ワシントンの博物館群:素晴らしいの一言に尽きます
ワシントンDCは首都であると同時に、博物館のメッカでもあります。
国立歴史博物館、自然史博物館、航空宇宙博物館、それに何と言っても最大の建物である国立美術館、これ以外にいっぱいあり、何とこれらが全て無料なのです。

それぞれの博物館は子どもから大人まで全ての年代の人が楽しめるようにできており、じっくりと見て説明を読んで回れば恐らく1週間は必要ではないかと思います。

私はワシントンDCには今までに3回行った事がありますが、これらの博物館群は何度見ても感動してしまうのです。
ここでは中身の紹介は最小限に止めます。

見学に1週間かかるところを紹介なんかできっこありませんから。
国立美術館

何と言っても、ここに来ないことにはDCに来た意味がありません。
行った日は日曜日、何と日曜日は午前11時の開館なのです。
正面の階段に腰をかけて待つこと約1時間、やっと大きな扉が開きました。

同じように早く来すぎて待っている人が何人もおり、ペンシルバニアから来たというアメリカ人とおしゃべりをして時間を潰しました。

写真は西本館で東側に別館もある、巨大な美術館です。
開館を待つ

10時半、ごらんのように人影は殆ど見えません。
道路の駐車スペースもガラガラです。これだったら車で来てもよかったかな?

待っているとアメリカ人の男性が話しかけてきました。ポトマック川の向こうの車で10分くらいのところに住んでいて時々ここに来るとの事。
時々来るにしてはどうして時間間違えるんだい?

向こうに見えるのが航空宇宙博物館です。
国立美術館のホール

巨大な柱が立っていおります。
この左側には案内所があって、調べたい内容とか見たい内容を言うと、適切なアドバイスをくれるようになっております。
PCで情報検索も可能で、それほどの規模と展示件数なのです。

地下はカフェテリアと土産物屋になっており、展示スペースはあまりとられておりません。

さあ、出発!
国立美術館の展示室のようす

展示室は小部屋に区切られており、西本館だけで90部屋以上あり、大きさも様々です。

大きな部屋だと15点以上、小さな部屋でも5点くらいの作品が展示してあります。
ですから半日くらいの時間では到底回ることができません。

この時は何と中世イタリアの展示ゾーンが工事中で、レオナルドダビンチの作品を見ることができませんでした。
絵画展示の様子

この美術館は絵画が中心です。
確か17世紀までのヨーロッパの作品だけで、西本館の半分のスペースを占めておりました。

この日は日曜日にもかかわらず、見学者が少なく、館内は非常に静かで静まり返っており、
じっくりと鑑賞をすることができました。

大きな展示室には中央にソファーがあり、休憩をしながら部屋を次々と回ります。
不謹慎な日本人見学者

13世紀から15世紀の絵画は宗教画が中心で、私は題材そのものに興味を覚えなかったのですが、最近少しだけじっくり鑑賞をするようになりました。

ここに写っている東洋人は日本人で、キリスト誕生の絵の前でこのような事をしていると、不敬罪で逮捕される可能性があります。(ホンマかいな)

連れてくきて後悔をしました。
スミソニアン博物館群

国立美術館を出た正面右手に、これも有名なスミソニアン美術館があります。
ここはいくつかのギャリーに分かれており、一部のギャリーは地下3階までもが展示室になっております。

非常に優れたコレクションが多いのですが、国立美術館を見た後に行くと以外とこじんまりしている感じを持つかも知れません。

しかしこれは建物がいくつにも分かれているだけで、全体としての規模は非常に大きいものです。
展示室の中

ここもとても全部を見ることはできませんので、西アジア、東アジア関係のコレクションのギャリーに入ってみました。

国立博物館群に比べて人は3分の1以下。
仏教関係のコレクション、それに装飾品が多くありました。あまりこの方面は知識がないので、ザッと見るだけになってしまいました。

そろそろカミさんと娘は飽きてきたようなので、次の博物館に行くことにしました。
裏庭

正式な名称は忘れてしまいました。
まだ夏の香りの強いじきでしたので、緑とよく手入れの行き届いた花壇のコントラストが非常にきれいでした。

花壇の横のベンチに腰を下ろして休んでいるアメリカ人の親子以外、人影も少なくゆったりでした。

ここでおにぎり食べたらおいしいかも。

すぐに食べる方に考えがいってしまう私の発想と思考レベルは自分でも恥ずかしくなります。
自然史博物館

カミさんと娘は自然史博物館に行きたいと言います。
さて、そんなに自然史に興味を持っていたかなー、この2人。

スミソニアンの正面が自然史博物館。
300M程歩く必要があります。博物館巡りも体力、いえ脚力が必要です。

博物館は外装が工事中でした。
宝石−その1

そうです、自然史に興味があるのではなく、宝石を見たいだけなのです。
私は全く興味がないので、ちらと見ただけ。

これはホープ・ダイヤだったか、あれスターオブアジアだったか、忘れてしまいました。

とにかく巨大なダイヤモンドとサファイヤが陳列してあり、黒山の人だかりでした。
宝石−その2

ところがその宝石、延々と続くのです。陳列のうまさもあって、それは見事なものでした。
さすがアメリカの自然史博物館、NYのティファニーも東京の和光もこれらの足下にも及びません。

宝石は地下から出てくる、つまり自然の中で作られたもの、従って地下資源のギャリーにデンと飾ってあるという訳です。

展示の分厚いガラスケース、カラス板に人の指紋がいっぱいついています。みんなガラスにヤモリみたいにへばりついて、見るからです。
人類と自然

人類がどのようにして今の文明社会を築いていったか、延々と説明が続きます。

狩猟のみの生活から農業の発達、石器を始め様々な古代人の作ったものが、模型と組み合わされて実にうまく陳列されておりました。

自然の中で人間はどのように生きてきたか、そしてこれから生きるか、この博物館はうまく説明されておりました。
でもアメリカって世界で一番自然を破壊している国じゃなかったけ。
古代人の身長

紀元前5000年から2000年の西アジアからアフリカにかけての成人の平均身長は男161cm、女150cmとありました。
そうか、男は大体娘と同じくらいか。

この自然博物館は思ったよりも興味深い内容で、ここもじっくり見れば、半日は必要でしょう。

説明が全部英語なので、とにかく我々外国人にとっては苦痛。
斜め読みできるほどうまくないし、第一普段使わない単語がいっぱいあって、ちんぷんかんぷんでした。
アメリカ国立歴史博物館

ここはアメリカの過去の300年くらいの文化、技術の発達を紹介しており、航空宇宙博物館とならんで人気の高い博物館です。

写真はジョージ・ワシントンから始まる、歴代の大統領とファーストレディー(大統領のカミさん)の肖像または写真。

大統領はともかく、これらファーストレディーがどのように社会に対して貢献をしてきたか、延々と紹介されておりました。
戦いの歴史−1

博物館は3階建ての巨大な建物ですが、その3分の1以上は戦いの歴史の紹介です。

ここでもアメリカが「歴史」という言葉でものを考えるときの我々日本人とかなり異なるイメージがあるのに気が付きます。

独立戦争、南北戦争、第一次大戦、第二次大戦、その間に戦った歴史が詳しく、紹介されています。
冷戦時代にアメリカは何をしてきたか、ベトナムで、、、とごく最近の事まで紹介されております。
戦いの歴史−2

ここまで詳しく説明をするのかと驚くばかりです。
何故各国の本物の機関銃までずらっと並べてあるのか、私には理解できませんでした。

やはり戦ってイギリスから独立し、それからも世界の中で暴れまくってアメリカという今を作ってきたという「歴史」、オハイオの田舎に住んでいると、普段はあまり考えない事ですが、今のアメリカの行動を見ているとごく自然に納得できます。
日本人の強制収容−1

太平洋戦争開戦と同時にアメリカは主として西海岸に多くいた日本人移民、日系人の財産を没収して、コロラドの山奥の収容所に監禁しました。

当時のSF、LAの日本人街の様子、それにコロラドの収容所の復元セット、日本人の収容所での生活品、等の紹介にかなりのスペースを割いておりました。

収容所では日本人が作った様々な品物も並べられており、何故か胸が痛みました。
日本人の強制収容−2

収容所の監視の様子。
この後、多くの日本人青年が兵隊に志願をしてヨーロッパで勇敢に戦い、多くの戦死者を出してアメリカに忠誠を誓った、とありました。

そしてこの日系人部隊から後にINOUEという日系人がハワイから国会議員になった、etc。

つまりここの博物館は、アメリカの歴史の暗い部分も、あまり主観を入れないで、事実を詳しく紹介している、という印象を受けました。
これもアメリカを知る上で重要だと思います。
お金の歴史

お金の歴史についても詳しく、そしてわかりやすく紹介。

面白かったのは、にせ札の歴史についても詳しく紹介されていて、そちらの方が印刷が技術的に優れていた、という下りがありました。

この写真が確かその説明です。
このアメリカ人のオジサン、まさかにせ札を作ろうと考えているのではないでしょうね。
国立美術館、スミソニアン博物館、自然史博物館、歴史博物館、それにここでは紹介をしていない、航空宇宙博物館はワシントンDCでは是非訪れたい所です。
的を絞ってうまく行動すれば2日間でも何とか見学可能です。

でも最後の日は3人とも完璧にへばってしまいました。もうホテルまでの道の遠かったこと。
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