00−10−17 大ニュース 
今日の朝、用事があって総務のビルに行ったところ、入り口の前に3本のポールで掲揚してある国旗,州旗それに会社の旗が全て半旗になっているのに気が付きました。
半旗というのはそれぞれの旗がポールのてっぺんまで上がって掲げられている状態ではなく、ポールの半分くらいの位置までしか上がっていない状態の事です。

さて?と思いつつ半旗を眺めておりましたが、そうか、あの事か。私は数日前のニュースをすぐさま思い出しました。
と、同時に、アメリカというのはこのような事に一民間企業でも素早く反応する点に改めて感じ入ってしまいました
数日前の朝のラジオのニュースで中東に派遣されていたアメリカの駆逐艦に、アラブのテロリストが爆弾を積んだボートで体当たりをして駆逐艦は中破、17名が死亡50名以上が負傷というニュースが流れました。
私の職場でもこのニュースは話題になり、アメリカ人の社員の中にはテロリストを皆殺しにしろ、とかいう過激な発言がありましたが、まず間違いなくアメリカはいつかは何らかの形で報復をするのではないかと思います。
ローカルの新聞にもでかでかと何日間も死亡、負傷した兵隊の家族の事が載っており、アメリカ人の関心の高さを示しておりました。

会社の半旗はこの死亡、負傷した兵隊に対する弔意を示したもので、アメリカでは公的機関、学校その他大半の会社までが半旗を掲げているそうです。
学校は基本的に教室には国旗が掲げてあるし、ちょっとした会社の正面も掲げられております。

半旗の件を数人のアメリカ人に確かめたところ、やはり駆逐艦の乗組員に対するリアクションである、とすぐさま返事が返ってきました。

この日の夕方、今度は数人の日本人駐在員に対して同じ質問をしたところ若い連中は
「ハンキって何ですか?」
という答えが返ってきました。
少し年輩の駐在日本人は
「ウーン、そんなもの見る暇ないな。忙しいからね。」
という答えでした。

そうか、総務のビルに行って旗をながめる私は、忙しくない駐在日本人社員のひとりなのか。
ナルホド
アメリカ人を見ていると、普段は日本よりずっとバラバラという感じがするし、まとまりはあるとは言えない国民です。
ところが、愛国心とか、国防とかこういう事に関しては非常に均質化された考えを持っているように思えます。それほど深く、そして何度もこのような問題についてアメリカ人と話した訳ではないので、勿論断定はできませんが、少なくとも中産階級以上の人達の考え方は大体似たり寄ったりの印象です。

またアメリカのやる事は正しい、自分たちこそ正義である、という非常にタチの悪い、時には周りに迷惑を掛ける考えが強い政府国民であるため、へきへきとする事があります。
自分が中心で、自分と違う事をやる人は異質、という考え方も異常に強いようです。

日本で「国際化」というと、お互いにそれぞれを理解し合って「バランス良くやってゆく」というように考えているようですが、アメリカでは「国際化」というのはアメリカのやり方、考え方を相手に伝える、という意味です。
この点が全く我々日本人と違うところで、アメリカを理解するうえで忘れてはいけない点でもあります。

今回の中東のアメリカ海軍の駆逐艦爆破事件も、この辺を頭に入れて考えるとまた別な見方ができてくると思います
今アメリカでは11月の大統領選挙に向けて2人の候補が激烈な討論をしております。
これも日本にいるとなかなか見えない部分ですが、両候補のそれぞれの政策なり、主張は極めて具体的で、そしてわかりやすいものです。

言った事を実行するかどうかは、日本と同じでどうも別の次元という部分もあるようですが、でもあそこまで堂々と相手をけなし、そしてけなされた方はにこにこしてそれを受けて答え、というあのやり方。
日本人の政治家とは大きく違います。

我々は選挙権はないし、所詮自分の国の選挙ではないのであまり興味は沸かないのですが、アメリカでは大統領が変わると、政府の役人までが何百人もごそっと入れ替わるそうです。
これは知りませんでした。でもクビになった役人はどこへいくのでしょうか?

あっ,そうかアメリカは景気がいいからどこでも雇ってくれるのですね
inserted by FC2 system