥さんとかの家族を紹介しあう、これがアメリカのパーティーです。
非常に健康的ではありませんか。
inserted by FC2 system