ぶらっとシカゴ
冬の長期連休、みんなは南へ行きます。フロリダ、カリブ海、南米まで足を延ばす人もおります。昨年は私達もささやかではありましたが南へ行きました。
さて今年の連休はどうする?みんなが南へ行くなら、よし北に行こう。でもアラスカとかカナダの北部とかそんなところまで行って酷寒に耐える程の勇気はありません。

あんまり肩肘張らなくてぶらっと行けるところ、やはりシカゴしかありません。シカゴは買い物、美術館、ジャズ、何でもあるぞ、よしシカゴに行こう!
という事で2泊3日のコンパクトな、シカゴぶらり旅に行ってきました。
インディアナポリス経由シカゴです

シカゴまでは6時間くらいで行けます。2泊3日と短い旅なので時間を有効に使わなくてはなりません。
ですからコロンバスを7時頃に出発します。時差が1時間ありますからシカゴには12時頃に着く予定となります。
外はまだ真っ暗です。lコロンバスの家を出てから1時間、インディアナポリスに向かうI−70を走っていると段々明るくなってきます。

クリスマス翌日の土曜日、しかも早朝。走っている車は殆どおりません。気が付くと140km/hも出ています。こりゃイカン。
トイレ休憩

今回はたった6時間のドライブで3回もトイレ休憩をしちゃいました。
どうして?運転しながら朝食のオニギリを食べ、お茶を飲み、その後お菓子をつまみながらコーヒー。
これじゃトイレに行きたくなるのは当たり前です。

以前は旅行と言えば車でどこまでも行きましたが、6年ほど前から車の旅行は行かなくなってしまいました。
久し振りの車の旅行です。車は何でも持っていけますから便利です。
シカゴのダウンタウン

シカゴの手前でI−65からI−90に乗り換えを間違い、I−80に乗ってしまいました。ナビの指示どおりにI−90に戻ろうとしたら、その道路は工事閉鎖中!

エーッ! 何でその情報がナビに届いていないの?
という訳でI−80とI−90の間でのたうち回ってしまいました。ここで30分以上ロス!

私達と同じように閉鎖中の道路に迷い込んで、路肩に車を停めているT社の車を見ました。乗っていたのは日本人らしき人でした。
ホテル(1)

ホテルはステートSTとオハイオSTの交差点にある、エンバシースーツというホテル。
場所的には最高のロケーションです。

このホテルは最近人気のホテルチェーンで、私の家から10分ほどのところにもあります。中庭を囲むように客室が取り囲んでいる構造は同じです。

バレットのパーキングに入れたら中東系の係員が、「日本人ですか?私の兄は東京の近くで溶接工で働いています。」、と親しげに話しかけてきました。
ホテル(2)

部屋はえらく広く、2部屋から成り立っています。全部の面積は日本の2DKのアパートの総面積の1,5倍くらいある感じです。

隣のリビングルームには4人用の食卓、ソファー、テレビは寝室にもあるので2台、この広さがファミリーで宿泊に人気があるのだと思います。

小さな流し、電子レンジもついていますので、ここで食事を済ませる事も可能です。
ホテル(3)

指定された部屋は3階の一番隅っこ。
ちょっと悪い予感。予感は的中しました。暖房の効きがあまりよくないのです。

高層のホテルではうまく設計してあるホテルはいいのですが、そうでないホテルは上層階に比べて下層階は暖房が効きにくい、というのを改めて体感。

部屋を替えてもらおうかと思いましたが、寒いと言うほどでもないので、そのまま使う事にしました。
ステートSTに出てみます

時間は1時ちょっと前、今からMCA(シカゴ現代美術館)に行く予定です。

気温は−1℃、で雪がパラパラ降っています。
気温はもっと低い温度を覚悟していたのですが、防寒着を着ていればブラブラ歩くには全く問題のない気温です。

やはりクリスマス後のせいか人通りは多くはありません。
パブ・レストランで昼食

MCAに行く前に昼食を済ませます。
丁度アイリッシュパブ・レストランの前を通りかかったので入りました。

クラブ(かに)サンドとハムサンドを頼んで、私はビールを一杯。
アメリカではサンドイッチにもこのようにポテトがどっさりついてくるので、お腹が一杯になります。

ビールをもう一杯飲もうと思いましたが、1杯で止めておきました。
MCA(1)

シカゴ現代美術館はシカゴAVEにあり、ホテルからブラブラ歩いて15分程度です。
ここは以前からあるのは知っていましたが、行くのは初めてです。

ポストモダニズムの作品が多いとパンフレットには書いてありましたが、ポストモダニズムとは何か、私は殆ど知識を持ちません。
知っているのは一つだけ、要するに機能とか合理性を追求しない事、だろ?

こういうレベルの人間がMCAに行くのは不謹慎かも知れませんね、、、。
MCA(2)

一般的に近代美術はわかりにくい、よく言われる事です。
確かにそれぞれの作品が何を訴えているのか、私の思考では混乱するものが多い。

この作品は大きな部屋に格子が作られ、天井には鮮やかなステンドグラスがはめ込まれています。
かなり著名な芸術家の作品らしいのですが、何かヒントがないとやはり理解はちょっと難しいです。。

現代美術は作品を見て、いろいろと考えるところに面白さがあると言われますが。
MCA(3)

これは誰もがよく知っている、モビール。
ちょっとした空気の動きで様々な形に変化する、動く彫刻と言われています。

軽い素材で作られるのが普通で、見ていても何となく楽しいものです。

私が通っている歯科医院にも診察台に乗ると目の前にモビールがあり、これを目で追いかけているうちに治療が終わる、という仕掛けになっています。

一度、自分でも作ってみたいですね。
MCA(4)

現代芸術はこういうドキッとする作品が時々あります。
苦しみもがいた遺体、安らかに死んだであろう遺体、それぞれ白い布で覆われていますが、人の様々な最期を表しているように見えます。

現代芸術はグロテスクなもの、エロチックなもの、吐き気を催すようなもの、結構ジャンルは広いようです。

最近の傾向として、床を使って表現をするという作品が多いという事を何かで読んだことがあります。
MCA(5)

この人形は胸に勲章を一杯着けています。でも顔は無邪気です。純粋です。
何を言いたいのだろう。

いろいろな作品をMCAで見ましたが、結局は作品を作って見せる方も、その作品を見る方も、お互いが作品を真ん中にして主張し合う、それが現代美術かも、なんて思ったりしました。

生臭い世界に生きている私にとっては、別世界を見る新鮮さを何となく感じたのでありました。
ミシガンAVE

MCAを出ると雪がかなり降っています。午後4時、さすがにミシガンAVEは車も人もたくさん見掛けます。

この通りはブランドショップも多く並び、ダウンタウンの中でも最も賑やかな通りでもあります。

本当はジョン・ハンコック・センターあたりに上ってダウンタウンを一望したかったのですが、天気が悪いので景色は楽しめないだろうという事で諦めました。

夕食です

夕食は予め調べておいたエリーSTを西に向かって4ブロックほど行った日本食レストランへ。
この日本レストランは観光ガイドブックにも出ているお店で、お値段も質も可もなく不可もなく、という感じでした。

ウエイトレスの日本人の方と少し話をしましたが、札幌からシカゴに来て半年、まだ運転免許も持っていなくて、これからがんばりま〜す、と言って見えました。
しかし逞しいですね〜、一人でシカゴに来て生活するなんて。
夜の散歩(1)

ほろ酔い加減でレストランを出て、そのままホテルに帰るのはもったいないと、ブラブラ散歩です。

この時間になるとさすがに一番賑やかな通りであるミシガンAVEも人通りは疎らです。
でも観光客風の団体、家族がワイワイ言いながらやはり夜のシカゴを楽しんでいます。

ここに初めてやってきたのは1997年のやはり12月、あれから12年か〜、、、早いものです。
夜の散歩(2)

やってきたのはシカゴ川の畔、ループ地区の摩天楼がそびえています。
シカゴらしい、眺めです。

ここは夏にくれば最高の場所と思われます。ミシガン湖に出る遊覧船に乗って、夜景を楽しむ。
4回目のシカゴは全部12月、今更のように、「何で?」、と自分でも苦笑してしまいます。

この日の気温は−3℃、今までの中で一番気温の高いシカゴです。
シカゴ美術館(1)

開館は10時、ホテルからタクシーで5分ちょっとで着きます。
既に10人以上が階段の上の入り口で待っています。
雪がちらつき、気温は−2℃くらい。我慢できない程ではありませんが、早く入りたい。

10時きっかりに扉は開きました。
シカゴ美術館(2)

入場料を払って、防寒着を預けます。
以前来たときは入場料を払うだけで15分くらい行列を作り、防寒着を預けるだけでまた何分も並ばされた苦い経験がありましたが、今回は驚くほどスムーズです。

シカゴ美術館はNYのメトロポリタン美術館、ボストン美術館とともにアメリカ三大美術館と言われている一つです。
確かに規模、コレクションはスゴイです。
シカゴ美術館(3)

ここの特徴の一つに19世紀から20世紀にかけてののアメリカの美術、工芸の展示の充実ぶりが挙げられます。

この力強いインディアン像はフレデリック・レミントンというアメリカの芸術家の作品だそうで、他にもいろいろとありましたが、今にも動き出すような”写実性”+”躍動の強調”は見事です。
シカゴ美術館(4)

同じく18世紀から19世紀にかけてのアメリカの絵画工芸品です。

来年は遣米使節団150周年記念だそうです。
幕府から派遣された勝海舟、福沢諭吉等の約100名、アメリカで大歓迎を受けたようです。

このような人達は、このようソファーに座らされ、何を感じたのでしょうか。

年代を日本の歴史とダブらせていろいろと考えるのも楽しいものです。
シカゴ美術館(5)

ここはちょっとマイナーなアフリカの美術・工芸品のコーナーで、最近できたのかなー?以前に来た時の記憶がありません。

この奥にはアメリカインディアンの工芸品がありましたが、全体からすると驚くほど小さなスペースでした。

日本のコーナーもありましたが、韓国・中国と隣接しており、あまり目立ちませんでした。
シカゴ美術館(6)

アメリカの現代美術・工芸のコーナー。
シカゴ美術館は極く一部を除き、フラッシュを使わなければ写真撮影はOKです。

でも一般的に白人の見学者で写真を撮影する人の数は非常に少なく、私くらいの年代の人で写真を撮る人は皆無です。
写真を撮っているのは若い世代と子どもです。

東洋人はみんな写真が好きで、写真をぱちぱち撮っているのは中国人が目立ちました。
シカゴ美術館(7)

館内は見学者の数も少なく、特にヨーロッパ印象派の展示室はごらんのように人影が視界に入らない事もあるくらい少なかったです。

という事で、回りを気にせずに見学ができましたが、やっぱり1日のスケジュールでは全部を見るのは到底無理でした。
2日間はとるべきでした。反省。
シカゴ美術館(8)

この絵は誰でも1回は本とか雑誌で見たことがあると思います。

ジョルジュ・スーラというフランスの画家の作品で、「グランドジャット島の日曜日の午後」、という作品です。
点描で描かれており、近くで見るとその詳細がよくわかります。

この作品はシカゴ以外には持ち出されない事になっていますので、ここでしか見れません。
シカゴ美術館(9)

館内にはレストラン、カフェテリアがあり食事もできます。
駐車場は近くに大きな地下駐車場があり、駐車に困るという事はありません。
今回はホテルに車を置いたまま、タクシーで美術館を往復しましたので、ラクチンでした。

日本人は2組か3組の家族を見ただけで、殆ど見掛けませんでした。
シカゴ美術館(10)

シカゴは町全体が、アートギャラリーになっていると言っていいと思います。
特にダウンタウンのループ周辺のビルの前にはいろいろな野外彫刻が置かれており、シカゴのビル街の特徴になっています。

この窓の向こうのビルの横にも巨大なオブジェが作られており、美術館の中の電灯のモチーフと重なってちょっと面白い構図になっていました。
アーリントン・ハイツのホテル(1)

シカゴ美術館の見学を終え、ダウンタウンの北西30マイルくらいのところにある町に向かいます。ここは日本人が多く住むところです。

シカゴとシカゴ郊外には日本人が1万2千人以上もいるそうです。

ホテル・カウンター前のソファーとかクリスマスのデコレーションも5年前と同じでした。
アーリントン・ハイツのホテル(2)

部屋はごく普通の部屋で、最初に入った部屋は暖房が壊れており、すぐに隣の部屋に替えてもらいました。

アメリカは例外を除いて、清潔さと機能性は値段にあまり関係ない、というのが今までの経験から言えます。
このホテルチェーン(ホリデー・イン)はインターネットも日本語放送のテレビも無料で大いに気に入っています。
2日目の夕食

この日は韓国の焼き肉レストラン。
実はコロンバスには席でジュージュー焼く、本格的な焼き肉レストランがありません。

焼き肉を3人前、その他野菜とかスープを注文、カミさんと2人では、食べきれない程の量がありました。
味噌汁とデザート(アイスクリーム)のサービスもあり大満足で帰ってきました。

私は当然の事ながら、定番の韓国焼酎をボトルで頂きました。かなり酔っ払いました。
さあ帰るぞ

3日目の朝、雪も止んで、コロンバスまでの600kmのドライブも天気予報によると問題なさそうです。

このホテルも朝食は宿泊代込みで、日本食”風”のメニューも準備されています。
朝食の時に隣に座った日本人親子4人連れと少し話をしましたが、ミシガンから来たと言ってみえました。
ここに泊まるという事は、買い出しが目的なのかなー。
買い出し(1)

買える前にホテルの近くにある日系スーパーでお買い物です。
ここのスーパーは日本の中規模の大きさがあり、何でも揃います。

今は”ミツワ”という名前ですが、元は”ヤオハン”という名前で、たしか1997年に初めて来た時はまだヤオハンという名前でした。

カミさんによると値段はともかく、コロンバスに比べて品揃えはかなり豊富、だそうです。
買い出し(2)

ここには三省堂書店があります。雑誌、新刊、文庫本、マンガ、参考書、など殆ど揃っている感じです。
但し、雑誌とかは結構古いものも並べられており、買うときは要注意です。

肝心の値段ですが、今のレートで日本の1.4〜1.5倍くらいの値段で売られていますから、ムチャクチャ高いという訳ではありません。

何と言ってもパラパラとページをめくって見て買えるのは最大のメリットです。
買い出し(3)

液体燃料販売所です。液体燃料に関してはコロンバスよりうんと安い感じです。大体6〜7割見当です。
どうせ飲むんだからという事で全部でいろいろと併せて20本以上は買い込みました。

前に来たときに、店の中で一升瓶をガシャーンと割ってしまって床一面に酒をまき散らしたのも、今となっては懐かしい思い出であります。
あっという間に終わったシカゴブラリ旅、帰りは600kmを1回の休憩でぶっ飛ばしてコロンバスに帰ってきました。
今にして思えば、12年前に最初にシカゴに来たときはナビもない車で、よくこのダウンタウンの中を走り回ったものだと今更のように感心してしまいました。

それと帰りの車の中で、「やっぱりシカゴは夏に来なくっちゃネー、、、。」、とカミさんと話をするのですが、これで4回シカゴは冬のみの訪問という事になっています。暖かくなったらもう一度来てもいいかなー、と思ったりしています。

シカゴに行くには決めたら、インターネットでポンポンとホテルを予約して、後は必要な荷物を車に積み込んで、普段着のまま出発。6時間後にはダウンタウンのど真ん中に着く事ができます。

この手軽な車の移動というのが、アメリカンスタイルの旅ですね。あらためて納得しました。
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