00−06−10 アメリカは好景気
アメリカは今、好景気に沸いていると新聞等でさかんに報道されています。
オハイオのコロンバスに住んでいても非常に強く感じます。先ず、ものすごい勢いであちこちにショッピングモールができております。

ショッピングモールができているというのは、それだけ人口が増えているという事と、国民の消費意欲が盛んであるという事でしょう。
どこへ行っても求人広告が出ており、人手不足も相当なもののようです。

失業率は史上最低というレベルになっているのですが、失業率が低いというのと、収入が増えているというのは直接結びつかないという事を会社のアメリカ人が言っておりました。
というのは、安い賃金の職がうんと増えているので失業率が低いのだと言うのです。

こちらは一般的に夫婦で働くのが普通ですから、1人の給料は安くても、世帯の収入は増えているという現象のようです。
また高賃金の人と、低賃金の格差が広がっているという点も共通の認識で、これも今のアメリカの特徴です。
オハイオは生活物価からいうと全米平均の真ん中より大分上ですが、それでも1人当たりの平均所得は3万ドルありません。確か2万5000ドルから2万8000ドルの間だったと思います。
日本人から見た物価感覚が1ドル200円くらいなので、まあまあというところではあるのですが。

そんな中で、今日の新聞に興味深い記事がありました。
今年の大卒の平均給与の調査結果です。
アメリカは日本のように業種が違ってもそれほどの差がないという給与体系ではありません。

アメリカは業種・職種によってとてつもなく大きな差があります。
例えば教員とかの仕事ですと、2万4500ドル、ところがコンピュータ電子関連メーカーですと5万400ドルです。ちょうど2倍の差です。

ですから「大卒の平均給与」という言い方はありません。必ず「何々の職種での平均給与」という言い方になっております。
これは大学で勉強した分野以外の職種に就くというケースが殆どない、つまり専門教育を受けており、その分野に就職する、というのが普通だからです。

日本のように法学部を出て営業をやるというようなケースは例外であると考えられております。
とにかく5万ドルというと物価感覚では1000万円に近い感じですから、大変な収入です。

更にこの記事の中で目を引いたのは、MBA(経営修士号)取得者の初任給で、実質で10万ドルに達しているというのです。これには驚きました。
数年前までアメリカでは、サラリーマンで年収10万ドルを超えればまず成功した内に入る、と言われておりました。。
コンピュータ関連に、MBA、このような連中はどんどん高収入になっていき、それ以外の人は逆に収入が減っている、というのがアメリカの好景気の中で起きている現象のようです。
とにかく、こんなオハイオでも道路工事は盛んで、ビルもどんどん建つ、ショッピングモールも新しくあちこちにできている、でも片方ではとんでもない貧しい人が増えているのです。

こちらに長い、ある日本人が言っておりました。

「アメリカは学歴イコール教養で、学歴イコール収入。学歴イコールしゃべる言葉(教育を受けた人と、そうでない人の言葉はまったく違います)で、学歴イコール住む所。」

「でもそれ以外の大半の人達も、十分に豊かに生活できるうらやましい国。」
「でも信じられないような貧しい人が、信じられないくらいいて、誰も助けようとしない冷たい国。」


最近何となくわかるような気がしてきました。
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