オハイオのアンティックショップ
オハイオに来た日本人の中のかなりの人が、「アンティック・ファン」、になって日本に帰って行きます。
アンティック、あるいはアンティック・グッズというのは日本語に訳すと、「骨董品」となりますが、日本で言うところの骨董品とはひと味違った面白さがあります。

私も時々、アンティックショップに行って、アンティックを見ます。別に何か特別の目的がある訳ではないのですが、いろいろな物を見て、「一体これは何だろう?」、から始まって、最後には呆れ返ってしまうものや、合点納得するもの等、あれこれ想像するのが好きなのです。

アンティックショップの中の写真撮影は、店の人にお願いをしても普通は撮らせてくれません。レイアウトとか、飾り付けの様子が、同業他者に知られるのが嫌なのでしょう。
そんな訳で、かなり控えめに写真を撮ってきましたが、私は同業者でもないし、ただ純粋にオハイオのアンティックショップの紹介をしたいだけなので、きっと大目に見てくれると信じています。
アンティックショップの入り口

大きなアンティックショップは、市街地を離れた郊外にあるのが普通です。外から見ると、何の変哲もない、只の倉庫のような形をしています。

大きさは数千平方メートル以上、いやひょっとしたら1万平方メートルはあるんじゃない?というような大規模なものまであります。

外から見てもかなり巨大ですが、中に入って更にびっくりする事になります。でもちょっと見は体育館みたいで、味も素っ気もありませんケド。
全体の陳列の様子ー1

内部は至って簡素で、通路を挟んで5m四方くらいのブースが並んでおり、そこにいろいろなガラクタが並べられています。

これらのブースはそれぞれ別の持ち主になっているようです。
ですからこの体育館みたいな巨大なスペースは一つの会社が管理をして、個人にブースを貸している、という感じです。
ブースの中の様子

このブースは1900年前後の生活一般用品のガラクタです。洗濯板とか、大きなボールとか、照明用のオイルランプとかが置かれておりました。

洗濯板は25ドルという値段が付けられていました。部屋のインテリアにするといいかも。

このようなブースが延々と続き、一つのブースであれこれ見ていると1日かけても全部見ることはできません。
全体の陳列の様子−2

このエリアは一応天井があって、少しはましな感じです。でも並べてあるるのはガラクタです。

右側のブースはガラスの陳列棚になっており、直接に手で触ることはできません。
くわしく見たいときとか、買うときは通路を巡回している店員のオジサン、オバサンに声をかけて、鍵を開けてもらいます。

買うときは、番号札をもらい、帰りに受付で札を見せると、その物と引き替えに受け取り、お金を払います。
ガラクタの山、山、山

ちょっと写真の撮り方がマズイのですが、それぞれ見易いように非常に工夫されて陳列されております。

この辺は食器とか坪とかの類のものが一杯ありました。何でこんなものが100ドルもするの?とか信じられないような物がたくさんあります。

やはりアンティックというのは、普段からの研究が大切で、そのための本もたくさん売っています。
ガラス食器の山

エッ、という値段がついている物はヨーロッパの古いものです。やっぱりアメリカ人は結局はヨーロッパに弱いんだよなー。

親が大事にしていた食器を、訳のわからないドラ息子が、小遣い欲しさに売り飛ばしてしまう。
このようなパターンの時に、掘り出し物が出ます。

私もある
ジャンルについてはかなり詳しいのですが、今までに2回ほどそのようなドラ息子のたたき売りで、相場の五分の一くらいで買った事があります。
本のアンティック

アメリカも古本の専門店がありますが、このような一般的なアンティックショップでも時々本のコーナーがあります。
書籍だけではなく雑誌もあり、1940年代のLIFEとかも新品みたいなのを見掛けます。

それと大抵の場合、本のコーナーの横にはレコードのコーナーがあり、うんざりするくらいたくさんのレコードが売られています。
何でしょう、これは?−その1

赤と黄色と水色の5個の箱のような物、一体なんでしょうか。これは木でできた5両連結の汽車の模型です。
1つの貨物車両が5cmくらいの、木でできた本当に素朴な玩具。手垢で汚れて、ペンキも剥げています。

ところが、これが50ドルなのです!!どうして?
わかりません。
何でしょう、これは?−その2

そうです、牛乳ビンです。アメリカも1950年代まではこのようなビンで家庭に牛乳が毎日配られていたのです。

左側の小さいビンは、私が子供の頃に毎日家で飲んでいた、1合ビンそのものです。
私には妹がおりましたので、これを半分ずつ飲んでいたのを思い出しました。

このビンが10ドル、紙でできた未使用のフタが1枚2ドル。さあ、貴方なら買いますか?
何でしょう、これは?−その3

どこのアンティックショップに行ってもあるのが、太平洋戦争の日本からの戦利品です。

小銃、銃剣などの武器(全部まだ使える、実弾も簡単に手に入ります)、それに階級章とか、軍服の一部とかが売られています。

たまに日の丸の寄せ書きも売られています。もちろん肉筆の本物です。
私はこのようなものを見ると、非常に複雑な気持ちになってしまいます。
何でしょう、これは?−その4

これはあまりにも有名な、そうです、ロイヤルコペンハーゲンです。
年次で作られたものが売られており、1960年頃のものは50ドルとかの非常に高価な値段がついております。

私は20年以上前に始めてデンマークに行ったとき、ある人からプレゼントされたものを大切に持っています。
何が売られているか?

毎日の生活の中で使われていた物・衣類、装飾品、それこそ何でもあります。
ただ不思議なくらいに、工業製品は殆ど売られていません。
たまに古いラジオとか、扇風機とかが売られているくらいです。

それよりも50年前の未使用の調味料とか、まだ飲んでいないコーラとか、かなりマニアチックなものが目立ちます。
アメリカのアンティックって、せいぜい50年から100年くらい前、たまに150年くらい前の品物を並べているだけですから、見ていてあまり違和感がありません。
つまり見ていて、自分が子供のときに見たもの、使ったものに直結している物が多いのです。

これが300年前の物とか、500年前の物になると、歴史的な価値はあるのでしょうが、身近な物として感じる事ができるかと言うと、少し違ってくると思います。
見ていて楽しい理由はこのへんにあるのかも知れません。

さあ、今度はどこのアンティックショップへ行くかな?
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