02−10−30 テレビ会議
今日は仕事の話題です。
私は日本の会社のアメリカ法人への駐在社員です。ですから日本との関係は非常に密接です。何か重要な用件がありますと、日本に出張をしなくてはなりません。

しかし、出張をするまでの内容に至らない時はテレビ会議というのをやります。私はテレビ会議が大嫌いです。理由はいろいろとありますが、先ず時差です。
日本とオハイオの時差は14時間。オハイオの朝8時は日本の夜10時、オハイオの夜7時は日本は翌日の朝9時。

つまりどの時間帯で会議をやるか、これが大きな問題です。
アメリカ人は普通夕方4時以降の会議はやりたがりません。その代わり、朝はいくら早くてもOKなので、大体がオハイオの朝6時、日本の夜8時という設定になります。

会議時間は約2時間。ですから終わりはオハイオは朝8時、日本は夜10時になります。
朝6時開始のテレビ会議!
つまり私は4時30分に起床をしなくてはなりません。そして5時25分に家を出ます。さすがのアメリカもこの時間帯は車は少ないし、パトカーもおりませんので、私は140kmくらいでぶっ飛ばして会社に行きます。

会社に着いてからテレビ会議室までトボトボ歩いて行くと、6時少し。
こちらはアメリカ人4名、日本人3名ですが、日本人の2名は今回は日本からの出張者で、オブザーバーという立場。それに通訳のHさん。
Hさんは、私が日本語で日本に向かってしゃべるのをアメリカ人にわかるように英語で通訳をするのが仕事です。

日本側はそれぞれの議題で入れ替わり、立ち代りで常時4−5名。
今回は日本側も通訳が2名入っております。通訳が入ると言うものの、2ヶ国語でやるテレビ会議、ヒジョーにやっかいなのです。
日本側はオハイオ側に私がいるので、日本人に話をしているつもりでガンガンしゃべります。それを日本にいる通訳が英語にする。

それを聞いた私は日本語で、アメリカ人は英語で受け答えをします。これがウマくいかない!
こちら側にいるアメリカ人が持っている基本的な情報と、日本側が認識している基本的な情報の差が大きく、話がかみ合わない。
それに加えて英語と日本語が入り混じり、もう会議はグチャグチャ。

日本側の通訳はあまり慣れていない様子、それに会社には”会社方言”というものがあって、これを理解していないと通訳は難しいのです。

アメリカ人を交えての会議で問題になるのは、アメリカ人は結果を求めるのに対し、日本側はプロセス重視。そこでまたあれこれ議論になります。
アーア、またいつものパターンか!
そのうちに日本側の2名の通訳が殆どしゃべらなくなってしまいました。ナンデ?「わかんない。」とか言う声も聞こえてきます。
でも日本側はドンドン日本語で話をしてきます。
何か白けた雰囲気になってしまいます。チェアマンのKさんもちょっと技術的にウトイい面もあり、「????」の連続。

このような場合は私の出番です。
日本側の事情もわかる、アメリカ側の事情もわかる、でも立場としてはアメリカ側で話をしなくてはなりません。

タイミングを見計らって適当なところでパッと丸める、しかし双方が引いてはマズイところでは双方に逆に突っ込む。正直言ってものすごく気を使うのです。

フェース・ツー・フェースの会議だと、その後に場合によってアフターファイブと言うのをやります。実はこれが昼間の会議の延長で、そして本当の締めくくりになるのです。日本では。

でもTV会議はこれがありません。ですから締めくくり、つまり結論が出たようで出ない。何ともすっきりしないのです、テレビ会議というのは。

電子メールもイヤになるくらい飛び交っています。写真でも何でも送れます。電話でも直ぐに誰とでも話ができます。TV会議はみんなの顔を見ながら話もできます。
でも何かすっきりしません。
「やっぱり日本に行って膝を交えてやらなくてはダメかなー。」

最後にアメリカ側の通訳のHさんが日本側の通訳に向かって、「この次からはちゃんとお願いしま〜す。」、なーんて大きな声を出して言っておりました。
そりゃそうだ、途中で通訳投げ出していたのですから。

朝4時半に起きてのテレビ会議。それでもKさんは2週間に1回やるといか言って張り切っております。勝手にセイ、とも言えず、、、。憂鬱であります。
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