大西部−2 : グランドティートンからSLC(ソルトレイクシティー)
グランドティートン国立公園、これも日本人にはピンとこないところかも知れません。
映画、「シェーン」、で有名になった山、と言えば何人かの人はわかると思います。もちろんこれ以外にも一杯素晴らしいところがありますが、実は私にとって今回の旅行での最大の山場は、あのシェーンのラストシーンの場所に立ってみる、という事でした。
「シェーン、カムバック!」、ならぬ、「シェーン、アイムカミング!」、の旅でありました。
4日目の朝

4日目の朝、レイクホテルを8時に出発、イエローストーン国立公園に別れを告げて、バスは南に、南に下ります。
約1時間半後、グランドティートン内のジャクソンレイクという大きな湖の横にある、ビジターセンターで休憩です。

見えました!!我が憧れのシェーンの山が。そびえています。実にきれいです。
お天気もいいし、ラッキーだゾ!私は密かに心の中で興奮をしているのでありました。
アメリカ先住民の民芸品

ビジターセンターはアメリカ先住民(インディアン)の民芸品、風俗等を紹介する小さな博物館になっておりました。ここでは老人のインディアンが民芸品製作の実演を見せておりました。

「この馬の顔の飾り、日本にも同じようなものがありますよ。」
私がこのようにオジサンに言うと、
「日本人と私達は遠い親戚だからね。」、という返事が返ってきました。
ちょっとびっくりした返事でした。
ジャクソンレイク・ロッジ

ビジターセンターを出発、30分ほど走って再びみんな降ります。ここからのグランドティートンの眺めは最高でした。気温は15℃、ちょっと肌寒い感じです。

ところでティートンってどういう意味?
これはフランス語で、「女性のオッパイ」、という意味だそうです。1800年代に探検にきた連中が長い間女性を見なかったので、山を見てこういう名前を付けたそうです。

でもその探検隊のヤツ、想像力たくましいナー、、、。
オハイオの車

このシーズンは全米、そしてカナダの各地から観光客が訪れます。
見つけました!オハイオの車。さすがにオハイオの車は少ないです。
オハイオからですと2500km以上ありますからね。

こうやってオハイオの車を見つけると嬉しくなってしまいます。
どこから来たのか、声を掛けようと思いましたが車の持ち主は現れませんでした。ザンネン。
チャペル・オブザ・トランスフィギュレーション

大草原の中にポツンとある教会です。
何で、ここに連れて来られたのか、由来は何だったのかよく覚えていません。
この辺は、パックツアーというのは、ボーっとしているとわからないのです。

教会の礼拝堂の中に入ってイスに座ると、正面にティートンの山がガラスの窓越しにドンと見えます。
つまり牧師さんはティートンの山を背に、説教をするという訳です。
これで、一言一言に重みが増すというものです。なかなか考えましたね、牧師さん、、、。
昼食−1

ここにはお土産屋さん、いろいろなレストラン、このように野外で食べる軽食レストラン、バー、それに小さなスーパーまでありました。

ティートンの山を見ながらの昼食、さすがに気持ちのいいものです。
このような所でのコツはバスを降りたら、さっとどこに入るかを決めて、行列が出来る前に注文を取っておく事です。
アメリカの注文のシステムって、ハンバーガーみたいなものでも、結構時間がかかるのです。
昼食−2

何回食べたかなー、このこのバッファロー・バーガーは。
確かに牛に比べて少しパサパサしており、脂肪分が少ない肉であることはわかります。

バッファローの肉ですき焼やったらどうなるかナー。きっと脂分がうんと少ないから、まずくて食えないだろナー。そんな事を考えながら、今日のランチもバッファローを食ったのでありました。

オハイオに帰ってから会社の連中に聞いてみたら、コロンバスでもバッファローの肉はヘルシー・ミートという事で買えるそうです。
昼食−3

ティートンの山々をガラスの窓越しに見ながら一杯できるバーです。
やはりこういバーでは、イカ焼きにおでん、ガラスコップの日本酒より、ウイスキーのストレートが似合いますね。

私も一杯やりたかったのですが、何せバスの団体ツアー、時間が気になるので見るだけにしました。

ザンネン。
新婚カップル

バーの横にはこの界隈の歴史に関する写真が何枚も張ってあり、何とはなしに眺めていると、何と先程見たチャペルで最初に結婚式を挙げたカップルの写真がありました。

1927年(昭和2年)のことでジョン(新郎)とエレン(新婦)のカップルです。
ジョンの年令はざっとみたところ20才ちょっと、エレンは、、、わかりません。オイネかな?

当時の雰囲気が出ておりました。
シェーン(1)

シェーン、この映画は私にとって忘れられない映画の一つです。主題歌の「遙かなる山の呼び声」も素晴らしい。
当時の西部開拓民の暮らし、人情、苦労をうまく描いた映画だと思っています。

しかし何と言っても映画に出てくるワイオミングのあの大自然、当時中学生だった私は圧倒され、感激したのを今でも覚えています。

そして、、、そこに来たのです、私は。
シェーン(2)

この丸太小屋とかは、映画とは何の関係もありません。映画のイメージに一番近いところを探して、ツアーの中に組み込んで連れて行ってくれた場所です。
でもそんな事は関係ありません。

後ろに広がるワイオミングの大平原、その先にそびえるティートンの山々。
ジョーイ少年の「シェーン、カムバック」の声を振り切り、腕をだらりと下げたシェーンは馬に乗って山に向かっていく、やはり最高の西部劇ですね、シェーンは。
その後のシェーンがどうなったのかの考察は日記を見て下さい。
シェーン(3)

ガイドさんに、「今回の旅行の一つの目的はシェーンの最後の場面を自分の目で見ること。」、って言ってありました。
見終わったあと、「満足されましたか?」、と聞かれましので、「想像どおりでした、感激しました。」、と答えておきました。

みんながバスに乗った後、一番最後にバスに乗ったのは私でした。
ジャクソンホールの街(1)

グランドティートン国立公園を南に出て、ジャクソンホールという街で1泊、これがツアー最後の宿泊地です。
ここは観光客用に土産物屋とかレストランがあり、スキー場が街の後ろにあり、冬はスキー客で賑わう所です。

ちょっとケバイ感じの街ではありますが、ブラブラと探索をしてみました。
ジャクソンホールの街(2)

土産物屋はやはり先住民の民芸品が中心です。非常に高価な(4000ドルとか5000ドル)家具とか、装飾品も多く販売されています。

どれも素晴らしいものばかりで、目移りがしてしまいます。記念にブレスレットを購入。
オバさんに写真を撮らして下さいと言ったら、ご覧のようなポーズとスマイルでサービスしてくれました。

このオバさんもネイティブアメリカンです。
ジャクソンホールの街(3)

熊の餌食になるカミさん。
この店はいろんな動物の剥製を売っていました。やはりいずれも非常に高価。

鹿の剥製なんかは買いたいナーと思うのですが、その前にこれを飾るにふさわしい家を準備しなくてはなりません。
そんな家を買う可能性は殆どないので、鹿の首を買うのは止めました。
ジャクソンホールの街(4)

ジャクソンホールのタウンスクエアです。
これはエルクという鹿によく似た動物の角で作られたゲート、説明を受けるまではわかりませんでした。

角は英語では
hornntler があり antler は生え替わる角、horn は生え替わらない角だそうです。
鹿は生え替わり、ムースは生え替わらない、だったかな?

では人間の女性の角は、、、、
あれはどんどん大きく成長するのみで、生え替わりませんから
horn ですね。違う?
ウエスタン・ディナーショー(1)

今回のツアーは基本的に昼食、夕食はついていないツアーです。食事は各自それぞれレストラン等を探して自分で食べます。
この日の夜はウエスタン・ディナーショーなので、一応食事付きという事になります。

集合場所までバスで行き、説明を聞いて、このような馬車に揺られて会場まで行きます。

御者は高校生くらいの女の子で、可愛い典型的な西部のアメリカの女の子、って感じでした。
ウエスタン・ディナーショー(2)

このウエスタンショーはあるこの街のある女性が主催者でやっているのですが、その女性が始まる前の説明で、「子どもが騒いだり、その他ルールに従わない人は、最初から出ってってくれ。お金は返す。」、ってはっきり言ったのには驚きました。

それで、説明の最中に早くもアメリカ人の子供がちょっとダダをこねたら、みんなの前で名指しで、「X△□XX?◎●」、(私には聞き取れなかった)。
追い出してしまいました。そのアメリカ人の家族は顔を真っ赤にして、怒って出て行きました。

はっきり言って面白くないショーでした。
ウエスタン・ディナーショー(3)

ディーナーの中身の方もかなり悲惨。みんな黙々と食べていました。
かろうじて口に入るというレベルの食い物、、そして液体燃料はなし。それに先程の高飛車での客の追い出し。不愉快になってしまいました。

私の斜め前に座った方、何と私の会社のOBでした。
息子さんがテネシーだかどこかに見えるので、アメリカに来たとの事。イヤー、びっくりしました。
キャンピングカー

これはキャンピングカーというよりモービルホームと言った方がいいかも知れません。
後ろに引っ張っている乗用車との比較から大きさがわかろうというものです。
誰が降りてくるかなーと見ていましたら、老夫婦2人でした。

今回の旅行では無数のキャンピングカーを見ましたが、アメリカはこのようなキャンピングカーのレンタルもあり、日本人の駐在社員の中でもこれで旅行をする連中も結構いるようです。
化石採掘(1)

今回のツアーの最後はケンモアという所での化石発掘の体験です。
何もこんなところまで来て化石堀はないだろう、と思っていたのですが、これも団体ツアーの宿命。自分でコースを選べません。

この日は気温も高く、天気もこれ以上はないという快晴です。
40名は20名ずつのグループに分かれ、それぞれ交代で化石採掘に出掛けました。
化石採掘(2)

私達は後の方のグループなので先に行ったグループが戻ってくるまで、付近をブラブラ。
横には昔の鉄道の駅跡があり、ホテルと酒場の建物が残っており、これを見せてもらいました。

1930年頃まで使われていたそうで、何のためにこんな所に駅があったのだろうと不思議でたまりませんでしたが、聞くのを忘れました。
化石採掘(3)

私達はテネシーで日本人補習校の校長先生をやってみえるKさんご夫妻、それにガイドのHさん、それに現地のガイドのジャスティンという若者の6人チームでご覧のように採掘でした。

広大な採掘場まで集合地から車で15分、岩盤を一枚ずつ剥がすと魚の化石が出来てきます。
小さいのは煮干しサイズから、大きいのは12cmくらいまで様々です。

あっという間に1時間が経ってしまいました。
化石採掘(4)

前半のグループは結構な大漁だったようですが、後半の我がグループはちょっと寂しい成果でした。
それでも現地案内人のジャスティン君が頑張ってくれたので、ご覧のような立派な化石を手に入れることができました。

こんなワイオミングの山の中も昔は海の底だったのですね。

これらの化石は小さな箱に詰めて、家まで持って帰りました。
大西部よ、さようなら

化石採掘から集合場所に戻ってくると遠くを列車がノロノロと走っています。
その向こうには岩山があります。

面積は日本の半分以上、人口は数十万人のワイオミング州。バスで走っても数百人の町がポツン、ポツンとあるだけで何もありません。
それに農業に適している場所は少なく、牧草だけがかろうじて育つので、牧畜が主な産業の州。

さあ、これで今回の旅は終了です。あとはSLC(ソルトレイクシティ)に向かうのみです。
ソルトレイクシティー(1)

夕方の4時頃、無事SLCに到着、バスはホテルに横付けされました。
5日間のツアーはあっという間に終わってしまいました。

この間バスの運転をしてくれたナバホ族のカールさん、随分シャイな人でしたが、日本人と全く同じ顔をしていたせいか、何か親しみを感じました。

彼はデビルズ・タワーの近くで生まれたそうで、ガイドさんによると、今の白人支配の世の中にものすごい疑問と不満を持っていると言っていました。
でも最後は、「仕方ないね。」、で締めくくるとも言っていました。

カールさん、しきりに、「このままラスベガスに行こうよ」、と冗談で言っていたのが印象的でした。
ソルトレイクシティー(2)

SLCと言えば、モルモン教の総本山があるところで有名です。
宿泊したホテルは何と、総本山の真横でした。

ここでの私にとっての最大の関心事は、液体燃料の販売が禁止されていること。
で、ウイスキーのポケット瓶を大事に持ってきたのですが、これは間違いでした。

何年か前に液体燃料の販売可になっていたのです。私の持っていた旅行案内の本が古すぎたのでした。
ソルトレイクシティー(3)

SLCの市内は何と無料の路面電車が走っており、これに乗ると市内の主要なところに行く事ができるのです。
これは素晴らしいシステムだと思いました。

それに市内はきれいな碁盤の目になっており、SLCが初めての人でも道に迷うことのない感じでした。

この後ツアーで同じだったFさんと一緒に食事をしました。Fさんも何とオハイオから見えており、しかも私の会社と取引があり、私も何度もおじゃまをした事がある会社なのでした。
世間は狭いナー。
ソルトレイクシティー(4)

Fさんご夫妻とその友人、それに私達5人は日本レストランに行きました。
この日本レストラン、上から見ても下から見ても、バリバリの「もどきレストラン」。

さて写真の食べ物は何でしょう?
こりゃ何となくフランス料理風ですが、バリバリの日本名を持つメニューです。よく居酒屋で注文します。

さて、、、、一つだけヒント、、、野菜です。
ソルトレイクシティー(5)

ちょっと二日酔いの頭ですが、今日はコロンバスに帰る日です。

SLCの空港まではホテルのシャトルで25分で到着です。SLCってこじんまりして、何だか住みやすそうな街に感じました。

荷物検査も心配した化石の箱は何もチェックされませんでした。
飛行機はほぼ満席でしたが、快適にデトロイトまで。
デトロイトにて

デトロイトまでSLCから3時間のフライトです。
ここからコロンバスまでは1時間もかかりません。車で行っても3時間で行けるところですから。

ゲートの横を見ると、スモーキングルームが目に入りました。
そーか、オレもこのような部屋にずっと世話になっていたのだよなー。

禁煙を開始して丸2年経過、3年目突入。今でも時々ふと吸いたくなりますが、もう多分大丈夫だと思います。
ツアー5日間プラス2日の7日の大西部の旅は、あっという間に終わってしまいました。
初めての西部でしたが、今まで全く経験をしたことがない事ばかりで、大いに楽しめたと思います。

西部の旅を終えて改めて感じたことは、アメリカは広いという事です。この広いというのは地理的に面積が広いという意味ではなく、今まで行った所とは全く違う自然・風景をみたからです。
つまり同じ国の中でもここまで違う自然・風景が、しかも広大に存在するという意味です。日本であれば、どこに行っても何となく同じような雰囲気があります。
でもアメリカは全然違うというのを今回実感しました。

大西部の旅、もう少し続けたいと思っています。
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